イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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勉強中 アイズが逃げている間

「シエン、ちょっとええか?」

ロキが真剣な表情をして言った。

「なんだ?」

「自分のスキル、他のもんに喋ったらあかんで。わかるやろ?」

「ああ、気をつける。・・・そうだ、このファミリアに図書館はあるか?あるとしたらモンスターやダンジョンについての本を見たい」

「図書館もそういう本もあるで、あとで教えたるわ。それとシエンの気づいたアイズの変わった【魔力】についても喋ったらあかん。本人にもや」

「わかった」

アイズの【魔力】・・・何かあるのか?


レポートを書こう!

リヴェリアさん教室が終わり食堂で食事をとる。オレの席はどうやらアイズの目の前に決まったようだ。

 

「魔法の鍛錬の禁止か、習慣になってるから止められるかなぁ・・・」

 

リヴェリアさんはオレの体のことを心配して言ってくれたのは分かるがそう簡単にやめるわけにはいかない。疲れない程度にやるとしよう

 

「クックック・・・」

 

「シエン、なんとなく何考えてるか分かるけど多分バレるで」

 

オレの隣にロキが椅子に座る。

 

「なんでだ?」

 

「リヴェリアは洞察力に長けとるしウチは子供が嘘をついとるのを分かるからな。リヴェリアの尋問にウチもセットでおったら確実にバレるで?」

 

なんだそれは!騙し騙されの世界において嘘が通じないなんてそれは反則だろう・・・

 

「グッ!ならば早く寝て体調を元に戻すしかないか・・・」

 

「なんでそんなに鍛錬したがるんや?」

 

「習慣というのはとても大事だし少しでもサボったら元の感覚に戻すのに時間がかかるから続けないとダメなんだ。それに【魔力】も伸びるかもしれないなら十分やる価値はある」

 

「ほーん、よう考えとるもんやなぁ」

 

「・・・習慣」

 

「でも今はしょうがないから少し休みにするかな。午後からは冒険者登録へギルドに行くのと武器や防具を手に入れることだったか」

 

ギルドには登録だけでなく図書館にない資料を借りたい。無理ならギルドで許可をもらって書き写させてもらう。

 

ギルド

 

「シエン、ここで冒険者登録をする」

 

ギルドはオラリオの都市運営、冒険者や迷宮管理、魔石の売買を司る機関だ。今は恩恵を授けたものはいないそうだが、それなりに【魔力】を持ってる奴がいるな。誰だ?

 

「ローズ、冒険者登録しに来たぞ」

 

「ハァ?また?この間にあの子供を登録しに来て、また来たのも・・・子供じゃない・・・」

 

受付には気だるそうな狼人の女性がいた。この間の子供というのはアイズのことだろう。オレは差し出された用紙に名前だけを記入した。

こちらの世界には出身地のイーリス聖王国ないので書かなかった。

 

「シエンもアイズ同様にこちらで指導する。武器や防具はまたギルドの物をもらおう」

 

「はいはい、分かりました。それで?シエン君、何か質問とかない?」

 

「質問じゃないけどお願いがあります」

 

「何かしら?」

 

「ダンジョンにおいての死亡者リストを貸してもらえませんか?」

 

「え?・・・えーと、何に使うのかしら?」

 

「ダンジョンの上層についてどれほど危険なのか実際に知りたいからです」

 

「なるほどな。ローズ、すまないが貸してもらえないだろうか?責任は私が取る」

 

「こういうの頼まれるの初めての事だから貸していいのか悪いのかわからないけど。そうだ!ならシエン君にクエストをお願いするわ」

 

クエストか、流石にタダで貸してはもらえはしないようだ。

 

「この本の死亡者リストをシエン君が別の紙にまとめて欲しいのよ。期限はなしで資料が出来た時に本も一緒に持って来てね。大切なものだから絶対無くさないでね?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

「シエン、武器や防具をサイズ調整してもらってこい。私はここで待っている」

 

「分かりました」

 

そう言ってシエンは他のギルドの職員の後をついて行った。

 

「ローズ、あの子をどう思う?」

 

「分からないわ、あのアイズって子よりはマシだと思うけどかなり慎重で子供らしくないわね。貴方になんかよそよそしいし、子供が死人者リストを貸してほしいなんて言わないでしょ、普通」

 

「まあ、確かにな。私も昨日にあったばかりでどういう子なのかは分からない」

 

「でもこういう情報を大切にする子は珍しいし貴重ね。ねぇ、ロキファミリアでやっていけそうにないならギルドに勤めないか聞いといてよ」

 

「断る、我々のファミリアにとっても重要な人財だ」

 

そんなこんな話しているとシエンが戻ってきた。

 

「よし、装備もしっかりしているな。この後どうする?」

 

リヴェリアはシエンに聞くと変わった返事が返ってきた。

 

「ファミリアに戻って研究します」

 

「なに?」

 

「・・・へぇ」

 

「ロキが図書館に資料があるって言っていたのでそれも確認してダンジョンの通路を把握したいと思います。ダンジョンにはいつでも行けるのでまだいいです」

 

「(危険なモンスターの把握とダンジョンのルートの把握を優先するか)分かった、では戻るとしよう。ローズ、また来る」

 

「出来上がるのを楽しみに待ってるわ」

 

 

ロキファミリア前

 

「あの、リヴェリアさん」

 

「・・・」

 

オレはリヴェリアさんに声をかけたが返事がない。聞こえているはずなんだけど・・・

 

「リヴェリアさん?」

 

「私はリヴェリアサンではない、リヴェリアだ。お前が私の名前をちゃんと言うまで話さない」

 

「・・・」

 

なんてめんどくさいんだこの人は!

