東方妖怪堂     作:ノック

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紫がエルの姿を発見した時には、闇落ち寸前だった。急ぎ、境界を操る能力で、エルの精神に繋げる。

 

(………先代巫女の襲撃で…黒猫は…)

 

状況を把握した紫は、エルの頭に触れると、一部の記憶を操作して、繋ぎ合わせた。

 

(これで、エルが黒猫を戦いから守れなかった記憶を改竄できたわね。)

 

エルをマヨイガの寝室に隙間で送った後で、博麗神社に向かい、寝ている霊夢と先代巫女の記憶を操作する。

 

 

(これで、エルの心は保たれるはず…霊夢と巫女の記憶は、エルと戦闘をしていないに改竄して…)

 

行動を終えると、マヨイガに向かいエルが目を覚ますのを待つ。

 

「……紫さん。僕は…」

 

「大丈夫。今は落ち着きなさい。話はその後で、聞いてあげるわ。」

 

「わかりました……」

 

エルは眠りについた。

 

 

 

 

博麗神社にいる霊夢と先代巫女は、紫が施した記憶操作を受けて、エルとの戦闘の記憶が改竄されている。

 

「……お母さん。昨日は、何してたんだっけ?」

 

「黒猫の妖怪を退治したじゃないか?」

 

「……その黒猫は、人化に…」

 

「霊夢。その妖怪は、黒猫の状態で、退治したじゃないか。忘れたのか?」

 

先代巫女の言葉に、霊夢はぼんやりしているが、小さく頷いた。

 

 

 

翌日。エルは人里に来ては、用事もなく歩いていた。黒猫であるニーナのことである。

 

(人里の噂で、黒猫は博麗の巫女に退治された。人間に悪さをしていたらしい…という情報だけで…)

 

 

すると、遠くの方に霊夢と魔理沙が一緒に人里を歩いていた。エルは霊夢を見た瞬間。黒い何かが、溢れる感覚に陥った。

 

(……今、霊夢に見つかったら、確実に……殺しちゃう……逃げなきゃ…)

 

 

 

霊夢に見つかる前に、場所を移動する。エルは人里の東側に移動すると、紫を呼んだ。

 

「どうしたの?」

 

「紫さん。黒猫の妖怪が、博麗の巫女に、退治されたのは知ってる?」

 

「噂で聞いたわね。」

 

「……調べてくれない?黒猫の妖怪が、人里の人間に悪さをしていたか。その情報が本当なら……お願い。」

 

エルからの頼みに、紫が考える。

 

(確かに、あの巫女と霊夢が情報の信憑性を調べていたのなら…納得はできるわ。でも、調べていないのなら………無実の妖怪を殺したことになる。調べてみましょうか。)

 

紫はエルからの頼みを聞き入れて、調べることにした。

 

 

1週間後。紫は調べた情報をエルに伝えることに。

 

「結果は白。黒猫の妖怪は、人里の人間に悪さをしていなかった。情報を調べもせずに、退治したみたいね。」

 

「…………無実で、殺されたの?紫さん。僕は…どうすればいいの?この憎しみを誰に、与えればいいかな?」

 

エルは黒いオーラを纏い、瞳の色が赤黒く染まっていく。

 

「あの巫女を殺れば…復讐は果たせるけど…」

 

「悪いけど、霊夢と巫女は殺させないわ。その前に、エルを殺さなければならない。幻想郷を破壊されるわけには、いかないから。」

 

「だったら…復讐はしない代わりに、立場がほしい。人間でありながら、妖怪側に発言できる権利がほしい。幻想郷の掟を破らない範囲で…」

 

その言葉に、紫は何かを思い付いた。だが、それをするとなると、エルに試練を与えなければならない。

 

(でも、それが成功すれば、私のプランも短縮できそうね。)

 

 

「良いわよ。私がスポンサーになってあげる。エルには、妖怪の依頼を受け持つ何でも屋をやってもらうわ。」

 

「何でも屋……」

 

「それが成功すれば、妖怪から襲われない程度で、自由に行動できるはずよ。」

 

紫からの提案に、断る理由がないエルは、受け入れることにしたのだった。

 

 

 

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