イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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魔道書の事は詳しく書かない方がいいのかな・・・
流石に3回目となるとしつこいし新鮮さがないけど書かざるを得ないのだ・・・


いつもの、そしてベルの運命の出会い

ベルとのダンジョン潜りは数日経った。オレの魔力がどんどん伸びていきベルのアシストを出来る回数が増えていった。

 

「よし、今日も良い感じに稼げたな。」

 

「うん、10000ヴァリスだね。」

 

初めてダンジョンに潜った時よりも二倍稼ぐ事が出来た。そして山分けだ。

ようやく魔道書を作る資金が出来た。

 

「ベル、帰りにリーテイルによって行きたいんだがいいか?」

 

「うん、良いよ。」

 

リーテイルは北西のメインストリートにあって、ごつごつとした加工石で構築された二階建ての道具屋で冒険者通りに面する敷地を勝ち取っただけあって冒険者の評判は高く、品揃えも多い方なんだそうだ。

 

もちろんオレの欲しかったペンやインクに紙もあった。早速購入してこれで準備万端だ。ホームに戻ろう。

 

ホームに戻り早速魔道書作りに取り掛かった。もちろん簡単ではない、今まではインクに魔力を乗せてやっていたがこっちでは精神力を乗せてやる事になる。

精神力を消費すると精神枯渇に陥って気絶する。そうなれば紙はまた書き直しになる。

紙もあまり枚数に余裕はない。慎重に、でも高速で書く。オレはペンを両手に持ち精神力を流して本作りに取り掛かった。

 

「神様、僕、魔道書というのはよく分からないんですけど。大変なんですね。」

 

「僕も見た事がなかったけど必死に頑張ってるね。」

 

二人はシエンの邪魔にならないように小声で話をしていた。

魔道書作りを取り組んで30分程すると。

 

「だあああああああ!!無理!何ヶ月かかることになるんだこれ!?」

 

シエンは魔道書作りをギブアップした。

 

「え、どうして?順調に書いていたと思うけど・・・」

 

「精神力が全ッ然足りん!精神力がインクに全然馴染んでくれないんだ・・・」

 

どうやらこの世界で魔道書を作るためにはそれなりに時間がかかってしまいそうだ。だが【ファイアー】の魔道書くらいは早く欲しい。簡略化して突貫で作るしかないか。

それでも多少は時間がかかるだろう。

 

「だが諦めるわけにはいかないな。絶対に作り上げてみせる!」

 

こうしてオレの魔道書作りは始まった。

そしてすぐ出来るわけもなく、時間はベルの運命の出会いまで進むことになる。

 

約1週間後

 

「ヴゥォォォォ!!」

 

「ほあああああああああ!!??」

 

「くっそぉ!?なんで3階層にミノタウロスが出てくんだよ!?おかしいだろォ!!」

 

現在オレとベルは3階層を爆走中だ。何故ならば中層の15階層辺りに出てくるミノタウロスというモンスターに追われているからだ。

中層のモンスターを倒せるのは冒険者がLv.2でないといけないらしい。

つまりオレたちでは無理だと言う事だ。

 

「ハッ、ハッ、ハッ・・・」

 

「ヴォッホッホ!」

 

この野郎、オレ達が逃げているのを追い回して楽しんでやがる・・・

奴の方が速いはずなのにわざとだな!!ならばこれならどうだ!!

 

「チッ、【ミラーバリア】!」

 

オレは走りながら通路に障壁を張りミノタウロスが追いかけてくるのを妨げる。さあ、どうする!

 

「ヴォッ!?・・・オオオオオオオ・・・・ヴォオオッ!」

 

ミノタウロスは障壁にぶつかった後少し下がり。助走をつけて自慢の頭のツノを透明な障壁にぶち当てて破壊した。

 

「流石にダメか。だが、時間は稼いだ!」

 

「何をしたのシエン!?・・・うわッ!?」

 

オレより速いベルは後ろにいるオレがなにをしたのか気になり振り向きながら走っていると足元にあった窪みに足を取られ転倒してしまった。

 

「ベル!?早く立て!クッ、追いつかれるぞ!!はやくッ!」

 

「あ、ああ、足が・・・動かな・・・」

 

ベルはミノタウロスに恐れをなして動けなくなってしまう。

無理もない、まだ冒険者になって間もないのだ。なら戦う事に慣れているオレがやるしかない!

