その日の夜。博麗神社では、宴会が開かれていた。紅魔館組からは、レミリア、フラン、咲夜、エルの分身……ロード、レインの5人が来ていた。
「霊夢!こっちに来て話しましょうよ!」
「レミリア!?ちょっと掴まないで!てか、酔っ払ってるわね!」
「咲夜。エルは大丈夫かな?」
「妹様。エルの所に行きましょう。確か、神社内の部屋にいたはずです。」
「後で行ってみるね。」
神社内の和室には、エル、ルーミア、チルノの3人がポーカーをして遊んでいた。
「ダイヤの9~ダイヤのキングの5枚が揃ったのだーロイヤルストレートフラッシュ!」
「あたいは、スペードの9、ハートの9、クローバーの9とジョーカー1枚とスペードの1でフォーカードよ!」
「僕は役無しだよ。ルーミア強いね。宴会に参加しないの?」
「エルが心配なのだー。チルノ。最強の酒があるのだー。飲まないのかー」
「最強の酒!?ちょっと飲みに行ってくる!」
チルノはルーミアの嘘に気づかずに、神社の外に出た。
「さて、チルノがいなくなったわ。エルはどうして宴会に参加しないかしら?」
ルーミアの雰囲気が一瞬で変わり、封印されていた本来の力が復活したが、容姿は少女のままだ。
「ルー姉……封印は!?」
「大丈夫。妖力を放出しない限り、あの巫女にバレることはないわ。」
エルは静かになると、涙を流し泣き出した。記憶喪失以前のエルは、悲しいことがあっても、涙を見せずに感情を完璧にコントロールしていた。
だが、記憶喪失になってからは、感情のコントロールすら不安定の状態が続き、ルーミアと2人になった途端。今までの悲しみが溢れて泣き出してしまった。
「大丈夫。今は私達だけよ。暫くしたら、宴会に参加しましょう。」
エルは静かに頷いて、ルーミアを抱き締めて泣き続けた。暫く泣き続けて落ち着いたようだ。
「エル。宴会に参加しよう。怖かったら、私の近くにいなさい。」
「うん……」
ルーミアとエルは、部屋から出ると霊夢と魔理沙がエルの元に走ってきた。
「エル。探したわよ。今日は貴方の歓迎会だから、参加するわよ。」
「私達と一緒に行こうぜ!」
「うん!」
エルは霊夢と魔理沙達と行こうとするが、ルーミアに近づいて手を繋ぐ。
「エル。いくのだー!」
ルーミアはエルを抱き締めて、飛んでいった。
「ちょっとルーミア!?」
「待つんだぜ!」
霊夢と魔理沙は、ルーミアを追いかけに行った。
エルはルーミアに降ろしてもらうと、咲夜とフランに会った。
「エル。御嬢様が心配していたわよ。」
「心配かけてごめんなさい。」
フランはエルを抱き締める。一瞬戸惑ったが、おとなしくなる。
「明日は一緒に遊ぼ!」
「良いよ。」
「ほら、宴会に参加しなさい。エルは挨拶してきなさい。」
「わかった!また、後でね!」
エルは挨拶回りに向かった。エルの後ろ姿を見て、霊夢はちょっと寂しそうにしている。
「霊夢。寂しいの?」
「………うん」
「今日は朝までやけ酒に付き合うわよ。」
「ありがとう。咲夜。」
霊夢と咲夜は一緒に酒を飲んだ。
エルは挨拶回りをするために歩いていると、妖夢が料理を運んでいるのを見かけて、声をかけた。
「エルさん!お久し振りです。」
「妖夢お姉ちゃんもね!手伝うよ。」
「それじゃあ、お願いします。」
(紫様からの話では、記憶喪失だと言われたのですが…様子を見ますか。)
「それにしても、たくさんあるね。」
「幽々子様は沢山食べますから。幽々子様。料理を持ってきました。」
「ありがとね~エルも久し振りね。一緒に食べましょ。」
「わかった!」
幽々子はエルを隣に座らせて、妖夢が料理を持ってきていた料理を取り分けて、幽々子とエルに運ぶと妖夢は、幽々子の隣に座って料理を食べ始める。
「この煮物美味しいわね~」
「良く染み込んでますね。」
幽々子と妖夢は煮物の美味しさに、箸が止まらない様子。エルは煮物を食べ終えると、お腹が一杯になったようだが、余りにも少ない。少食のようだ。
「ちゃんと食べないといけないわ。」
「僕…少食だがら。余り食べれないんだよね。」
「エルは苦手な物はありますか?」
「僕…肉が苦手で…ちょっと、散歩してくるね。」
エルは逃げるように、その場から離れた。幽々子は酒を飲みながら、妖夢にとある指示を出して、妖夢は幽々子の傍から離れた。