イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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ゼノブレイド2にハマってました


ロキファミリアとの交流その2

「・・・・・」

 

毒に侵されて苦しんでいる冒険者達が集められているテントでシエンはこの階層で手に入れた水晶と木の枝を加工して新たに作った杖で治療を行なっていた。今使っている杖は状態異常を治す【レスト】の杖だ。

因みに食事は携帯食料を分けてもらいすぐに食べて杖を作っていた。

 

この杖は意外にも覚醒の世界では存在しないか、流れ行く歴史の中で消えていった魔法だ。なぜ作ることができるかというと何故かアンナさんが持っていてそれを複製する事に成功したからだ。あの人は何でもありだから問題はない。

 

「う、うう・・・」

 

「よしよし、効いてきている・・・」

 

一気に治すのではなくゆっくりとゆっくりと杖に精神力を込めてレストの効力を高めていく。病人の顔の表情が明るくなっていく。

神の恩恵によってタフになっているとはいえ相手は重症者、いきなり強力な回復は体に毒かもしれない。オレの足元には黒色の魔法円が展開している。魔法を維持しやすくなっているし、とても安定している。いい発展アビリティを手に入れたものだ。

ただ、黒色の魔法円から黒色の粒子が溢れて杖から白色の光を放っている光景はなんとも混沌としていた。

最初の1人目を癒していると杖の先にある水晶がピキリと音を立てた。そろそろ壊れるサインを出している。まだ完全に解毒をしていないというのに・・・

そしてすぐ後に水晶は砕け散った。

 

「く、なんて強力な毒なんだ・・・普通なら一回だけで治るってのに・・・」

 

「いや、もう殆ど治っているに等しい状態だ。私達でも全快は難しい、君は良くやっている」

 

そう言って褒めてくれているのは近くに座って他の人を治療していたハイエルフのリヴェリアさんだ。

 

「はあ、はあ。その通りだよ・・・。前に比べるとずいぶんマシになった。はあ、ありがとう・・・」

 

オレが治療していた人からも礼を言われた。完全に解毒出来なかったのがかなり悔しい。オレの鍛錬不足だろうか・・・

 

「すまん、喉が渇いた・・・ケホッ!み、水を・・・」

 

「誰か水を持ってきてくれないか?」

 

「すみません、副団長。今、水を切らしていて森の中にある泉から他の人が組んできている最中です」

 

「そうか。済まない、少し待っててくれ」

 

「それならオレがなんとかしますよ。はい、お湯」

 

毒によって体力が奪われ熱も出ていたのだろう。汗をよくかいていて冒険者は水を欲しがった。

それならばオレの出番だ。3つの魔法を発動し魔法陣から石の桶を作り出し魔法陣から水を生み出し、さらに魔法陣から小さな火球生み出して桶に溜まった水の中に突っ込み、ぬるいお湯にして差し出した。

 

「あ、アンタ・・・凄えな。魔法を一気に三つも同時に・・・」

 

「そんな事よりほら、お湯だ。喉が渇いていたんだろう?」

 

「済まねぇ、助かる・・・」

 

そう言って冒険者はゆっくりとお湯を飲み、落ち着いたのだろうかその後すぐに寝息をたてて眠った。

 

「おい、アンタ。オレにも水を、冷たいやつ!」

 

「オレにも!」

 

「えっ!?貴方達、さっきまで苦しそうにしていたのになんでそんなに急に元気に・・・?」

 

「しらねぇよ・・・でもなんかあの魔法を使ってた冒険者の杖の光をちょっと浴びていたからか少し、いや、かなり元気になったんだ!」

 

他の病人が起きてきてオレに水を求めてきた。急に元気になった病人を看病していた治療師が驚いていた。

 

「(だが、シエンが治療をしていたのは1人のみ。少し浴びた程度で良くなる毒ではない、他にも何か原因が・・・)」

 

リヴェリアは考えながら周りを見渡していると気がついた。元気になったと言っている冒険者の足元にはシエンの魔法円の内側に入っていて、すぐ隣にいる病人は魔法円に入っておらずまだ苦しそうに寝込んでいた・・・。つまりこの魔法は1人だけを治すのではなくシエンの黒色の魔法円の中にいれば回復する、範囲回復能力を持っているという事だ。