なんか俺の会う王族の人はやたらフレンドリーな人多くないか?クロムとか全然王族っぽくないし・・・

とはいえ年上の女性には礼儀正しく接するもんだしなぁ。

でも本人がそうして欲しいって言うんだからそうしよう。ただのリヴェリアとして見よう。

 

「り、リヴェリア・・・あのさ、ギルドでそれなりの【魔力】持った奴を感じたんだけど何か知らない?」

 

「それは本当か?・・・そういえばローズが昔言っていたことがあったな。夜に目を離しているうちに自分の書類がなくなった、『幽霊』がいると」

 

「『幽霊』・・・何者かは分からないけど【魔力】は覚えたからいつでも追跡できる」

 

「まさかそんな奴を探知出来るとはな・・・大した奴だよお前は」

 

そう言ってリヴェリアはシエンの頭に手をポンと置いた。リヴェリアがシエンを見下ろしたら、シエンは平然としていたがちょっと頰が赤くなっていた。大人びてはいるがまだまだ子供だとリヴェリアは思った。

 

シエン自室

 

オレは図書館にて必要な本、モンスター図鑑、ダンジョンの地図を借りてきた。ギルドから借りてきた死亡リストで早速レポート作りを開始した。

 

「えーと、書くのはテーマ、目次、実験内容、必要な道具、手順、結果、考察、参考文献っとこんなもんかな。さて、問題は死亡者リスト・・・何年前からのデータかは分からないけどなかなか分厚いな・・・」

 

オラリオの冒険者はほとんどがL v.1だ。そのためダンジョンの上層までしか行けないので上層で死亡している人が多い。だから本の内容はほとんどが上層のことばかり書いてある。逆に中層や下層となると冒険者の数が一気に減り、死んでいる人の数も少なくなるのであまり載っていない。全滅したらどうやって死んだか分からないから載っていないだけで本当はもっと亡くなった冒険者は多いのだろうな。

 

「えーと?ウォーシャドウに切り裂かれて死亡、ウォーシャドウに切り裂かれて死亡、霧に紛れて奇襲してきたネイチャーウェポン持ちのオークに潰されて死亡、ウォーシャドウに切り裂かれて死亡・・・ウォーシャドウ強すぎじゃね・・・?」

 

「うん」

 

ウォーシャドウはどうやら冒険者たちの鬼門のようだ。素早く長い腕で鋭い三本の指を使って切り裂いてくる。

新米の冒険者では接近戦しかできないし遠くで戦おうにも【魔法】を持っているのはそうそういないしで辛いってことか。

死亡率が高すぎる、こりゃひでえや要注意だな。ん?今返事があったぞ?

 

「アイズか、なんでここに?」

 

「リヴェリアがシエンのやっているのを見に行くようにって言われたから来た」

 

いつのまにかアイズが俺の部屋に来ていた。集中していたから気づかなかったよ・・・アイズが居ようがやる事は変わらんけどな

 

「これ、色んな色を使っていたり、絵?があって分かりやすい」

 

「ああ、これは棒グラフって言うんだ。モンスターごとにやられた人数を左のメモリに書いてメモリより右側に棒を書いていく。それぞれの棒の下にはモンスターの名前を書くんだ。文字だけじゃすぐは理解できないがこれがあればなんとなくわかるだろ?」

 

「うん、冒険者はウォーシャドウに1番やられてるってよく分かる。出てくる階層やモンスターの特徴も別の所に書いてあるね」

 

文字だけの資料なんて読む気が失せるからな、後で読むときのことを考えて分かりやすくする。ま、オレ以外読む奴なんていないだろうけどな!

 

「これ、リヴェリアに見せてくる、それじゃ」

 

「え?ちょ、アイズ!?まだ書き終わってないんですけどォォォォ!?」

 

アイズはまだ途中だったレポートを持っていった。座っている状態で手を伸ばしたが間に合わなかった。速い!?どうやら今はオレの方が遅いようだ・・・7歳の子供に速さで負ける魔道士、こりゃみんなに笑われるな・・・




【悲報】フェルズ、シエンに常にマークされる

原作でも幼少期のアイズは結構喋ります。9年後、なんであんなんになったんや・・・
よく関わってくるティオナがいなかったら一体どうなっていたことやら


美人の女性に触れられたら誰だって動揺するよなぁ!!
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