イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか? 作:カルビン8
【魔法】
ドラゴンフォーゼ
詠唱 【姿が変わりゆけども決して変わらぬは己の心】
竜変化 竜種に特効ダメージを与えられる
【魔力】が高ければ高いほど【耐久】【敏捷】に超補正
空中を浮くことが出来る
【魔法】を無効化する。(回復と強化は受け付ける)
スキル【光の波動】が【魔法】発動している間に任意発動出来る
スキル
【光の波動】
【精神力】を消費して光を発する。
呪い、怪我を治す。増血作用あり
オレはロキファミリアに入ることにして神の恩恵を刻むといろんなことが書いてあった。能力がゼロばっかりだが力が落ちている感じはしない。これからは素のステータスは上がらずステイタスが上昇するようになるのだろう。さっきから感じた【魔力】を持った2人がここに来たな。
「3人共、今戻ったぞ。ん?客人か?」
そこには髪色が翡翠で細長い耳を持つ長身の女性のエルフがいた。どこか気品にあふれていてイーリスの第一王女を思わせた。今は亡き第一王女・・・いかん、鼻の奥がツンとした。落ち着けオレ。
「・・・誰?」
もう一方の金髪の金色の瞳を持つ今とオレと同じくらいの大きさの少女が来た。なんだか切羽詰まっていて余裕のない表情だ、子供がする顔じゃない。
「おお!2人ともおかえり、ほんまや!シエンの言った通りリヴェリアとアイズたんが帰って来たで!」
「シエン?この少年の名前か?」
「せや、それで今日からウチらの家族になったんや」
「・・・ロキ、私は聞いていないのだが?」
「さっきなったばっかりやしな。シエン、リヴェリアとアイズに挨拶や」
「これからよろしくお願いします」
オレは2人に頭を下げ挨拶をした。
「こうなってしまってはしょうがない、私はリヴェリア・リヨス・アールヴ、ハイエルフでこのファミリアの副団長をやらせてもらっている。よろしく頼むぞ」
「ロキ、ハイエルフというのはなんだ?」
エルフとどういう違いがあるのかロキに聞いてみたら
「ハイエルフっちゅうんはエルフの中でも上位種、ようは王族やな」
やはり王族か。クロムといいリズといい、オレは王族にやたら縁があるな。
「ではリヴェリア様とお呼びいたしましょうか?」
「今は同じ冒険者だ。そんな硬くならなくていい。それよりシエン、お前は冒険者となってなにを成すつもりだ?」
どうやら王族ではなくリヴェリアとしてみて欲しいらしい。冒険者となって何をしたいのか・・・か。前は生きることで精一杯でギムレーを倒した時は正直もう人生をやりきった感があった。このオラリオも今は真っ暗闇だ。生きる為には強くならなくてはならない。まずはそこからスタートだな。
「やりたい事は分からないです。けど今は生き残る為に強くなりたいです」
「生き残る・・・か」
「はい、先程闇派閥の連中に襲われて生きる為には強くならないといけないとより思いまして」
「リヴェリア、シエンはな【魔法】に関する才能はピカイチなんやで!リヴェリアもうかうかしてたらあっちゅうまに追い越されるで?」
ロキがリヴェリアさんにオレのステイタスを書いてある羊皮紙を見せた。リヴェリアさんは羊皮紙を見て驚きを隠せないようだ。
「なんだこれは?」
「やっぱりそう思うよね」
「ぶっ飛んだ小僧じゃろう」
「シエン、たとえどれだけ力があろうとも知識がなければ意味がない。アイズと一緒に基礎知識を養って貰う、勉強だ」
どうやらリヴェリアさんが教師となって教えてくれるようだ。これはありがたいな。アイズと言われた金髪の少女は「勉強・・・」と嫌そうな顔をしていった。勉強が嫌いなんだろうか。
「アイズ、勉強が嫌いなのか?」
「勉強なんて意味ない。それより戦う方が大事」
「戦うのは確かに大事だけど、知識が無いとオレはダンジョンに何があるのか分からなくて怖くて潜れない。ダンジョン探索では必要な事だから意味はあると思うけど」
「シエンの言う通りだぞアイズ。やっておいて損はないんだ。むしろ為になる」
「・・・ッ!でもあの本の量はおかしい!!」
「本の量?」
「これが基準だ」
そこには山積みになった様々な本がいっぱいあった。7歳の子供にこれはきついんじゃないかな・・・取り敢えず読んでみようと一冊の本を見ると
「あっ」
「どうした?」
「ところどころ読めない・・・」
共通語をしっかり把握していない為なんとなくでしか理解できなかった。
「シエンは共通語の勉強からか・・・ん?あの本は何だ?」
リヴェリアさんは乾かしていた魔道書に気がついた。オレは魔道書を手に取ってみるとちゃんと乾いていた。試しに【精神力】を流してみると黄色に輝いた。どうやら今のオレでも使えるようだ。攻撃手段は一つできたな。
「シエン!何をしている!?」
リヴェリアさんがオレの持つ黄色の魔道書を見て言った。他の4人も本に釘付けになっている。
「ちゃんと使えるか確認していたんです。どうやらちゃんと使えるみたいで安心しました」
「僕も気になってはいたんだけど魔導書とは違うみたいだね。ロキ、読めるかい?」
