博麗神社の境内で、エルは魔力と妖力の2つの力を試しに発動した。お互いに反発している。
(力の影響が強いよ…踏ん張らないと…)
力の余波をなんとか抑え込むと、冷や汗を流した。
「やっぱり…僕は…化け物…」
エルが短剣を取り出して、自分を刺そうとする寸前で、霊夢が短剣をお祓い棒で落とした。
「何してるのよ…」
「霊夢姉…僕は…化け物だよ。」
エルは悲しみの笑みを浮かべて、3つの力…霊力、魔力、妖力の球体を作り、周囲に浮かべる。
「霊夢…姉は知ってたでしょ?」
「エルは…思い出したの?」
「覚えてるのは、力の使い方と…」
両手を出して、エルが力を込める。すると、黄金に輝いた光を放ち、金の十字架を出現させた。
「それは…何!?」
「僕の力を制御する装置みたい。まだ、僅かながらしか使えないみたい。」
「私に言って、どうするつもりよ?」
「わかってるよね?幻想郷の掟…僕を殺さないの?博麗の巫女様?」
エルの言葉に、霊夢が目を見開いて、見続ける。
「……確かに、私はエルを退治しないとダメみたいね。」
「早く退治してよ…」
エルの行動に、霊夢の体が震え出して、近寄ろうとしない。退治するのを躊躇している。
「…どうしたの?殺さないの?」
「……嫌だ…」
「どうしたの?霊夢姉…」
「嫌…エルを退治するのは…それだけは…」
霊夢の拒否にエルは、魔力を体に纏う。
「幻想郷の掟に従わないなら…今から潰すよ。」
「何で…」
「幻想郷の掟では、人里の人間は妖怪になってはならない。これは…絶対なる掟だよ。博麗の巫女は…人妖を退治…殺さないダメだよね?霊夢姉…」
「でも、エルは妖怪じゃ…」
「この妖力を使える僕は…妖怪じゃないの?霊夢姉…使命を果たさなきゃ…ダメだよね?」
エルは霊夢に近づいている。
「嫌だ…お願いだから…そんなこと言わないでよ!」
「ダメだよ…僕を…殺さなきゃ…」
エルが霊夢に妖力を放つ瞬間。隙間が出現して、妖力の球体を相殺した。
「……この隙間は…!?」
「エル、貴方は何をしているのか…わかってるの?」
霊夢の前に紫が現れて、隙間で霊夢を守る。
「紫さん…何で…邪魔するの?」
「エルが霊夢を攻撃するからよ。弾幕ごっこなら止める気はなかったわ。」
「紫さんならわかるよね?僕は…人里の人間で…妖怪の力を持っている。霊夢姉が僕を殺さないなら…」
「エル…貴方は確かに妖怪の力を持っている。本来なら博麗の巫女に殺されるわね。でも、貴方は既に人里の人間ではないわ。」
紫の言葉にエルは動揺している。
「僕が…人里の人間…じゃない…どういうこと?」
「記憶を失う前…幼い時にエルは、人里の保護を放棄したのよ。貴方自身の意思で…」
この真実に霊夢は一瞬だが、幼い頃の記憶の一部を思い出した。
「……あの時なの?」
「霊夢姉…?」
「エルは…あの時から…恨んでたの?」
「違う…僕は…恨んでなんて……」
エルは突然、気を失った。