イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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FE新作、はよ来い来い!!


ウサギの跳躍

ロキファミリアの遠征部隊の後をつけて無事地上に戻りバベルの塔の一階にはベルがいなかった。

 

「どこ行ったんだよ・・・ん?」

 

オレは外に出て地面を見ると血の跡が北西メインストリートに伸びていた。

あいつまさかバベルの塔にあるシャワーを使わずに血だらけで移動しているのか!?

オレはその血の跡を辿ってたどり着いたところはギルド本部だった。

 

「え?なんでここなんだ?」

 

オレにはなぜベルがここに移動したか分からなかった。すると中から知り合いの声が聞こえてきた。

 

「えぇ!?ベル君、君はシエンさんをダンジョンに置いて出てきちゃったの!?」

 

「すいません!?急いでダンジョンに戻って探しに行きます!」

 

どうやら今頃気がついたらしい。どんだけ混乱していたんだ・・・

オレはギルドに入ってベルを探しているとロビーに設けられた小さな一室からベルが飛び出して来た。

 

「よう、ベル。無事だったんだな。」

 

「シエン!?置いていってごめんなさい!!僕、すぐに逃げ出したりして・・・」

 

オレにあった途端にこれでもかってくらいに頭を下げて謝ってきた。

 

「今度は勘弁してくれよ。オレは今はソロでダンジョンに潜るのには慣れてないんだからな。」

 

「うん、本当にごめん・・・」

 

「いいって、それで血塗れのままここまで来たみたいだけど何しに来たんだ?」

 

「それは・・・その・・・」

 

ベルは少し顔を赤らめて言いづらそうにしている。

 

「シエンさん、ベル君はどうやらヴァレンシュタイン氏のことを好きになってしまったようで彼女の事を知るためにここに来たみたいです。」

 

「え、エイナさぁん・・・」

 

「なるほどねぇ、でも付き合うっていってもかなり厳しくないか?力の差もあるし何よりファミリアが違うのは致命的だと思うのだが・・・」

 

「グフッ!?」

 

「私もそう言ったんですけど諦めきれないらしくて・・・」

 

「ま、ダンジョン探索に更にやる気を出してくれるなら別にオレはいいがな。さて、オレは換金に行ってくるよ。」

 

換金で手に入れた金額はざっと2000ヴァリス、潜った時間も短いししょうがないよな。換金が終わりベルとギルドの出口に移動すると見送りに来てくれたエイナがベルに言った。

 

「ベル君、女性は強くて頼りがいのある男の人に魅力を感じるから、ベル君が強くなったら彼女も振り向いてくれるかもよ?」

 

そうなる可能性はかなり低いがおそらく彼女なりにベルを励ましているのだろう。ベルもその事に気がついたのか笑みを浮かべその場を駆け出して振り返ってエイナに向かって叫んだ。

 

「エイナさん、大好きー!!」

 

「・・・えうっ!?」

 

そう言ってベルはその場を去って行った。オレはエイナを見ると顔を真っ赤にしたエイナがいた。あれ?もしかして満更でもない・・・?

 

「モテる女性は大変だね〜」

 

「もう、からかわないでください!」

 

「ハッハッハ!じゃあな〜!」

 

少しエイナをからかった後にオレもギルドを後にした。

 

「神様、ただいまー!」

 

「ただいまー」

 

その後、ベルと合流してホームに帰ってきた。

部屋にはソファーに寝っ転がっていたヘスティアが起き上がってこちらに向かってきた。

 

「おかえりー二人共。今日はいつもより早かったね?」

 

「いや、ちょっとダンジョンで死にかけちゃって・・・」

 

「ああ、予想外の出来事が起きてな。本当にヤバかった・・・」

 

「本当かい!?無茶はしないでおくれよ?君達に死なれたりしたらボクはとても寂しくて悲しいからね。」

 

「大丈夫です。神様を一人になんてさせませんから。」

 

「おっ?言うじゃないかベル君!なら大船に乗ったつもりでいるから覚悟しておいてくれよ?」

 

その後に何が起きたかを説明して食事をしてステイタスを更新する事になった。

 

シエン

 

Lv.1

 

力 :I0

 

耐久 :I0→H120

 

器用 :C687→B701

 

敏捷 :I67→I85

 

魔力 :B758→B796

 

以下略

 

うーむ、特に耐久が伸びたな。今までは敵の攻撃を受けなかったから耐久は1つも上がらなかったけど今回ばかりは流石に上がった。スキル万々歳だ。

ベルのほうはどうなったのだろうか・・・

ん?ヘスティアがなにやら不機嫌なようだ。何かあったのか?

