イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか?   作:カルビン8

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あけましておめでとうございます!

皆様にとって明るい年になりますように!!


階層主2

シエンが迫り来るモンスター達を一掃した頃、ヘスティアと千草は中央から西にあるリヴィラに向かおうとしているとアスフィが支援を頼んだボールス達に会った。

 

「あれ?君達は!?ボク達はこれからリヴィラに応援を頼もうと思っていたんだけど」

 

「その応援ですぜ、女神様よ!それで、リヴィラに避難するので?今現在リヴィラには誰もいませんが」

 

「・・・ならば君達の側にいた方がまだ安全だね。もちろん戦う事は出来ないから怪我の治療くらいだったら手伝うよ!」

 

「了解しましたぜ!おいお前ら!中央から真南の小高い丘に拠点を作るぞ!出来次第中央のバケモン退治だ、急げ!!」

 

リヴィラのボス的なボールスは次々と指示を出し、冒険者達は持ってきた武器を置き、切り倒した木を地面に突き刺したりして丘に簡易的な拠点が出来上がった。その後冒険者達は武器を手に取り唸り声を上げて中央に向かって走って行く。

 

「へ、ヘスティア様。これなら・・・」

 

「うん、勝てるかもしれない。こんなにも沢山の冒険者がいるんだ!」

 

中央

 

「お待たせしました、援軍を呼んできましたよ!シエン、リオン!」

 

「僕もやるよシエン!」

 

援軍を呼んできたというアスフィとモンスターに襲われていた冒険者達を助けていたベルが前線にやって来た。ベルは他の冒険者に譲ってもらったのか大剣を握りしめている。

 

「クラネルさんは私と共にあのモンスターを撹乱します。今の貴方ならば私に着いて来れる」

 

「シエンは魔法によるアシストを。攻撃、防御、回復にあと空中に足場を作ってください。リオン、どこに足場があるか感じ取れますね?」

 

「はい、先程シエンさん達が空中から降りてきた時も感じ取れました。いけます」

 

リューは只者ではないとは思っていたがオレの魔法を感じ取れるか、なかなかにやるな。それにしてもオレだけやる事多くない?

 

「それでは私は「お前ら!【万能者】が最前線で戦うぞ!その間にどデカい魔法や矢を準備するんだ!!」・・・」

 

アスフィは前線から引き下がろうと言うつもりだったのだろうが片目に眼帯を付けてる大男が勝手に勘違いをして周囲の冒険者達に指示を出した。これではアスフィは引くことができなくなった。

 

「オオオオオオ!!」

 

「どうやらゴライアスは待っているのも飽きてきたみたいだぞ。アスフィも来いよ、最前線になぁ!!」

 

「シエン!?ああ、もう!どうしてこんな事になってしまうんですかァ!」

 

再び動き出したゴライアスに向かってオレ達は動き出す。前衛壁役の盾持ちのレベル2.3のドワーフがゴライアスの【咆哮】を受け止め、後方には魔法円を展開する多数のエルフを始めとする魔導士達。(なおシエンは最前線)着々と魔法を放つ準備を整えていく。

それを見逃すまいとゴライアスが攻めようとするならばアスフィが持つ爆炸薬がゴライアスの胸元に直撃し破裂して視界を妨害する。

 

「よし、今だ!!攻めるぞ!!」

 

シエン達以外の前衛達もゴライアスに攻めかかる、もともとこの非常時に集められたメンバーなので連携なんてあったものじゃない。ただメチャクチャに襲い掛かる。

 

「オオオオオオ!!」

 

「ヒッ!?」

 

ゴライアスが雄叫びを上げ前線の1人の冒険者に殴りかかった。周りには他の冒険者がいるがその1人は逃げ遅れたのだろう、直撃コースだ。

 

「【ミラーバリア】!!」

 

無色透明な障壁がゴライアスと冒険者の前に突然に現れるがほんの1、2秒のだけ拳を押し留めた後に粉々に砕け散った。だがそれだけあれば充分、シエンは【呪い】を発動し黒い手が冒険者を鷲掴みにして後方には放り投げつつ【ファイアー】を20発ほど連射する。ゴライアスに着弾し爆発による煙でゴライアスの視界を奪う。アスフィの真似だ。

ゴライアスは煙を振り払う為に拳を無茶苦茶に振り回す、その間にシエンも引く。シエンを狙おうとしてもリューが背後から襲いかかり体勢を崩す、そして他の冒険者達が襲い掛かる。この繰り返しだ。

ゴライアスとしては鬱陶しい限りだろう。・・・だが、まるで効いていない。

 

「あれだけ攻撃してるのにまるで応えていない!?」

 

「あのゴライアスはどうやら自己再生能力に長けているようですね。怪我を治す時に赤い光が出ています。魔力を消費して回復しているのでしょう」

 

