イーリス聖王国の魔道士がオラリオに来るのは違っているだろうか? 作:カルビン8
・・・本当に申し訳ないです
中央 シエン
なんとかゴライアスを北に吹き飛ばす事はできたが吹き飛ばすだけしかできなかった。吹き飛んだゴライアスは再びベルを倒す為にこちらに向かってきた。
止めなくてはならない。その為に身体は・・・動かない。が、身体は浮いている。
南に微動しているようで南に動けと意識してみるとさっきよりも移動が速くなった。【復讐】のスキルにはこのような効果はなかったはず、あるとしたら【竜化】か。初めて使うスキルなのにそれなりに使いこなせとは無理を要求してくるもんだ。
「シエン!無事ですか!?」
真っ先にアスフィが近づいて来た。返事をしたいが声は出ないので【呪い】で影を手の形にして親指を立ててハンドサインを送り無事を伝える。
「(よく見えませんが・・・ハンドサイン?喋れない状態というわけですか。回復をしたほうが良さそうですね)」
アスフィはシエンの状態を大体察してリライブの杖を取り出し治療しようとするがシエンは影を伸ばし手の形にして拒否するジェスチャーをした。理由はとても単純でこの状態が1番威力が出るからだ。死に近づけば近づくほどに威力が上がっていく、それが【復讐】のスキルだ。
「分かっているのですか?あのモンスターの軽い一撃を貰うだけで貴方は死にますよ!」
分かっているさ、でも今オレに出来るのはこれしかないんだ。それにアイツの攻撃を食らわなければ良いだけの話だ。気持ちは嬉しいがすまんアスフィ。
オレは北に飛ばしたゴライアスを更にベルから遠ざける為にゴライアスを追う。
『グオオオオ!!』
ゴライアスを守ろうとモンスター達の群れが現れようと関係がない、まとめて消し飛ばすだけだ。【トロン】の魔道書に精神力を込めることで光り輝く、【復讐】の影響でその光は黒紫色に輝いた。
魔法陣は複数現れて雷の槍を一斉発射、モンスター達は弱点である心臓部分にある魔石を貫かれ即死した。
今のオレの状態ならいける、ゴライアスをさらに遠ざけなくては。
中央より南 ベル
戦場に魔法陣が現れて魔法の槍が飛び出す度にモンスターが消えていく。黒いゴライアスが北から中央に戻って来ようとするもののそれもまた魔法の槍によって北に押し戻されていく。僕も見ているばかりじゃない、シエンが作り出しているこの状況を最大限に活用しないといけないんだ!
「ベル様!これを!」
拠点に戻っていたリリが黒色の剣のような物を持ってきた。僕はすぐに【英雄願望】による蓄力を開始する。この戦いを終わらせるために!
その想いが【英雄願望】の力を一時的に昇華させ、発行を収束させる蓄力の出力が跳ね上がった。リン、リンという鐘の音がゴォン、ゴォンという大鐘楼に成り替わり戦場に鳴り響くのだった。
突然に響き渡る音にシエンも当然気づいた。自分とはまた違う力の増幅にこの戦いの勝機を感じ取り、必ず守らなければならないと強く思った。
『ゴオオオオオオオ!!』
ゴライアスもまた白光し始めたベルに僅かながらも危機感を感じ取り危険な芽を取り除くべく行動を再開させる。雄たけびによりこのフロアにいるすべてのモンスターにあの光を消せと指示を出しモンスター達を突撃させ自身も同様に大地を蹴り、突進を始めた。
「(させるかよ!)」
体中から血をまき散らしながらも敵の進行ルートを防ぐように浮遊移動し多数の魔方陣を展開、そして【トロン】を敵のいる場所に向かって発射する。ただただ強大な力でねじ伏せるモンスター達を消滅させたがそれはあくまで前方のみ、左右や仲間がいるであろう後ろ側に向かって放つことはできなかった。そして目が重くなっていき、倒れた・・・
「(ここまでか、すまんベル・・・ちくしょう、力がいる。魔法耐性の強いやつに通用する強い力が!)」
戦いの後