 

「神様、このスキルのスロットはどうしたんですか?何か消したような跡があるような・・・」

 

「ん、ああ、それね!ちょっと間違えて書いちゃってね!いつも通り空欄だから安心して。」

 

「ですよねー・・・」

 

おいヘスティア、そんなあからさまに怪しい挙動で言っても信用ないぞ、そしてベル。あっさり信じるなよ・・・

後でベルのスキルについて聞いておくか?いや、ヘスティアに相談された時に聞くか。神々には嘘はつけないらしいから下手に知っておくのはマズイ。

他のファミリアの神にベルはスキルを持っていないですと言えなくなる。

ベルの初のスキルはどんなスキルなんだろうな・・・

 

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力 :I82

 

耐久 :I13

 

器用 :I96

 

敏捷 :H172

 

魔力 :I0

 

【魔法】

 

【】

 

スキル

 

【憧憬一途】

 

・早熟する。

・懸想が続く限り効果持続。

・懸想の丈により効果向上。

 

シエンは知るよしもないがベルの目覚めたスキルはシエンと同様、いやそれ以上のものだった・・・

 

次の日

 

「シエン、今日も頑張ろうね!」

 

「おお〜」

 

今日も朝5時に起こされ、寝不足なオレとベルは共に西のメインストリートからダンジョンへと向かう。

その途中になにやら嫌な感じがした。

 

「「・・・!?」」

 

「ベル、お前もか?」

 

「うん、何というか誰かに見られているような・・・」

 

すぐさまオレたちは振り返るがそんな怪しい格好をした奴はない。

何というか物を値踏みをするかのような無遠慮すぎる視線を感じる・・・

 

「あの、これ落としましたよ?」

 

背後から声をかけられ振り返ってみるとそこにいたのはヒューマンの少女だった。

顔は可愛らしく髪は薄鈍色、後頭部でお団子にまとめてそこからぴょんと一本の尻尾が垂れている。

服装は白いブラウスと膝下まで丈のある若葉色のジャンパースカートにその上から眺めのサロンエプロン。

何だこの美少女は・・・服装からしてここらへんにあるお店の店員か?それにさっきの視線はいったい・・・何者なんだ・・・

 

「あの、これ・・・」

 

その少女が持っていたのは魔石だった。オレは昨日換金したはずなんだが・・・

 

「ベル、これお前のか?」

 

「あれ?ボクも昨日渡したと思うけど・・・昨日は色々ありすぎてちょっと記憶が・・・もしかしたら渡しそびれたのもあったのかも。すみません、ありがとうございます。」

 

「いえいえ、お気になさらないでください。」

 

そう言って店員さんは微笑んでいた。とてもさっきの視線をするような人物には見えない。

 

「こんなに朝早くにダンジョンに行かれるのですか?」

 

「はい、少しでも稼いでおかないといけないので。」

 

「・・・そんなところだ。」

 

ちょっと警戒気味に返事を返した。少し話して離れようと思ったがその時オレ達の腹が鳴った・・・

 

「「「・・・・・」」」

 

確かに今は朝早くてご飯は抜いてきたが二人同時に腹が鳴るか・・・

 

「フ、フフフ・・・お腹が空いているようですね。少し待っててください。」

 

店員さんはクスクスと笑っていて近くにあるお店に入っていって少ししたらバスケットを持って戻ってきた。中にはパンとチーズが入っているのが見える。

 

「よかったらこれを貰ってください。」

 