もう少しだけ時間を稼いでベルを背負って逃げるんだ!

 

「ヴゥオオオオオオオオ!」

 

ミノタウロスは白髪の少年よりも奇妙な力を使う黒髪の男を危険視したのか狙うことにした。先ほどまでは油断していたが邪魔をするならば手加減をしないとばかりに頭を下げ頭のツノを突き出しながら速度を上げた。

あまり敏捷が高くないシエンはあっという間にミノタウロスに追いつかれてシエンは突き飛ばされそうになる。

 

「(速い!?)【ミラーバリア】!」

 

シエンは障壁を張ったがミノタウロスは先ほどより力を込めて突撃している為にあっさりと破られてしまう。

 

「ムヴゥゥゥゥゥゥゥン!!」

 

「グァァァァ!?」

 

ミノタウロスはシエンの柔らかい体にドスリとツノを突き刺し勢いよく頭を振り上げる。シエンの体は宙を舞った。

 

「シエン!?」

 

空中に舞っているシエンを心配するベルだがそれどころではない。己の命を粉砕する敵が近づいて来ている。

 

「フゥー!フゥーッ・・・ヴゥオオオオオオ!!」

 

自分を邪魔するものはいなくなった。目の前の貧弱そうな白髪の子供の命を刈り取ろうとしたその時。ミノタウロスの胴体に一線が走った。

 

「ヴォ?」

 

そこから凄まじい剣戟が走りミノタウロスの体はバラバラになっていく。その時に血飛沫が吹き出して目の前にいたベルの身体中に付着した。

 

「・・・大丈夫ですか?」

 

ミノタウロスを倒したのは金髪金眼の少女だった。その少女の名は【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン このオラリオでも最強の一角と言われているLv.5だ。

 

ベルは今起きた出来事に呆然としながらもその少女から眼を逸らすことは出来なかった。綺麗だ、とても綺麗な少女だ。

男が困っている女の子を助ける。そういう風になれと祖父から言われていたが配役は全くの逆だった。

 

「だぁああああああああああああ!?」

 

恥ずかしさと極度の緊張状態から混乱してしまいベルは勢い良く起き上がり全速力で逃げ出した。

 

 

「お、おい!どこ行くんだ、ベルッ!?」

 

ベルは逃げ出してしまった、オレを置いて・・・

 

「・・・・」

 

「・・・つ、・・・くくッ!」

 

見たことがない少女は目を見開いて立ち尽くしていてその後ろには灰色の髪をした犬みたいな耳の生えた獣人が笑いを堪えていた。

 

少女は獣人をすこし睨んだ後、倒れているオレのところにやって来た。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「いや、大丈夫じゃない。背中をやられてな、立てない。」

 

「ごめんなさい、私達のせいで。」

 

見たことのない少女、けどエイナの勉強により多少知った情報から彼女がアイズ・ヴァレンシュタインだと分かった。そしてロキ・ファミリアだったはず。

現在は遠征とやらでダンジョンの奥深くに行っていたらしいが戻って来たのか・・・

それで彼女がいうには17階層に大量のミノタウロスがやって来てそれを倒していると半分近くが逃げ出して上へ、上へと向かって行ったらしい。

 

「なるほど、そんな事もあるのか。今度から気をつけないとな。」

 

確かに彼女たちのせいでこの事が起きたのかもしれないがそこまで怒ることでもない。冒険者は命がけの職柄、何が起きたって自己責任だ。命があっただけで儲けもんだろう。そもそも、大量に現れたミノタウロスが悪いのだ。

 

「あの、これ・・・ハイ・ポーションです。使ってください。」

 

彼女はオレの背中の傷に目が付いたのか回復薬をくれた。ハイ・ポーションはポーションより回復力が高く傷口を塞ぎ、体力を回復させるものだ。

ベルが知っている店で【青の薬舗】というところではポーションが500ヴァリスでそれより効果のあるハイ・ポーションのほうは数万ヴァリスの値がするようだ。・・・値段が上がりすぎじゃないか?