多くの者たちの健闘にてゴライアスは打ち倒された。冒険者たちは生き延び、とどめを刺したベルを胴上げし喜びを上げた。そんな中ヘルメスとアスフィは少し離れた場所にいた。アスフィは瀕死のシエンをリライブの杖で先ほどできなかった治療を施していた。
「いや~どうにかなったもんだね。それでシエンの状態は?」
「何とか持ちこたえたようです。ゴライアスに握りつぶされてなお生きているなんて信じられません」
「(思った以上にシエンの弱体化が凄まじかったな。まさかいきなり【竜化】するとは思わなかったがそれでも戦いの途中で倒れてしまうとね・・・呼んでおいて勝手なことだと自分でも思うがこちらの地上にはもう時間がないんだ。もっともっと強くなってもらうぜシエン)」
「ふう、どうにか終わったようね」
ヘルメスたちがいる場所に赤い髪の女商人アンナが現れた。荷物を持っているのでまた知らないどこかへ行こうとしているのだろう。そこでヘルメスは閃いた。
「やあ、アンナちゃん。巻き込まれて災難だったね。ところで今度はどこに行くんだい?」
「そうね、ここでは物が売れなかったから。買わざるを得ないような厳しいところに行こうと思うわ」
その答えが聞きたかったと言わんばかりにヘルメスは喜んだ。もちろんアスフィは反対だ、こんな重傷者を今より危険な場所に送り込むなんてありえないと
「い、行かせてくれ。アンナさん」
「シエン!?」
「強くならないと、まさかダンジョンがここまで厳しいなんて思いもしなかった。完全に油断していた、今のままだとベルに置いて行かれる。間違いなく、あれだけ偉そうにしといてこのザマなんてオレ自身が許せない」
横たわっていたシエンが話しかけ自分もついていきたいと願った。プライドなんてない自分より強いのなんて、いて当たり前そう思っていたのにゴライアスにまるで歯が立たなかったことを悔しがっていた。
「よし、そういうことなら話は早い。アスフィ、回復薬を」
「はぁ、分かりました。行くなと言っても行くのでしょうね」
「男ってのはめんどくさいんだ。分かってくれなくてもいい、でもありがとう」
シエンはアスフィから貰ったハイポーションを飲み、魔道書をもってゆっくりと立ち上がる、アンナのいる場所には自分がこの世界に来るために入った異界の門がそこにはあった。
「いくか」
「ヘスティア達にはうまくいっとくよ。ちゃんと帰ってくるんだぜ?」
「おう、ちゃんと借りは返してもらわないといけないしな」
「おいおい、そろそろ返し切っているだろう?」
シエンはヘルメスをからかいながらも進んで門をくぐり、消えた・・・
どこかのファミリア
「それは確かか?」
「はい、18階層にてゴライアスが出現しリヴィラの冒険者たちによってこれを討伐。方法はわかりませんが最終的には【リトル・ルーキー】がとどめを刺したようです」
「く、ふははは!そうか、よくやってくれた。ヒュアキントス」
「はっ、それともう一人、凄まじい雷魔法にて援護をした。シエンという者も」
「その者は私にとってはどうでもいい、が。どうやらそうでもない者がいるな、なあアイスリン」
ヒュアキントス、そう呼ばれた青年と話をしていた神アポロンのほかにもう一人、シエンという名を聞いてよほど気分が悪いのか表情を厳しくした貴族のような服装をした青年、アイスリン
「シエン、あの平民風情は私が潰す!」
出身 イーリス聖王国
シエンの置き土産によって追放され偶然にもシエンと同じ場所にたどり着いた者だった
はい、後半戦はカットになります。原作と一緒なので
ダンまち界隈が盛り上がってますからね、少しくらい貢献をば
【竜化】
竜石を持っている時自身の姿を竜に変える
身体が浮けるようになる。自身の体を守るように鱗が生える。
魔法、呪い無効 しかし回復魔法、補助魔法は例外とする
この形態の時、精神力を消費するが同時に発展アビリティ【精愈】(精神力自動回復効果)が発現する
【魔力】が超補正
魔力が高ければ高いほど【耐久】、【敏捷】にも超補正。