イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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7年前エグすぎません?ロキ編が書ける気がしない・・・
敵側が強スギィ!ロキ編シエン、ハンデ背負ってても厳しいな


引き抜き

昼、シエン達はリヴィラを出て再び野営地に戻った。ティオナが風呂に入りたがったのでシエンは再び風呂を沸かすことにした。もちろんバスダブは新しいものに取り替えてある。

 

「いや〜ダンジョンの中でお風呂に入れるなんて思わなかったよ」

 

「それは自分もです!シエン殿でしたね、後で礼を言わなければ!」

 

「命様は随分と興奮なさってますね」

 

「み、命はお風呂が大好きだから・・・とても嬉しいんだと思う・・・」

 

ダンジョンに来てから水浴び等をしていなかったヘスティア達にとってシエンの作り出した風呂は大好評だった。

 

「ねぇ、ヘスティア様〜。ヘルメス様が言ってた事以外でシエンの事について知らない?」

 

「うーん、実はボクもシエン君の事はあまり知らないんだ。ヘルメスの言ってたことなんて初めて聞いたよ」

 

「・・・アスフィさんは何か知りませんか?」

 

「私も彼についてはあまり知らないのですが、大体はあの本に書いてある通りだと思います。強いだけでなく魔法を研究して皆の生活を楽にしようとした魔道士」

 

「強いという割にはティオナに負けてたけど」

 

「・・・まあ、そうですね」

 

実際に弱体化する前のシエンを知っているアスフィは本当なら第一級冒険者など軽く捻り潰してしまう事を知っているが彼女は余計な事は言わないでおいた。

 

 

「いや〜、いい湯だねぇ」

 

「・・・」

 

「気に入ってもらえて何よりだ」

 

場面が変わって男風呂、ヘルメスと桜花も風呂を気に入っていた。極東生まれである桜花にとっては風呂は身近な物であったが彼の所属しているタケミカヅチファミリアは極貧で風呂に入る事が出来なかったので実は久々だったりする。

 

「それにしても、この壁の向こうには美女美少女達の花園があるのか・・・ベル君、この先に興味はないかい?いやあるよな、覗きは男のロマンだぜ!!」

 

「え、ええ!?何を言ってるんですかヘルメス様!?それはまずいですよ!!」

 

「向こうに丸聞こえだろうし、さよなら己の欲望を隠さなかった哀れなヘルメス」

 

「なんかオレに対して容赦なくないかシエン?」

 

「だったらもうちょいまともにしてたらどうだ。アスフィが不憫でならないぞ・・・」

 

「誠実なアスフィと自由奔放なオレで釣り合いが取れてるだろう?」

 

「何の冗談だ、どう見てもマイナスだろうが・・・」

 

『シエン、もっと言ってやってください!』

 

『アスフィ君、苦労してるんだね・・・』

 

『リリ達でいいなら愚痴でも聞きますよ?』

 

『すみません、後で聞いてもらってもいいですか?』

 

やはり先程の会話は向こうにも聞こえていたらしいがヘルメスはというとヘラヘラとした顔をしていてまるで応えていなかった。このくらい慣れっこなのだろうか?

その後オレは一足先に上がり熱い湯を沸かしてパイプに注ぎ込んでいると黄金色のした髪の小人族のフィンさんがやって来た。

 

「悪いね、ウチの家族の我が儘を聞いてもらって」

 

「いえ、オレも昨日の夜に入ってなくて気になっててちょうど良かったですから気にしないでください」

 

「そうかい?なら、よかった。隣、いいかい?少し話したい事があるんだ」

 

「構いませんよ」

 

そう言ってオレの隣に座り込んだ。なんだろう、この人グイグイくるが嫌味がないイケメン補正なのか?

そういや椿さんが引き抜きが云々言っていたな、話ってのは多分それか?

 

「君はなぜ冒険者になったんだい?」

 

「特に理由とかはないですね。ウチのファミリアが出来立てでどこまで行けるのか面白そうだったので冒険者になりました」

 

「・・・・・」

 

「でもオラリオに来る前は本当は冒険者になるつもりはなかったんですよ?ちょっと国に居づらくなったので自分の事を知らない土地で細々〜と生きていけれたらな〜くらいにしか考えてなかったです。・・・けど今は」

 

「今は?」

 

「なんだかウチの団長の事に目が離せなくてですね。アイツ、事あるごとに事件に巻き込まれてほっといたら死んじまいそうでしてね・・・。それにとんでもない壁に挑もうとしてるんですよ、だったらそんな奴の背を支えてやる奴が1人でもいたらいいなってそう思ったんです。ヘスティアファミリアで共に強くなってベルを支える、これが今オレのやりたい事です!」

 

「・・・そうかい(やれやれ、これは引き抜けそうにない・・・かな?)」

 

「ま、大きなファミリアに入るとそれなりに優遇しては貰えるとは思いますけどそれなりに制限もくらいそうですし、過去の因縁とかにも絡まれそうですし、とばったりも受けそうだからってのもあったので出来立てのファミリアに入ったというのもあるんですけどね?」

 

「・・・バレていたかな?」

 

「ハハハ、自分でもちょっと派手に動きすぎたかなと自覚はあるので・・・。それにヘルメスが余計な事をしてくれましたし。もし、未だにこのオラリオが治安が悪かったのだとしたら自分の身の危険を感じてロキファミリアに入団していた・・・そんな事があったかもしれませんね」

 

「僕としてはいつでも来てもらいたいけどね。リヴェリアも気に入っているようだし?」

 

「フフ、それはなんとも光栄な事で・・・。断ったからといっても回復の杖とかは融通しますから心配なさらずに」

 

「それを聞いて安心したよ。これからもよろしく頼むよ、シエン」

 

フィンさんは手を出してきたのでオレも手を出して握手をした。よし、ロキファミリアとの繋がりが出来た。どうしようもなく困った事が起きたら巻き込んでやる。

握手していると何かがドサリと落ちるような音が聞こえて女湯から騒ぎ声が聞こえてきた。

 

「やれやれ、随分と大胆な・・・一体誰だろうね?」

 

「ハハハ、これだからアイツと一緒にいるのは飽きないんですよ」

 

ちなみに覗きをしたのはベルではなくヘルメスで風呂上がりにアスフィにボコボコにされていた、まあしょうがないね。




かなり短くてすみません。なんか区切りがいいのでこれくらいで投稿します。

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