 

「え、いいのか?ありがとな。あ、でもすまない。身体を起こせないから背中にかけてくれないか?振りかけても傷は治るんだっけ?」

 

「はい、治りますけど。良いんですか?」

 

なにやら彼女は躊躇っているようだが特に問題はないだろう。黒いマントを傷口からずらして黒い服も同様にずらした。

すると背中にハイ・ポーションが垂らされ傷口が塞がり体力が戻っていく・・・体が楽に動く!

 

「おお・・・んん!?もう痛みがねぇ!?スゴイなこの回復薬!?本当にありがとな!【剣姫】さん!」

 

オレは体を起こしてお礼を言うと彼女はダンマリとしたままだった。顔は無表情のようだけど目も見開いているようだから驚いているのか?

 

「ん?どうかしたのか?」

 

「いえ、なんでも・・・」

 

「おい、アイズ!終わったならさっさと戻るぞ!こんな雑魚に構ってんじゃねぇ!!」

 

先程から黙っていた獣人がもう用はないとばかりさっさと引き上げて行った。

 

「本当にごめんなさい。それじゃ・・・」

 

「いや、いいって。えっと、遠征だっけ?お疲れさん。」

 

彼女も獣人の後について去って行った。さて、オレも帰るとするか・・・

ロキ・ファミリアの遠征部隊の後をつけて行けばモンスターに襲われることはない。

ベルの奴、ちゃんと戻れたんだろうな・・・

 

「(なに、あれ・・・)」

 

灰色の狼人のベートと共に仲間達の元へ戻るアイズの頭の中には先程の出来事でいっぱいだった。逃げ出した少年、それに黒づくめの男、それが問題だった。

 

基本的に背中にはステイタスが刻まれていて他人には見せないようにするものなのだが、彼はきにしなかったので背中に回復薬をかけてあげた。

するとステイタスをロックしていなかったのか他の人も見れてしまう状態だった。それにアイズは神聖文字をすこし読み解く事ができる。

名前、レベル、基本アビリティ、魔法は丸見えでスキルは所々血がついていて読み取れなかったがスキルが多かった。

 

あり得ない、少なくともLv.1が持っているとは思えないのが多すぎる・・・

 

「おい、アイズ。どうした?なんか様子が変だぞ。」

 

「いえ、なんでも」

 

「・・・そうか、ならいいけどよ。なんか悩んでんならバb・・・リヴェリアにでも相談しとけよ。」

 

そうだ、困った時はリヴェリアに聞こう。きっと何かわかるはず・・・

 

 

 

シエン

 

Lv.1

 

力 :I0

 

耐久 :I0

 

器用 :C687

 

敏捷 :I67

 

魔力 :B758

 

【魔法】

 

【ミラーバリア】

・速攻魔法

・敵の飛び道具や魔法を反射する。反射する際は向きを自由に変えられることができ、いろんな攻撃も防ぐことができる。形は精神力を消費すると自由に変えられる。

・魔法を反射したとき魔法の威力が上昇する。

・空中に足場を作ったりできるが透明で見えない。

 

【】

 

【】

 

 

《スキル》

 

【呪い】

・自分の影が相手との接近戦になった時に黒い手のような形になり、実体化する。相手の足などに掴まり動きを阻害する。

・【魔力】やLvの高さにより強力になる。

・【魔導】の補正も入る。任意発動、これは精神力を消費する。

 

【道具節約】

・幸運×2%で武器や魔道書の使用回数が減らない竜石も減らない(新品のままになる)

 

【魔道具作り】

・(FEにある)武器、魔道書、杖を作ることができる。

・作った本人が使用時には威力が上昇する。

 

【魔力追跡】

・生き物の【魔力】【精神力】を覚えどこにいるのかを探知できる。

・レベル、魔力が上がるごとに範囲拡大。【魔導】の補正も入る。

・ただしダンジョン内では不安定。

・任意発動、精神力消費しない

 

多重魔法(マルチマジック)

・複数の魔法を同時に発動、または魔法を発動しながら別の魔法も発動できる。




原作では5階層でミノタウロスに遭遇していますがシエンがいるのに無茶はしないと思うので3階層までミノタウロス君に来てもらいました。特に問題ないしね。

話の最後にあるステイタスはアイズが読み取れたものです。
ベートはアイズと二人きりで話している時には流石にリヴェリアのことを●●●とは言えませんでした。
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