イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか? 作:カルビン8
ウサギと小さな神
異界の門をくぐると不思議な空間にたどり着いた。ヘルメス達のいる世界は何処かと探っていると不思議な力に包まれオレの体に激痛が走る。その痛みに耐えきれずオレの意識は飛んでしまった。
オラリオ 古い教会付近 夕方
「今日もダンジョンでゴブリンをたくさん倒せた。昔は何も出来ずに殺されそうになったけど、【神の恩恵】って本当にすごいなぁ・・・」
教会付近で独り言をしているのは髪が白色で赤い瞳の少年ベル・クラネルだ。
彼は数日前に神ヘスティアと一緒にファミリアを立ち上げたばかりである。
もちろんヴァリスがない貧乏ファミリアだ。彼の主神のヘスティアは、じゃが丸君を売っている店のアルバイトをして稼ぐ事でファミリアを支えている。
ベルもヘスティアにばかり苦労もかけられないので今日もダンジョン探索をしてそれなりに稼ぎ、教会の下にある自分達のホーム行こうとしていた。
その時教会付近に何者かの呻き声が聞こえた。
「・・・う・・・」
呻き声のしたところに顔を向けると全身黒づくめの男がうつ伏せになって倒れていた。
「人?あの、大丈夫ですか!?ケガをしている・・・大した治療もできないけど、このまま放って置くことなんて出来ない。ホームに連れて行こう!」
お人好しのベルはその男を背負おうとすると男の懐から黄色の本が落ちた。表紙には見たこともない文字が書かれておりベルには読み解くことはできなかった。
「何だろうこれ、見たことがない・・・ハッ!?それよりも運ばないと!!」
ベルは男を背負い黄色の本も持って教会の地下にあるホームに移動した。
「神様ー!ただいまー!」
「やあベル君。おかえりーって誰だい!?その人!?」
なにやらオーバーリアクションをする黒髪ツインテールの幼い容貌の女神ヘスティアが居た。
「この人教会の近くで倒れていて怪我もしているみたいなので手当てをしたいんです。」
「ベル君、君ってやつは見ず知らずの人になんて親切なんだ!確かにそうだね。怪我したままで放置なんてしたら神の名折れだ!すぐに治療をしよう!」
「はい!」
治療を終えてしばらくした後
「・・・う、ここは?」
オレは目を覚ますと周りを見渡した。どうやら異界の門から出ることが出来てどこかにたどり着いたようだ。今はベットの上に乗せられている。
「あ、気がつきましたか?」
そこには白い髪の赤い目のウサギみたいな少年がいた。オレはどうやら相手の言葉を理解できるらしい。
「あ、ああ。ここは?」
「ここは僕たちのホームです。あ、僕たちと言っても僕と神様、ヘスティア様の事なんですけども。」
「神様?そんなのがいるのか?・・・ッ!?」
オレは身体を起こそうとすると腰辺りに激痛が走る、どうやらこの別世界に辿り着いた時に腰を打ってしまったのだろう。気を失って覚えていないが・・・
「あ、身体を動かしたらダメですよ!怪我をしていたんですから。」
「・・・君がこの部屋に運んできてくれたのか?」
そう聞くと目の前のウサギ君は頷いた。このウサギ君は随分とお人好しなようだ。前にいた世界でオレが倒れていたらオレを恨んでいる連中が抹殺していただろう。
「ありがとな。手当もしてもらったみたいだし借りができてしまった。」
「そんなこと気にしないでください。」
ウサギ君は笑って気にしないように言ってきた。オレは何かお礼をくれと言われるばかりだと思っていたがそんなことは全くなかった。
いかに自分が汚れてしまっているかがわかってしまう。なんていい子なんだ・・・
「ベル君、彼は目を覚ましたのかい?」
「はい、目を覚ましたみたいです。」
べつの部屋にいたのか今いる部屋にロリ巨乳が入ってきた。この女の子からは変な感じがする、どうやら只者ではないらしい。この子がウサギ君が言っていた神様なのだろう。気をつけて話してみよう。
「貴女がこの家の主人でしょうか?」
「まあね、僕はヘスティアさ。君は?」
「私はシエン。治療をしていただきありがとうございました。」
「それはベル君に言ってくれよ。君を連れてきたのは彼なんだから。」
ヘスティアはウサギ君ことベルに感謝するように言ってきた。この少年はベルというのか。
「ベル、だったな。改めて助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。あの、シエンさんはどうして教会付近で倒れていたんですか?」
「それはちょっと不思議な門をくぐってな。変な場所に着いてしまったんだ。そこから出るために移動してその後に気を失ってしまってな。その後はどうなったのか覚えていないんだ。」