「シエンちょい借りるで。んん〜?どうやら【魔法】を習得出来る魔導書とは違うみたいやな。ほい、シエン返すで。けどこれ誰が書いたんや?見たことないもんやけど」
「オレの友達、オレも魔道書を書ける」
「ホンマか!?」
「父さんに魔道書の書き方、母さんに杖の作り方を教わった」
「とんでもない両親じゃのう」
「そんな事はない。やり方がわかれば【魔力】と材料さえあれば出来る」
「・・・これは他のファミリアには言えないね」
「ああ、神々が何としてでもシエンを手に入れようとするかもしくは・・・」
子供にはお前は殺されるとは言いづらかったのかリヴェリアさんは言葉を濁した。
「よし!話はこれくらいでええやろ。空き部屋がまだあったはずやからそこをシエンの部屋としようか。ほな案内するで夕食の時ウチのファミリアにいる子達を紹介するから楽しみにしてな」
場の空気を変えるようにロキは話を終わらせた。魔道具作成用に机とか欲しいな。
ロキの部屋
シエンを空き部屋に案内してそこで自由にするように言ってロキは自室に戻った。そしてロキファミリアの首脳陣である、フィン、リヴェリア、ガレスを呼んだ。
「さて、集まってもらったのは言わなくてもわかると思うけどシエンのことや」
「そうだろうね」
「聞いたことのないスキルばかり持っておったしのう」
「あんなに幼いのにどれだけの経験をしてきたんだろうか」
ステイタスは経験によって基礎アビリティが上昇したりスキルが生まれたりするものだ。かなり幼い頃から鍛え上げられたとリヴェリアは思った。
「成長促進スキルは他の子達にも言えん、ファミリアん中で絶対孤立してまう」
大したことをしてないのにステイタスがガンガン上がっていったら誰だってズルいと思うはずだ。
「それにな、羊皮紙には書いてなかったけど実はこんな【魔法】をもっとったんや」
そう言ってロキは羊皮紙に書いてない【魔法】について話した。
「ドラゴンフォーゼ・・・」
「これは確かに言えないのう」
「『怪物趣味』の予兆かもしれんな」
言葉通りハーピィやラミヤなどのモンスターなどに欲情してしまう異常性癖の人物の言葉で下界では最大級の蔑称である。
「夕食の最中にモンスターについてどう思っているんかシエンに聞いてみるわ」
「頼んだよ」
「ワシも話を聞きに行っていいか?あの小僧が何を言うのか楽しみでな」
「ガレス、これは深刻な問題なんだぞ」
「ワシらが深刻な問題に思っておってもあの小僧は気にしないと思うがの」
「生き残ること、僕らに出会う前は一体どんな環境で育ったんだろうね」
「今はウチの眷属や、ウチらが守ってやればまた別の目的が生まれるはずや。きっと大丈夫やで」
「アイズ同様にとんでもない子を眷属にしたな、ロキ」
「しゃあないやん、ビビッときたんやから。アイズたんに良い影響になるとええんやけど」
食堂
「みんな、今日から新しい家族になったシエンやよろしく頼むで」
「よろしくお願いします」
みんなの視線が集まることは最近なかったし緊張するなぁ。さて、オレの席はっと
「シエンはここやウチの前」
ロキに促されて席に座った。目の前にロキ、ロキの右手にはフィン、リヴェリアさん、ガレスといった重役の人達が集まった場所だった。
え?なにこれ?
「さて、食事にしよか。シエン、好き嫌いはあるか?」
「好き嫌いはあるけど嫌いな物が出てないから大丈夫」
フォークやナイフを器用に使って食事をする。食事のマナーはバッチリだぜ。リヴェリアさんの視線が気になるな。
「ふむ、見事な作法だな。誰に教わったんだ?」
「イーリスの王子の側近に教えてもらいました。王子のそばにいるものとして必要なことって言われまして。けど他の貴族の人に嫌われて追い出されましたけどね」
「嫌な事を思い出させてしまってすまない」
「あのままあそこにいたら殺されていたかもしれないのでこれでよかったんだと思ってます、フフフ・・・」
「「「「・・・・・」」」」
カチャカチャとスプーンやナイフが皿に当たって出る音がだけが聞こえる。やっべ、やっちまったわ、食堂の空気が死んだわ。でも本当のことだしなぁ
「ゴホン!それはそうとしてこれからはダンジョンに潜ってモンスターと戦うことになるけど。モンスターのドラゴンの事はどう思う?」
「どう思うって言われても。襲ってくるんなら倒すだけだけど?」
「そかそか、それならええんや」
「?」
なんだったんだ?今の質問は
「シエン、明日は冒険者となるためにギルドに行って冒険者登録をしにいく。私と一緒に行くぞ」
「はい分かりました。あの、ご飯美味しかったです。ご馳走様でした」
食事もそこそこにして食堂の空気を破壊した張本人はサッサッと自室に戻るとしますか。
食堂
「思った以上に辛い場所にいたんだね」
「なにを言うか楽しみにしていた自分を殴ってやりたいわい」
「リヴェリアに対して若干遠慮しているのはそのことも関係があるんかもしれんなぁ」
「そんな事を言われても私はどうしようもないのだが。ハァ、困ったものだ」
「頑張ってや、ママ」
「誰がママだ」