博麗神社の寝室で寝ているエルは、とある不可思議な夢を見ていた。
夢の世界
「この場所は夢の中?」
「漸く会えたな。」
エルが声のする方に振り向くと、記憶喪失前のエルが姿を現した。
「君は…僕なの?」
「その通りだ。俺が記憶喪失になった直後に現れたのが、お前だ。俺はお前の全てを知っている。」
「何が望みなの?」
「何も要らない。お前の望みを俺が叶えてやる。出来る限りの事は…」
「だったら……君に全てを返すよ。借りていた物を君に…」
「俺が霊夢に、復讐する企みがあるのを知ってるよな?その上で俺に返すと言ってるのか?」
エル(小)は、目の前にいるエルに、記憶を取り戻せと言っている。
「そうだよ。取り戻したくないの?本当は…仲直りがしたいくせにね。」
「うるさい!黙れ!?俺は…霊夢のせいで…」
「霊夢姉は後悔してる。それに、僕は既に許したよ。」
「何で……」
「君も知ってると思うけど、僕は自殺未遂をやらかした。その時にね…」
「霊夢が止めたのか………わかった。もう意地を張らねえよ。お前が許したのに、俺が意地を張っても意味がないな。だが、許すかどうかは別だ!」
「それは君の自由だよ。」
「……お前はどうするんだ?」
「………帰るだけだよ。決別して、後悔してしまった…あの頃に…僕の記憶も君にあげるね。」
エル(小)は小さな黄金の欠片を渡した。
「これは借りていた分と僕の記憶が宿ってる。大切にしてね。」
「ああ。もう後悔しない。ゆっくりだが、話してみるよ。」
「……じゃあね。」
エル(小)は姿を消して、エルの中に戻った。
「…………どんだけの記憶を俺に渡してるんだよ。」
エルの頭の中に、全ての記憶が流れ込んできた。
「……………何で…俺のことを…忘れてくれないんだよ……」
エルが目を覚ますと、夢の世界から姿を消した、
「……ここは…神社の一室…」
記憶を取り戻したエルは、暫く記憶の整理をする。
(…………そういうことか。ニーナも生きて……早苗も…幻想郷に…!?何があったんだ!)
記憶の整理が終えたエルは、霊夢が起きないように境内に出る。
「能力は……契約符【召喚・八雲紫】」
エルの目の前に、紫が召喚された。
「エル、どうし…その力は…」
「久し振りです。紫さん…」
「記憶が戻ったのね?お願い…があるのよ。」
「復讐ならしませんよ。もう、意味の無いことなので…」
エルの言葉に、紫が目を見開いている。
「本当?復讐はしないのよね!?」
「御心配をお掛けしました。ですが、あれは…まだ、続けます。」
「復讐しないなら、何でも良いわ!貴方の体を元に戻すわね。」
紫がエルの中にある仕掛けを解除すると、元に戻った。
「紫さん…俺の関係者を…」
エルは疲れたようで、眠った。
(任せなさい。今日は忙しくなるわね!)
紫は姿を消した。