東方妖怪堂     作:ノック

59 / 93
58

エルとマミゾウが博麗神社に向かっている頃。ニーナは人里で買い物をしていた。

 

(今の私は、人化してるから、妖怪とバレても騒がれない。元の姿に戻らなければ、問題ない。)

 

買い物を粗方終えると、荷物を異空間に入れ、身軽になる。

 

(さて、何処に行こうかな…)

 

鈴奈庵の前を通り掛かると立ち止まった。

 

(貸本屋。初めてだし…入ってみるかな。)

 

店内に入るニーナに気づいたのか、鈴奈庵の店番をしている少女、本居小鈴がニーナに挨拶する。

 

「いらっしゃいませ!」

 

「どうも…」

 

「何をお求めですか?」

 

「幻想郷の歴史に関する資料ありますか?」

 

小鈴が本棚から数冊の資料本を取り出すと、ニーナに見せる。

 

「こんなにあるんですか……店員さん。」

 

「なんですか?」

 

「この本……妖魔本ですよね?店員さんは、人間…ですか?」

 

「私は人間ですよ。私は本居小鈴です。妖怪…ですよね?貴女から妖気が出てますよ。」

 

小鈴の言葉に、ニーナは目を見開いたが、すぐに笑みを浮かべた。

 

「よくわかりましたね。私の名前はニーナです。猫又の妖怪ですよ。」

 

「妖怪の気配ありましたし…私は妖魔本を読みに来たと、思ったんですけど…」

 

小梅が壁に貼られている紙に指を指す。妖怪文字で、【妖魔本の入荷】と書かれていた。だが、小さな字で【条件あり】の文字が…

 

「……この本は誰が?」

 

「紫さんですよ。御得意様なんです!」

 

「………そうなんですね。」(あのスキマ妖怪が、御得意様!?何か、企んでるのか?)

 

ニーナは妖魔本の1冊に触れてみると、急に違和感を感じて、妖魔本から離れた。

 

(何、この違和感は!?)

 

「ニーナさん、大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です。ちょっと、適当に本探しますね。」

 

「自由にどうぞ。」

 

ニーナは本棚にいくと、冷や汗を流しながら体が震えている。

 

(あの妖魔本…あの感じ…私に対する魔除けか!他の妖怪は効かないだろう。あの小鈴、人間の少女が触れていても、問題はなかった。何処まで見透かしているんだ…)

 

適当に本を読みながら考えている。

 

(どうするかな。紫に警戒されている以上、エルの記憶を戻せない。それだけは何とかしないと。でも、どうする……)

 

悩ませているニーナに、小鈴が本棚の本のチェックをしながらニーナを見る。

 

(ニーナさん……妖魔本に触れた時、様子がおかしかったな。何かあったのかな?)

 

チェックを終えると、椅子に座り、妖魔本を開いて読書する。ちなみに、読んでいる妖魔本は、紫の新作で、【藍ちゃんの観察記録特集】と妖怪文字で書かれている。小鈴か紫以外は読めない妖魔本である。

 

(……紫さんも藍さんに、意地悪するんですね。)

 

 

本棚の本を読み終えたニーナは、本棚に戻すと帰っていった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。