イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか? 作:カルビン8
フィン「この日の夜、僕達は今までに見たこともない新種のモンスターに遭遇した。そのモンスターは【魔道書】を持っていた事からシエンが何か知っているのでないかと事件が終わった後に聞いてみた。
簡単に書くと
匂いの箱を開けた者と同等クラスの力を持っている事。
武器を使い襲ってきたりする事。
倒した後にアイテムを落としたりする事だ。
匂いの箱という物を工場区で発見できたがそれはもうすでに壊れていたため、シエンによるともう出現しないという事らしい。」
トリックスター「フィン達が開けたら第一級冒険者クラスがうじゃうじゃ湧くってことかいな!?」
リヴェリア・リヨス・アールヴ「なんだその危険な物は!?」
ワシ「オラリオ崩壊待った無しじゃな・・・」
アイズ ステイタス Lv.1 シエンがいることで原作とは少し変わった。
力 :C609
耐久 :C689
器用 :A821
敏捷 :A820
魔力 :H100
ロキファミリア 事件から数日後
あの出来事の後に緊急神会が行われ、新種のモンスターは【屍兵】と名付けられ、屍兵が地上で現れ暴れまわった事件は【ヘル・ミッショネルズ事件】と言われるようになった。
今までに見たこともないモンスターの為、ギルドは情報を集めようとしているが知っている人が覚醒の世界にいる人だけなのでまるで集まらないようだ。
あの箱が一つしかないってことはあり得ないのでまたどこかで取引されていると思うと寒気がする。
今回の事件から空中戦ももしものために出来るようにならなくなりフィンから【ウインド】の【魔道書】を大量に作るように言われオレも忙しくなった。
お昼になり魔道具制作を途中にして執務室から食堂に移動し席に座ると、フィンがヒューマンの少年と猫人の少女をみんなが見える位置に連れてきた。
「今日から新しく僕らの家族となる冒険者が二人増えた。これから仲良くやってほしい!二人共、自己紹介をしてくれ。」
「ら、ラウル・ノールドです!よ、よろしくお願いします!!」
黒い髪のツンツン頭の少年で見た目はなんとも普通だった。なんだか親近感を覚える。
「アナキティ・オータムです。家族からはアキと呼ばれてましたのでアキと呼んでください。」
こちらも黒髪の黒い尻尾の美少女で美少女好きなロキがいかにも好きそうな感じだった。
「君達二人の席はあの小さい二人の席の近くかな。」
フィンは新入り二人の席をオレ達の席の近くにした。二人共13歳らしくて年はそう近くはないがまだ他の仲間たちより喋りやすいということだろう。
「えーと、シエン君とアイズちゃんッスよね?これからよろしくッス」
「私達はまだまだ分からないことだらけだから色々教えてほしいな。」
「こちらこそよろしく」
「・・・よろしく」
お互いに挨拶をして食べながら喋る事になった。
「二人共ランクアップってどうやったら出来たんっすか?」
ラウルは今オラリオで持ちきりの話題である世界最速ランクアップを果たした二人に聞いた。
「オレは【魔道書】を書いたり【屍兵】を倒したから。」
「ワイヴァーンを倒した。」
「「・・・え?」」
ラウルは【魔道書】というのはよく分からなかったが【屍兵】は分かった。数日前に起きた事件で【屍兵】は一体一体が強く、ガネーシャファミリアの眷属でさえも苦戦したというほどだというのにそれを目の前の少年が倒したと言い。
もう一人はダンジョンの中層に出てくる竜種をLv.1撃破したのだと言う・・・。
「ハハハ!ダメだぜ新入り!そいつらの真似をしたら幾つ命があっても足りねぇぞ?」
「そうよ、確かにレベルアップするためにはより強いモンスターと戦う必要があるけど一人で戦う必要はないのだから、協力しましょう?」
「「は、はい・・・」」
話を聞いていた他の先輩達も話に加わってきて新入り二人に無理しないように言う。
自分達よりも小さい子供達がとんでもない無茶をしたのだと思った。
「えっと、シエンだっけ?【魔道書】というのはどういうものなの?」
アキはシエンに【魔道書】というものについて尋ねた。
