エルが紅魔館から姿を消して二ヶ月。レミリア、咲夜の二人が、エルの行方を捜索していた。
「御嬢様。人里の方にはいません。」
「魔法の森を探したけど、いなかったわ。フランはエルの分身と一緒にいるわ。」
「咲夜。紅魔館に戻るわよ。フランが心配するわ。」
「はい。御嬢様。」
レミリアと咲夜は紅魔館に戻っていった。
◇
その頃。紫は藍を連れて、エルの隠れ家に向かっていた。
「紫様。エルの様子はどうでしたか?」
「危険な状態だわ。エルの事は霊夢にバレてしまったわ。でも、エルの役目までは知られていないわ。」
「どうするのですか?次第にエルは…‥闇に呑まれてしまいます。」
「今は様子を見ましょう。」
隠れ家に到着して中に入ると、エルは部屋で眠っていた。
「紫様。歓迎会の準備が完了しました。紫様に頼まれていた…‥…‥は、保護いたしました。」
「藍はエルの近くにいなさい。エルを救えるように。本当なら、真実をエルに伝えないといけないけれど。」
「畏まりました。」
紫はスキマの中に入っていくのを見届ける。すると、エルは目を覚ました。だが、エルの様子がおかしい。
「藍さん!?何で…‥僕の近くにいるの!?」
「どうしたんだ!?」
エルは藍を見て、何故か怯えている。
「ごめんなさい。怒らないで!?」
(エルに何があったんだ!?確かめるか。)
「エルは何歳だ?教えてくれないか?」
「僕は10歳です。」
(10歳…‥エルが霊夢と魔理沙から姿を消していた頃だ。多少年齢に誤差はあるが…‥この現象は。)
エルは幼児退行していたのだ。しかも、今のエルの記憶は、10歳までの記憶しかない。
「大丈夫だ。エルは悪いことはしていない。安心するんだ。」
藍はエルの頭を撫でると、安心させる。
「そろそろ昼になる。何か食べたい物あるか?」
「無いです。手を握ってほしいです。ダメですか?」
「良いよ。エルが寝るまで一緒にいるからな。」
「ありがとう。」
エルは安心したのか。眠ってしまった。藍はエルの頭を撫でるのを終えると、隠れ家から姿を消した。
◇
紅魔館では、フランとエルの分身が弾幕ごっこをしていた。
「これで最後だ!」
「フラン!?降参だ!」
「勝ったよ!でも…‥疲れちゃった。」
「俺は仕事があるからそろそろ戻ってもいいか?」
「うん。私は昼寝してくるね。」
フランは地下室に戻っていった。
(本体の方で…‥何かあったな。)
分身は窓拭きしながら考えていると、咲夜が料理を持ってきた。
「昼の時間よ。簡単におにぎり作ったんだけど食べる?」
「頂きます。」
窓拭きを中断して、おにぎりを食べ始める。
「貴方はエルの分身よね。エルの居場所とかはわからないかしら?」
「無理だな。本体の方で何かあったみたいだ。普段なら記憶共有でわかるんだけどな。生きてるのだけは確かだ。」
「地道に探してみるしかないわね。貴方と妹様の弾幕ごっこを見たけど、能力はどうなってるの?」
「本体の【契約する程度の能力】は、俺は使えない。俺が使える能力は【欠片を集める程度の能力】だ。その名通り。霊力、魔力、妖力の欠片を集める能力。」
「その肉体はまさか。」
「そうだよ。本来なら本体の霊力を使って維持するんだが。本体が妖怪、魔法使いと契約したからな。魔力、妖力の欠片を集めて俺を維持出来るようになった。心配しなくても本体を敵対しないならば、俺も敵にはならない」
「安心したわ。昼休憩が終わったら仕事を終わらせてなさい。今日は窓拭きだけでいいから。」
咲夜は仕事に。分身は窓拭きの続きを始めた。