 

「(ここの階層に来てすぐに作り上げたものでここまでの効果があるとは、いったいどうなっているんだ)」

 

それになんて事もないように魔法を三つも同時に扱う始末、シエンの非凡さにリヴェリアは顔には出さなかったが動揺していた。

 

「1人だけしか回復できないはずなんだけどな・・・ああ、アレのおかげか」

 

シエンもこの現象について自分が持っているスキルの影響だと気づき、壊れた杖を置いてもう一本のレストの杖を使い治療をしていったがやはり全員完治することはなく、モンスターの恐ろしさを思い知るのだった。

 

ダンジョン内の夜 野営地

 

「みんな、聞いてくれ。もう話は聞いているかもしれないけど、今夜は客人を迎えている。彼らは仲間の為に身命をなげうち、18階層まで辿り着いた勇気ある冒険者達だ。同じ冒険者として少しでもいい、敬意をもって接してくれ。ではいただこうか」

 

杖を作り治療を終えたらあっという間に夜になって全員で食事会となった。

この18階層では他の冒険者に話を聞いた所、なんと昼と夜がやってくるらしい。森にクリスタルが生えるという変な場所だけに天井にもびっしりとクリスタルがあって天井の中心には一際目立つ大きなものがあったりした。一際大きな物は白色で周りにあるものは蒼色、まるで地上の太陽と空のようだ。

それらのクリスタルは光を放っており時間が経つと光が消えて暗くなる。その事を夜と言っているそうだ。

 

食事会といってもキャンプファイヤーのように沢山の人が大きな輪になって座っているものではあるがこれはこれで良いものだ。

場所は客人という事なので人気のない所に座っている。

並び順はアイズ、ベル、リリ、ヴェルフ、オレ・・・なんだがいちゃいけない人が1人混じっていた。リリはなんで貴女がそこにいるんですかといわんばかりにアイズを睨め付けていたがアイズは良くわかっていないのか首を傾げていた。

 

食事はというと二つの果物にパンにスープ。果物はなんとダンジョンで採れたものなのだという。ダンジョンは人を殺すだけではないという事なのだろうか・・・?

試しに見た目が綿菓子に蜂蜜を乗っけているような果物をかじってみた。

 

「あ、甘い・・・。たくさんは食えないなこれは」

 

「ウグッ!?あ、甘い・・・」

 

見た目通りなかなかの甘さで一個で十分だった、ベルは意外にも甘いものが苦手で口に含んで顔を歪めた後目を瞑り喉を鳴らして呑み込んだ。まだ一回しかかじっていないのでまだまだ残っている。

 

「ベル、甘い物苦手?」

 

「え、ええ。実は苦手です・・・」

 

「それならばベル様、その残った果物はリリが食べましょうか?」

 

「う、うん。お願いしようかな・・・」

 

「ん?それならオレに任せろ。うん、甘いな!」

 

「あー!?ヴェルフ様!何やってるんですか!?」

 

「ぐぼッ!?おいリリスケ!吐いてしまいそうになったじゃねぇか!?それに何怒ってるんだ??」

 

ベル達は果物以上に甘々な事をやっているかとヴェルフが台無しにしてリリに蹴飛ばされていた。

 

「ねーねー、アルゴノゥト君。あたしもそこに座っても良いかな?」

 

「色々と聞きたいことがあるのよ。いいでしょ?」

 

「うわっ!ティオナさん!?ティオネさん!?」

 

昼にあったアマゾネスの2人組が強引に割り込んできてベルの左右に座る。どうやらオレがいない間に仲良くなったのだろう。確かレベル5の第1級冒険者だったな。髪が短い方がティオナで長い方がティオネだな。

 

「ねぇねぇ、どうやったら能力値オールSに出来るの?」

 

「ブッ!?ぐほッゴホガハ!??」

 

片方のアマゾネスの発言にオレは吹き出してむせた。

え?ベルのステイタスがバレている!?

ヘスティアが刻んだ文字は神聖文字、オレ達には読むことはできないはず。ヘスティアが他の神に話すはずがない。もしかして読むことが出来る人がいるのか・・・?

