その日の夜、博麗神社では宴会が開かれていた。人間、妖怪、妖精が楽しそうに宴会に参加している。
「レイとレイン。次の料理が出来たよ!」
「わかりました!レイン、運びに行くよ!」
「待って…」
エルは料理を一旦やめて、縁側で休憩する。
「疲れた。」
「お疲れ様。エル…」
「ニーナ、来てたんだ?」
ニーナはお酒の入ったがコップを差し出した。
「やっぱり、お酒はきついね。美味しいけど…」
「エルは楽しい?」
「うーん。楽しいかな?何か物足りないけど…」
エルの言葉に、表情が暗くなるニーナは、直ぐに表情を戻しお酒を飲む。
「エルも参加してきなよ。ルーミアが機嫌悪いよ。フランもだけど…」
「わかった。行ってくるね。」
エルが境内に行くと、ニーナはお酒を飲み干して、満月を見つめる。
「私も毒されたかな?霊夢に復讐するつもりだったのにな。」
「やっぱり、貴女があの時の妖怪ね。」
ニーナの隣に、隙間が現れて、紫が姿を現した。
「やっと現れたか。スキマ妖怪、八雲紫!」
「そんなに怒らないでね。」
紫の話し方に、ニーナは怒り出した。
「元はと言えば…アンタが!」
「あの時はごめんなさいね。先代の巫女があの様な行動をするとは、思わなくてね?」
「……あの巫女は、先代巫女とは違うみたいだからまだ…ましだわ。じゃなかったら、直ぐにでも復讐するつもりだった。」
紫はニーナの話を黙って聞き入れ、お酒を飲んでいる。
「私も貴女が復讐しなくて安心だわ。エルの友達を殺さなければ、ならなかったからし。」
「私は貴女が気に入らない。幻想郷のためだけに、エルを閉じ込めてるんだから。」
「そうしなかったら、エルは貴女と会えなかったわよ?私がエルを幻想郷に連れて来なければ、貴女はエルを救えなかった。それを巫女に言わなかっただけ、感謝してほしいわね?」
紫の言葉に、ニーナは言葉がつまる。何も言えなくなってしまった。
「貴女の能力は、【血を飲ませた生物を強くする】程度の能力。その血は強力で、生命力、肉体を強力に出来る。エルの能力は生まれつきで、外の世界で暮らさせるには、残酷すぎるわ。そのまま、外の世界で暮らしていたらエルは死んでいたわよ。」
「紫は何のために、エルを守ってるの?優先順位は巫女じゃなかったの?」
ニーナの疑問に紫は、笑みを浮かべながらいった。
「私の優先順位は幻想郷よ。只それだけの話だわ。」
「だったらなんで……紫はエルの能力が目当てだったの?」
ニーナは紫の目的に気づいたのか。睨み付けたまま一言いった。
「エルを手駒に出来ると思わないでね?足を掬われるわよ。」
「私は幻想郷のためなら、何だってするわよ。」
ニーナは境内にいった。
「……さて、計画を進めようかしらね。」
紫は姿を消した。