「詳しくは言わないけど【精神力】を持っていれば【魔道書】の数だけ【魔法】を使える。」
「・・・・・【魔法】って3つまでしか使えなかったはずよね・・・」
「フィンは【精神力】を消費して使う魔剣って言ってた。」
「なるほど・・・それをシエンが書いているの?」
「そういう事。だからダンジョンに行く時間がなかなか取れなくて大変なんだ。」
シエンはわかりやすい魔剣を例に出してアキに教えた。なお、教えてもらったアキの笑顔は引きつっていたが。
「どうやらオレ達とんでもないファミリアに入ったみたいっすね・・・」
「ええ、そのようね・・・」
ラウル、アキの所で話が盛り上がっている頃、自分の椅子に座っているロキは不機嫌だった。
「面倒な事になった・・・」
「ロキ、何があったか聞かせてもらえるかい?」
悩んでいるロキにフィンが話を聞きに来た。
「実はな・・・」
それは緊急神会にて【屍兵】についての情報交換だけかと思っていたがそのままの流れでまさか二人の【二つ名】を決めることになるとは思わなかったからだ。
緊急神会
「アイズ・ヴァレンシュタインは【剣姫】に決定!」
「お〜ええやん」
「やりますねぇ!」
「オレのファミリアに114514!(いいよ来いよ!)」
「誰がやるかボケェ!次はシエンやな。シエンの【二つ名】はウチがとっておきのを考えてきたんや。それは【ファ・・・】」
「【ファヴニール】なんてどうかしら?」
「おいこら!色ボケ女神!!ウチが言おうと思っとったんに何言っとるんや!!しかも同じとか!」
「ウフフ、同じなら問題はないでしょう?」
「【二つ名】には問題はない。だが自分が名付けようと思ったのがウチにとっては大問題や。」
女神フレイヤは基本的にバベルの塔の最上階で人を眺めているだけなのだが気に入った子供を見つけると積極的に動く。普段は神会にも顔を出さないが今回の緊急神会に来たのもこれを見通してのことだった。
「ロキ、私最近
「誰がやるか!!」
「えっ、てことは昨日の事件で現れた【ファヴニール】と今決めた【ファヴニール】が同じって事はあれはやはり子供!?」
「人をモンスターに姿を変える【スキル】、【魔法】どっちだろうな?気になる〜」
「どっちだっていい!レアだぜ!今度会ったら話しに行こうかな」
「おい抜け駆けは許さねぇぞ!オレも行く。」
神々は特別、前代未聞といった事に興味津々であの手この手で、もて遊ぶ。それによって子供達の人生が狂わされたりするのだが。
「おいお前ら・・・下手にウチの子に手ェ出したらどうなるか分かっとるんやろうなぁ・・・」
『すみませんでした!!(手は出さないけど会わないとはいってない)』
天界では邪神とも恐れられたロキの言葉に神々は萎縮し黙り、そのまま緊急神会は終わった。
ロキファミリア
「てことがあったんや・・・」
事情をフィンに話すと苦笑した。
「まあレベルアップするこの事で名前が売れてバレてしまうのはしょうがないんじゃないかな?神々の反応はともかく」
「忠告しても絶対あいつらちょっかいかけてくるで!ホンット神ってやつはどうしようもないな!!」
「ロキが言ってはいけないと思うけどね・・・」
ロキも他の神々にも負けず劣らず好奇心が強く人間臭い。度々いろんな子供にちょっかいをかけたり、面倒ごとを自身の子供に押し付けたりなどやらかしている。
「要注意なのはあの色ボケ女神や。シエンは外出する時は絶対に一人にしてはならん!」
「ンー、後はシエン自身に気をつけてもらうしかないね。」
ロキファミリア 鍛錬場
ラウル、アキの歓迎会も終わり。シエンは魔道書製作の続きをしようとしたがアイズにレベルアップによる認識のズレを調整するために模擬戦をして欲しいと言われ模擬戦をする事になった。
シエン自身も調整が終わっておらずちょうどいい機会なので模擬戦の相手役を引き受けた。
「さてやるか」
「うん、いくよ。【テンペスト】!」
アイズは【魔法】の詠唱をするとアイズを守るように風が吹き現れた。そしてアイズの剣、ソードエールに【風】を付与した。
「攻守一体の【魔法】か、いい【魔法】だな。」
「うん、大切な【魔法】」
そうして期待の新人同士の模擬戦が始まった。
「どうだい二人共、あの子達の戦いは」