「前衛、引けぇっ!!デカいのをぶち込むぞ!」

 

ボールスの号令にシエン達はすぐさまその場を離れた。それと同時に魔導士達が準備をしていた魔法を叩き込んだ。

火、雷、氷柱の雨、風の渦がゴライアスに怒涛の勢いで直撃し、一時的にその場は静まり返る。

 

「やったか!?」

 

魔導士の1人が勝ちを確信した時、砂煙を振り払う豪腕が見えた。その姿が見えた時、そこにいる冒険者達は驚愕した。

そこにいるゴライアスは全くの無傷だったからだ。先程の前衛達の攻撃の方が効いていただろう。

 

「そんな・・・」

 

「魔法耐性が凄まじく高いんだろうな、オレの【トロン】があんなにもあっさり弾かれたくらいだ。納得がいくってもんよ」

 

「そんな事冷静に言っている場合じゃありませんよシエン!・・・ッ!来ます、退避ィ!!」

 

魔法を受けたゴライアスはこちらの番と言わんばかりに拳を握りしめて思いっきり地面に叩きつけた。大草原が割れ、凄まじい爆発を起こし衝撃波を発生させた。

 

「逃げ切れねえ!【ミラーバリア】!【ストーン】!」

 

迫り来る衝撃波から逃れられない事を察したシエンはシエンの周囲にいる冒険者達を守るように障壁を張りつつ障壁の外に石の障壁を生み出した。

衝撃波はゴライアスの拳よりも強くないようで石の障壁によって防ぐ事に成功した。

 

「・・・よし!これくらいなら凌げる!」

 

「流石だね、シエン」

 

「ですが、私達以外の被害は甚大なようですね・・・」

 

衝撃波によるシエン達以外の冒険者達の被害は甚大だった。前衛のみならず後衛の魔導士達も衝撃波に巻き込まれており立ち上がる事もできなくなっている。そしてゴライアスは再び動き出す。

 

「オオオオオオオオオオオオ!!」

 

ゴライアスが叫ぶとこのフロアにいるモンスター達が中央に集まろうと動き出す、このままではまだ立ち上がることが出来なくなっている冒険者達は蹂躙されてしまうだろう。

 

「アンドロメダ、私はあのモンスターの足止めをします。手伝ってください。クラネルさん達は後衛の立て直しをお願いします」

 

リューはアスフィに援護を頼んだ。シエン達は知らないがアスフィのレベルは4、リューと同じでかつて共に戦った戦友でもある。

 

「私と貴方の2人で足止めですか、決定打に欠けますが仕方ありませんね」

 

「アスフィ、【リザーブ】の杖を持ってないか?それがあれば一気に戦況を整えることができる」

 

「ええ、持っています。私よりも貴方の方が上手く使えるでしょう、使ってください。リオン、行きますよ!」

 

アスフィから【リザーブ】の杖を受け取り、彼女達と別れた。シエン達は真南にある拠点を目指し移動する。ゴライアスから十分に離れた今、シエンは【リザーブ】の杖に精神力を込める。

 

【リザーブ】、これは周囲にいる仲間を回復させる杖である。この杖にはあまり回復力はないのだがこれを使用する者の【魔力】が高いと回復力、更に回復範囲が増えるという代物だ。まさにパーティに一つは欲しい代物である。

 

「ハアァアアアア!!」

 

【魔導】も発動してこの杖を作ったシエン限定の効果も発動する。その効果は【魔力】【魔導】の高さによる回復効果範囲の倍加。

シエンの足元に現れた黒色の魔法円を超え、現在戦っている冒険者達のいる場所全てを飲み込むほどの大きさの魔法陣を展開し、そこから白緑色の粒子が溢れ傷ついた全ての冒険者達を癒した。

 

「こ、これは?」

 

「い、痛くねぇ。折れてた腕が治っている!?」

 

「寝っ転がってる場合じゃねぇ!モンスター共を押し返すぞ!!」

 

南の拠点に運び込まれていた怪我人も当然魔法陣の範囲に入っており全て完治した。ゴライアスに怯えていた冒険者達も武器を持ち立ち上がる、再びゴライアスに向かっていく。崩れていた戦況が立ち直り始めた。

 

「一体何が・・・?」

 

「この光、シエン君さ。この戦況をあっさり変えるなんてね。ベル君、君だって負けちゃいないよ。君の全力をぶつけるんだ!!」

 

ヘスティアは前線で戦っているであろう中央に視線を向ける。ここからが反撃の時だ。




【リザーブ】
・周囲全体回復魔法

・魔力の高さにより回復力が変化する

・シエンが使用した場合は回復範囲が更に広くなる
・体力も回復する
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