真夜中の人里から離れた林の中では、中年の男性が必死に何者かから逃げていた。
「何で、俺を殺そうと!?」
「お前はやってはならないことに手を出した。賢者に狙われてもおかしくないな。」
鬼の仮面に黒装束の人物は、小刀を取り出すとくるくる回し始める。
「妖怪を人里に入れ、妖怪に人間を襲わせることで、消そうとした。」
「俺は妖怪が嫌いなんだよ!?身内を妖怪に殺されたんだ!」
男性は怯えながらも、叫んで後ずさる。
「同情はするが、赤の他人ならやってもよかったのか?そんな貴様に生きる資格はない。地獄に落ちろ…」
小刀を振ると、男性が静かに倒れて、目を覚まさなくなった。
「………依頼完了。紫、後処理頼んだ。」
「御苦労様。悪いわね…ロード。」
「……今更だな。本体…エルに仕事が出来ない以上、俺がするしかないだろ?」
鬼の仮面を外したロードは、紫から依頼報酬である
小瓶を貰うと懐に入れる。
「本当に報酬は、あれでよかったのかしら?」
「俺を維持するのに必要な物だ。何を望めと?」
「……紅魔館まで送るわ。」
紫が紅魔館に通じる隙間を開くと、ロードは隙間の中に入り、帰っていった。
「さて、まさか…人里の人間が妖怪に人間を襲わせるなんて。対策を考えないと。」
紫は姿を消した。
早朝、紅魔館の廊下を掃除していたロードは、部屋に戻り、時間まで休憩をするが、眠そうなためか欠伸をする。
(真夜中の依頼はきつい。霊夢に知られると不味いからな。後で、本体に会いに行くか?今の俺は、本体の記憶を共有できないしな。)
紅茶を飲んで、時間を潰していると、フランが部屋に入って来た。ロードは紅茶の準備をする。
「どうしたんだ…フラン?」
「暇だよ…ロードは仕事あるの?」
「フランの御世話が仕事だ。本業の方は予定なしだ。」
「だったら、ロードと散歩に行きたい。」
ロードは笑みを浮かべると、フランの頭を撫でる。
「そうだな…悪い明日なら一緒に行けるな。」
「……仕方ないよね。」
「悪いな…フラン。」
図書館の本棚の整理をしているレインは、パチュリーの読書を眺めている。すると、門番をしていた美鈴が入ってきた。休憩時間らしい。
「美鈴…休憩…?」
「はい。レインさんはこあさんの手伝いですか?」
「暇……だから……」
美鈴は適当に本を選ぶと、ソファーに座り本を読む。美鈴の隣に座っていたパチュリーは、欠伸をしながら本を読んでいる。寝ずに読んでいたのか、眠そうにしている。
「パチュリー……寝て…」
「これ読み終わっら寝るわ……」
「わかった……」
本の整理を終えから、再びパチュリーの様子を見ると、読書を続けていた。流石のレインがパチュリーに近寄ると、読んでいた本を取り上げる。
「レイン?本……を……!?」
「さっさと……寝て…」
「………レイン……?」
パチュリーの体を持ち上げて、寝室に向かう。
「レイン!?下ろしなさい!」
「寝る……こあ…監視…」
「わかりました!レインさん!」
パチュリーはレインとこあに、寝室に連れていかれた。