この模擬戦を見に来ていたフィンが連れてきたラウルとアキに尋ねる。
「す、凄いっす・・・」
「あんなに小さいのにどうしてあれほど速く戦えるのか不思議です。」
「ハハハ、それが神の恩恵の力だよ。そしてランクアップした事で、前のレベルより段違いに速くなるからね。」
目の前では小さな子供が高速に動き回り。二人が接近戦に入るとシエンの影が複数の黒い手に変わり、アイズに取り付こうとするがアイズの風の鎧によって弾かれる。
アイズはそのまま突撃してシエンを斬りつけようとするがシエンは【魔法】を使い身を守る。そして距離を取るために【ウインド】を使い空中に逃げる。
「空を飛んだっす!?」
「嘘!?本当に飛べるなんて・・・」
「シエンの【魔道書】は使い方次第でいろんな事ができる。それにあれはまだ初級らしいよ?」
「初級!?じゃあもっと強力なやつもあるって事っすか!?」
「ああ、全く末恐ろしいよ・・・」
あの子達がどこまで行けるのかどこまで強くなれるのかフィンはこのからの先のことが楽しみだった。
「ふぅ、あっぶねぇ・・・アイズ相手に接近戦はやっぱりダメだな。あの【魔法】のせいで拘束できない。」
シエンは空中でアイズの【魔法】の分析をしていた。接近戦では予想以上に厄介な【魔法】だと理解した。
「風の【魔法】を使えるんなら当然ここに来れるわなぁ・・・」
「逃がさない」
アイズはシエンの【ウインド】の使い方を真似て、空中に跳び上がり【エアリエル】の風を身体で受け、空中に浮かせていた。
ちなみにアイズの装備アーマードレス・ロキカスタムのスカートはめくれて下に履いていたスパッツは丸見えである。
そんな事を気にせずマジ顔なアイズという、なんともシュールな光景に苦笑いを浮かべるシエン、心の中でリヴェリアに後で叱られるだろうなと思った。
「グヘヘへ!アイズたんのスカートめくれ過ぎやろ!ナイスやシエン!」
「何をバカなことをいっている・・・後で三人の説教だな。」
「ゑ?堪忍してやママ!」
「誰がママだ。」
「ロキ、余計なことを言わなければよかったのう・・・」
空中
アイズはシエンのいる空中にまで上がってきたのはいいが初めてのことで動きがぎごちなかった。空中で動くたびに【精神力】を消費するため戦う事に集中できないからだ。
「ほれほれ追って来いよアイズ〜」
シエンは寝たきりのポーズでアイズを挑発して更に距離を取った。シエンもレベルが上がった為【魔力】と【精神力】が上昇しアイズよりも【精神力】には余裕があった。アイズの【精神力】を全消費させて【魔法】を使わせない作戦だった。
人一倍負けん気の強いアイズはその挑発に乗りシエンに追いつこうとする。同じレベル2ではあるが【魔力】の潜在値が圧倒的に負けているアイズではこれ以上【エアリエル】の出力をあげることはできずシエンに追いつくことはできなかった。
シエンがワザと速度を落として時々追いつきそうになってもジグザグに動いて追跡を躱された。シエンよりも【敏捷】は上だがそれも空中では役に立たなかった。空中戦はシエンの方が上手だった。
「シエン君、あんなに動いて気持ち悪くならないすか?」
「さあ?慣れているから大丈夫なんじゃないかな?」
「あっ降りてきた。」
シエンはアイズの【精神力】の量が残りわずかになった事を探知して地上に降りた。アイズもフラつきながら降りる。
「・・・頭がガンガンする。」
「それが精神枯渇ってやつだ。ここがダンジョンの中じゃなくて良かったな。ダンジョンの中だと死んでたぞ。」
「・・・」
シエンは今回の模擬戦で調整だけでなく、アイズに【魔法】を使うデメリットを身体で覚えてもらう為に模擬戦を行なったのだ。
「これぐらいで二人共もういいだろう。アイズはリヴェリアにマジックポーションを貰ってくるといいよ。それで症状が治まるから。」
「・・・うん」
フィンはもう決着がついた事を感じて模擬戦を終了させた。
空中戦、【敏捷】が役に立たず【魔力】【精神力】を持つものが制する戦いにフィンは自分も飛んでみたいと興奮を覚えずにいられなかった。
そしてアイズの精神枯渇の症状が治まった後にロキ、シエン、アイズはリヴェリアにそれぞれお説教を食らうのだった。
あけましておめでとうございます!