東方妖怪堂     作:ノック

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霊夢と先代巫女の前に現れたエルは、後ろにいるニーナを守りながら、短剣を構える。

 

「何でいるのよ!?」

 

「それはこっちの台詞だよ。何で、ニーナを攻撃したんだ!」

 

エルの質問に、先代巫女が厳しい表情で、エルに教えた。

 

「その妖怪は、人里の人間に悪さをしている情報を得たんだ。巫女として、退治するのは当たり前だろ?」

 

「その情報の信憑性は何ですか?まさか、調べてないなんて、言いませんよね?」

 

「後から調べれば、わかることだ。」

 

先代巫女のやり方に、失望したエルは、霊夢にも睨み付ける。

 

「………妖怪よりも、人間の方が凶悪だね。妖怪はまだ、自分の欲望に忠実に行動する。人間は…ずる賢い…博麗の巫女は、人間の味方なら…無実の妖怪を殺す権限でもあるんですか?」

 

「エルは……」

 

霊夢が何か、言いたそうにしているが、言える状態ではない。

 

「失望したよ。ニーナはこの場から逃げて…」

 

「逃げるわけないでしょ!」

 

 

エルは霊力の弾丸を先代巫女に狙い発射する。発射された弾丸は、霊夢の針で相殺された。

 

「やっぱり、霊夢は強いよ。でも、負けるわけにはいかない!」

 

「仕方無いな。まとめて、退治するとしよう。エル君は人間だから、気絶程度に済ませてあげるよ。」

 

 

エルは小声で、ニーナに話した。

 

「僕が合図したら、妖怪の弾幕で、目眩ましをして…出来るだけ、逃げるよ。」

 

「………わかった。やってみるね。」

 

エルが合図を出すと、ニーナは妖力の弾幕を大量に発射する。霊夢と先代巫女を殺すつもりはない。逃げる時間さえ、稼げれば問題はないのだが…

 

「中々やるよ。」

 

先代巫女は、大量の弾幕をお祓い棒で素早く、弾き返しながら、前に進んでいる。

 

ニーナが怯んだ隙に、先代巫女が針を飛ばして、エルの足に命中する。

 

「痛い…動けない…」

 

「霊夢は攻撃しなくてもいい。戦闘に巻き込まれるからね。」

 

先代巫女はニーナを標的に、針を飛ばして攻撃する。流石の妖怪の身体能力でも、避けきれずに肩に突き刺さった。

 

(………仕方ない…痛いのは…)

 

足に刺さった針を抜いて、霊力で先代巫女に発射する。右肩に命中はしたが、余り効いてないらしい。

 

「反撃する余力が残っていたか?なら、大技で終わりにする。」

 

先代巫女の行動に、霊夢は動かない…いや…恐怖で、動けないのである。妖怪相手には、無慈悲に攻撃する姿に…

 

「この技を使うのは、君達が初めてだよ……【夢想封印】」

 

先代巫女の大技で、大爆発が発生すると、土煙で視界が悪く前が見えない。

 

「やり過ぎたかな?」

 

「母さん…何で…」

 

霊夢が正気に戻ると、先代巫女を見る。

 

「………巫女は、人間の味方なんだよ。妖怪は人間を襲わないと、存在が消える。幻想郷を維持するには、仕方のないことだ。土煙が晴れたようだね。」

 

土煙が晴れ、視界がよくなると、エルとニーナの姿は消えていた。

 

「………逃げられたか。私から逃げ切れたみたいだから、見逃すかな。」

 

先代巫女は笑みを浮かべた。

 

 

 

 

先代巫女の大技の際に、エルの持っていたカードで、ニーナと一緒に移動して、逃げ延びた。だが、技の一部が命中して、瀕死状態になっていた。

 

「エル!しっかりして!」

 

「……なんとか…逃げれたね。」

 

エルの意識が消え始めている。

 

「…………この方法しかない!」

 

ニーナは自分の歯で、血を流してから、エルに口移しで、血を飲ませた。

 

「…………な、なにしたのニーナ!?」

 

「……よかった。エルが生きて…」

 

エルの意識が戻ると、ニーナは安心して、その場から消滅した。一瞬の出来事に、目を見開いた。

 

「そんな…何で…」

 

エルの叫び声は、森全体に響き渡った。

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