わざわざ神の言語を勉強しようと思う物好きな冒険者なんてそうはいない。博識そうな冒険者・・・いるじゃないか!

そう思って顔を上げた先にいたリヴェリアさんを見ると会話が聞こえていたのかオレの反応から察したのか顔を逸らされた。やっぱり貴女か・・・

 

「確かに気になるわね。教えなさいよ」

 

そう言ってティオネがベルににじり寄っていく、きわどい服装にベルは顔を真っ赤にしていた。

 

「え?いやその・・・」

 

「あはは!顔を真っ赤にして可愛いー!」

 

美少女アマゾネス二人組にからかわれ続けるベルに他の男冒険者達の目が凄いことになっていた。ベル、お前は明日まで生きていられるのか・・・

 

「えっと、あ、あー!そうだ!!僕、シエンが前にいた国のことが気になるんだ!!何か無い!?」

 

「ちょ」

 

返答することができないベルはオレにまさかのキラーパス。ティオナの興味がオレに向いたような気がする。アイズもこっちを見ているしリヴェリアさんの耳もピクッと動いたのが見えた。この流れでNOとは言いづらい、言っても問題なさそうな事は・・・

 

「国のことよりも、その国の宝剣についてなら喋ってもいいかな。冒険者的にはそっちの方が興味ありそうだし」

 

「シエンの国のホウケン?いったいどんなの?」

 

「聖剣ファルシオン、最強の竜殺しの剣さ」

 

「聞かせて」

 

竜殺しと言ったらアイズの表情が真剣なものになった。竜と何かあったのだろう。

 

「ああ、遥か昔からある剣でな。王族の中でも限られた者にしか扱うことの出来ない剣だ。竜を真っ二つにしたり封印したり出来る。オレは王様に頼んで使わせてもらったが丸太の一本も傷つける事はできなかったなぁ」

 

「そうなんだ・・・」

 

「へー!剣なのに封印できるって不思議だね!」

 

「さらっと言ったけどそんな物を使わせてもらうことが出来るなんて、シエンだっけ?その王様とはどんな関係かしら?」

 

「オレとあいつはお互いに友達と思っているな」

 

「王と友達ってお前、意外に凄いやつだったんだな」

 

「意外ってそりゃあんまりだろ、ヴェルフ」

 

「シエン、封印って言ったけど。何を封印していたの?」

 

「とんでもなくデカイ竜さ。砂漠にその竜が封印されてる状態で残っていた。まあ、少し前に復活したんだが・・・」

 

「それが邪竜ギムレー・・・」

 

「おっ、よく覚えてたなベル」

 

「どんなモンスターだったの?」

 

「人をムシケラ呼ばわりして人が苦しむ様を見るのを楽しんでいた奴だったな。特殊能力も多くてその竜に心酔している奴らが神だと言っていたのもまあ、分からんでもない」

 

「モンスターが、神・・・?」

 

アイズは唖然としていた。ここじゃあ竜はモンスターだから神なんてありえないしなぁ。向こうには魔石をつけた生き物なんていないからモンスターなんていない。だがゾンビとかはなんだったんだろうか・・・

 

「ムシケラ呼ばわりって・・・もしかしてその竜、喋るの!?」

 

「ん?ダンジョンのモンスターに喋るのとかいないのか?」

 

「そんなのいるわけないじゃない、そのモンスターは喋るのね・・・」

 

モンスターではないと誤解を解こうとか考えていると周りが妙に静かで冒険者達がこちらを見て話を聞いていた。流石にちょっと喋りすぎたかな?

 

「話はずれたけどファルシオンはそんなモンスターを倒すほどの力を持った剣って事だな」

 

「おもしろーい!もっといろいろ話してよ!!」

 

そろそろ話を切り上げようとしたらティオナに話を強請られた。イーリスに関係のない話で誤魔化すとしよう。長い夜になりそうだ・・・




オリジナル魔法の杖(覚醒の世界にはないだけ)

レスト

状態異常を回復させる

シエンが使った場合は自身の魔法円に入っている者をも回復させる。現状は下層の猛毒を完全には解毒することはできない。
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