「不思議な門・・・神様何か知りませんか?」
「いや、それだけじゃあ僕も分からないな。」
「あ、そういえばここはどこなんだ?」
オレが目を覚ましてここがどこなのか知らないので聞いてみた。
「ここはオラリオですよ。」
ベルが今はオレのいる場所について教えてくれた。どうやらオレはヘルメスが言っていたオラリオに奇跡的にもたどり着くことが出来たようだ。オレは小さくガッツポーズをした。
「そうか、どうやら無事に辿り着いたようだな。」
「シエンさんもオラリオに来て冒険者になりたかったんですか?」
「冒険者というのはよく分からんがヘルメスに勧められてな。オラリオってところで一から始めるのもいいかなって思ってやって来たんだ。」
オレがヘルメスの名前をいうとヘスティアの表情が変わった。
「君はヘルメスの事を知っているかい!?」
「はい、旅をしていてたまたま私がいた場所にきてしばらくの間滞在していきました。その時にオラリオのことを聞いたんです。そしてオラリオに来ないかと誘われました。お知り合いで?」
「そりゃもうね。胡散臭さは半端じゃなくて信用ならない神だよ。そんなヘルメスが君の事を誘うんだ。君、前にいた場所で何かやったんじゃないかな?」
このヘスティアという神は嫌な所を突いてきた。ヘルメス、お前神だったのか・・・
「え、まぁ、それなりに・・・やらかしました。」
「やっぱりね。で、君はこれからどうするんだい?ヘルメスの所に行くのかい?」
「いえ、行くつもりはありません。アイツなんか色々やらかしてそうな感じがしますのでヘルメスのファミリアというのには入るつもりはありません。」
「だとしたら僕のファミリアに入らないかい?」
「え?」
「事情はよく分からないけど、一から始めたいというなら僕達のファミリアどうかな?最近出来たばかりで仲間がいないんだ。是非入ってくれないかな!」
「僕からもお願いします!」
どうやらオレは勧誘されているらしい。話を聞いてみると友神の所でニートライフを送っていたらキレられて追い出されて数日前にベルを見つけてファミリアを作ったらしい。
ベルも田舎育ちらしくてろくに戦ったこともなし。まさに出来立てほやほやの無い無い尽くしのファミリア・・・面白いじゃないか!
「わかりました。是非私をそのファミリアに入れてくれませんか?」
「やっぱりダメだよね。こんな出来立てのファミリアじゃ・・・ってええええええええええ!?」
「私をこのファミリアに入れてくれませんか?」
「い、いいいいいいのかい!?本当に何もないんだよ!?」
「ならばこれからどんどん大きく強いファミリアにしていけば良いのではないでしょうか。それがとてもやりがいがあると思いましてね。それに怪我の治療もしてもらいましたし、そのお礼です。」
「あ、ありがとう!これからよろしく頼むよ!シエン君!!」
「シエンさん、よろしくお願いします!良かったですね神様!」
「うん!君が彼を助けたおかげさベル君!!」
そう言って二人は抱き合って喜んでいた。仲のよろしいことで。
「ファミリアの仲間になってくれるということで、早速君に【神の恩恵】を授けたいと思う。さ、上着を脱いてくれ。」
「上着?分かりました・・・いててて」
上着を脱ぐ時に体を動かしたため怪我した所が若干痛むが我慢だ。
【神の恩恵】は背中に刻むようでこの恩恵を受けている状態でモンスターを倒したりすると経験値を得ることができる。背中に神々が使う【神聖文字】を神血を媒介にして刻むことで対象の能力を引き上げる、つまり強くなることができるらしい。
シエンの背中にヘスティアの血が垂らされて炉のエムブレムが刻まれた。そこにはシエンの情報が書いてあった。
シエン
Lv.1
力 :I0
耐久 :I0
器用 :I0
敏捷 :I0
魔力 :I0
【魔法】
【ミラーバリア】
・速攻魔法
・敵の飛び道具や魔法を反射する。反射する際は向きを自由に変えられることができ、いろんな攻撃も防ぐことができる。形は精神力を消費すると自由に変えられる。
・魔法を反射したとき魔法の威力が上昇する。
・空中に足場を作ったりできるが透明で見えない。
【】
【】
《スキル》
【魔法の探究者】
・魔力と器用が凄まじく成長しやすくなり、限界を超える。
・力が全く上がらなる。(ランクアップ時による全能力上昇の時は例外)
・耐久が上がりやすくなる。
【呪い】
・自分の影が相手との接近戦になった時に黒い手のような形になり、実体化する。相手の足などに掴まり動きを阻害する。
・【魔力】やLvの高さにより強力になる。