「そんな、悪いですよ!これは貴方の朝ご飯では!?」

 

「このまま見過ごしてしまうと私の良心が痛んでしまいそうなんです。だから冒険者さんどうか受け取ってくれませんか?」

 

す、すげえ・・・よくそんな言葉が出てくるな・・・そんなの断れるわけがない。

 

「そ、それじゃあ、ありがたくいただきます・・・」

 

「そのかわり、今夜私の働く酒場で晩御飯を取ってもらいますね。」

 

そう言って店員さんはにっこりと笑った。

・・・やっぱり油断ならねぇやこの店員・・・

 

「してやられたなベル・・・」

 

「うん・・・」

 

「うふふ、あのお二人のお名前は?」

 

「僕はベル・クラネルと言います。」

 

「オレはシエン。」

 

「ベルさんにシエンさん・・・ですね。私はシル・フローヴァ、今晩お待ちしていますね。」

 

オレ達は強かな店員シルと別れ、ダンジョンへと向かった。

 

「フッ!!」

 

「ギャウッ!?」

 

「任せろ!くらえ!!」

 

今はダンジョン一階層、コボルトと戦闘中だ。昨日、ミノタウロスに襲われるという予想外の出来事からやはり攻撃手段が必要と思い、睡眠時間を削ってまで魔道書を遂に完成させた。作ったのは【ファイアー】の魔道書、魔法陣が現れてそこから火球が飛び出してくるといった物だ。

ただし、かなり急いで作ったものだから質が悪い、精神力の消費も半端ではない。【トロン】よりは随分マシだが・・・

 

魔道書に精神力を送り込むと赤く光りだして目の前に魔法陣が現れる。標準をコボルトに合わせ火球を発射した。

 

「ギャウアアアアアアアア!!??」

 

コボルトは突然現れた火球に反応できず、直撃して燃え尽きた。

残ったのはコボルトの魔石だけだった。

魔石が残らなかったら、今後は使用できないところだった・・・

 

「うっし!いい感じだな!」

 

「いいなぁ、僕も魔法を使ってみたいよ・・・」

 

「だったら魔法に関しての知識を学ばないとな、そういうのはしたことはないんだろう?」

 

「うん、お伽話の本ならよく読んでいたけど・・・」

 

流石にそれは魔法とは関係がなさそうだ・・・まあお伽話は馬鹿にはできないがな。意外なところで現実に関わっていたりするからなぁ・・・

 

「ま、今はやれる事をやろうか。オレだってベルが羨ましいぜ。力が上がるんだからな。オレはコボルトですらギリギリなんだぞ・・・だから接近戦は任せたぞ!」

 

「・・・そうだね、任せて!」

 

ベルが前衛で俺が後衛、仲間が増えたらもう少し楽になるだろうか・・・

 

シエン

 

Lv.1

 

力 :I0

 

耐久 :H120→H124

 

器用 :B701→B745

 

敏捷 :I85→I87

 

魔力 :B796→A867

 

以下略

 

ベル・クラネル

 

Lv.1

 

力 :I82→H138

 

耐久 :I13→I42

 

器用 :I96→H147

 

敏捷 :H172→G259

 

魔力 :I0

 

 

「「・・・・・えっ」」

 

ダンジョン探索を終えてステイタス更新をしてもらうととんでもない結果が出た。ベルのステイタスの熟練度の成長も半端ではないからだ。

上昇値トータル200オーバーだと!?、絶対オレと同じ成長促進スキルがあるな・・・

マズイな、これではあっという間に置いていかれそうだ・・・負けてられない!




魔道書 ファイアー(粗悪品)
インクに精神力をあまり馴染まさずに魔法文字で書いた物。作成時間約1週間。

威力0 使用回数3回

シエンが突貫で作った魔道書、主に自分が使うためだけに作ったもの。試作第1号。
精神力の消費が本来の物よりも多く、スキル【道具節約】がないと3回しか使えないなど、ろくなものではない。
この先どんどん研究を重ねてマシな物が出来上がっていくようだ。
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