・【魔導】の補正も入る。任意発動、これは精神力を消費する。
【復讐】
・ダメージを受けるたび魔法の威力上昇、体力を全回復すると威力は元に戻る。身体中から黒紫色の魔力が出てくる。
【道具節約】
・幸運×2%で武器や魔道書の使用回数が減らない竜石も減らない(新品のままになる)
【魔道具作り】
・(FEにある)武器、魔道書、杖を作ることができる。
・作った本人が使用時には威力が上昇する。
【魔力追跡】
・生き物の【魔力】【精神力】を覚えどこにいるのかを探知できる。
・レベル、魔力が上がるごとに範囲拡大。【魔導】の補正も入る。
・ただしダンジョン内では不安定。
・任意発動、精神力消費しない
【
・複数の魔法を同時に発動、または魔法を発動しながら別の魔法も発動できる。
「・・・なんじゃこりゃあああああ!!」
ヘスティアはシエンのステイタスを見て絶叫した。
「(なんなんだよこれ、魔法がもう発現していてあと2つも習得が可能。いやまだそれはいい、問題はこのスキルの多さだよ!成長促進スキルと呪いとか復讐とかやばいのが満載だよ!一体何をやらかしたんだい君は!!取り敢えず成長促進スキルは誤魔化してあとで伝えよう。)」
「か、神様どうかしたんですか?」
「まあ、ちょっとね。とんでもないのがあったから驚いちゃったんだ。ごめんよ。シエン君、これが君のステイタスだ。」
ヘスティアはシエンの【魔法の探求者】以外のステイタスを羊皮紙に記してシエンに渡した。
「なんか能力のところが0ばっかりなんですが。」
「みんな最初はそうなんだよ。それで能力のところは基本アビリティというんだ。他に発展アビリティというのがあるんだけどそれはまた他の機会に話すよ。」
シエンは先ほどまでは気がつかなかったがこの世界に来て自分の体に違和感を覚えた。
それは以前持っていた魔力を感じることができないのだ。つまりいま自分は大幅に弱体化していることを察した。
これから強くなるというのはステイタスが上昇するという事。つまりFE世界でのステータスはこれ以上上昇しないという事だろう。
だがこの神の恩恵というのも悪くなく、授かっただけで五感が以前よりも良くなっているような気がするのだ。神の恩恵というだけの事はある。
「あの、僕にも見せてもらっていいですか?」
「ああ、いいよ。こんな感じだった。」
「ええええええええ!!??なんですかこれ!?【魔法】があるじゃないですか!?スキルもこんなにたくさん!!凄いですよシエンさん!!」
「いろいろあったからなぁ。このスキルを活かすには【魔力】をメインで上げていくのが良さそうだな。あと魔道具作りもしないと、でも金を稼がないと材料を買えないし・・・フフフ、やる事がいっぱいだな。面白くなってきたぜ。」
オラリオにてシエンの新たな生活が始まったのだった。
この世界は原作から約2週間前を想定しています。
魔法の探求者の変更
発展アビリティの魔防をなくした代わりに耐久が上がりやすくなるように変更しました。
シエン 身長164㎝ 22歳
ベル 身長165㎝ 14歳
ヘスティア 身長 140㎝ ン億歳
シエンの素のステータス
大幅に弱体化させました。幸運は転生特典で50のままです。
HP 12
力 2
魔力 13
技 11
速さ 5
幸運 50
守備 3
魔防 9
ヘスティアの髪型がツインテール
ベルがヘスティアファミリアに入って原作が始まる前にヘスティアにあげたリボンで髪型がツインテールになっている。
いつ頃あげたのか忘れてしまったのでベルがファミリアに入って数日後という事にしている。
シエン
イーリス聖王国の魔道士で転生者でもある。FE世界に来た事がわかり、死なないために幼い頃から魔法の修行をして親顔負けの魔力を手に入れる事ができた。
その噂を聞いたペレジアのギャンレルがシエンの居る村を滅ぼしシエンを手に入れようとするも村の人々に妨害されて取り逃がしてしまう。
このことよりシエンはペレジアを憎み、ペレジア兵絶対殺すマンになってしまう。シエンの戦い方は単独で突っ込み敵からダメージをわざと受け、闇の魔道書(リザイア)を使うといった戦法で見たものは魔道士の皮を被ったバーサーカーの様だと怖れた。
また、新しい魔法の開発や大昔にあった魔法や杖を復元させるなどといったこともあり、魔法に関する才能はかなり高い。
しかし、平和となりペレジアと和睦する際にシエンがいると和睦はしないと言われ、その魔法の才能と戦闘力を恐れていたイーリス聖王国上層部がこれを理由にシエンを独断で追放することになってしまう。
シエンをいなくなってから13日たったころにイーリス聖王国上層部の人間が謎の急死するといった事が多発した。