東方妖怪堂     作:ノック

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幻想郷の地下にある地底に妖怪達が住む町に、エルがこいしの案内で、連れてこられた。人間がいることに、地底の妖怪達は興味津々で観察している。

 

「幻想郷の地下は、やっぱり暗いんだね。町があるよ!」

 

「余り、見ない方がいいよ。エルは人里の保護を放棄したから、襲われても巫女は動かない。」

 

「……別にいいよ。死んだらそれまで…」

 

エルの瞳が一瞬、漆黒に染まったように見えた。こいしはエルの手を握ると、笑みを浮かべている。

 

「エルは人間が嫌いなの?」

 

「まだ、妖怪の方が信用できるよ。自分の欲望に正直だし…隠した方がいいのも、確かだけど…」

 

「エルは珍しいね。お姉ちゃんと相性良さそうだよ!」

 

こいしの言葉に余り興味が湧かないのか、無言で歩いているエルに、機嫌を悪くしている。

 

「………つまらない。」

 

「何が?」

 

「エルは暗いままだよね?どうしてなのかな…」

 

「うるさい…」

 

こいしの言葉に、過剰反応したエルは地底の地面を足で力一杯踏むと、霊力での身体強化をしていたようで、小規模だが地面に穴が出来た。

 

「え、エル!?」

 

「地面の工事費は責任者に払うから……ごめんね………あそこか。」

 

エルは地霊殿の場所がわかると、足に霊力を流して瞬間移動のように走っていった。

 

「あれ!?エルに置いていかれた……」

 

その場に残されたこいしは、エルを追い掛けた。エルとこいしを遠くから見ていた妖怪は、その場からいなくなった。

 

 

 

地霊殿に到着したエルは、建物の大きさに目を見開いている。

 

「地下に大きな建物…凄い…」

 

「あれ…君はこの地霊殿に、何か用なの?」

 

地獄鴉の霊烏路空である。こいしからは、お空と呼ばれている。地底の見回りを終えて、地霊殿に帰ってきたところらしい。

 

「こいしの依頼で…」

 

「こいし様の依頼…こいし様を呼んできますね!」

 

「こいしならそろそろ、来るからいいよ。」

 

「そうなの?だったら、中で待ってなよ!」

 

お空とエルの会話が噛み合っていないため、エルはお空に苦戦している。すると、ピンク髮の少女が建物から出てきて、エルの方を見ている。正確には、少女の持つ眼のようなもので、見られている。

 

「さとり様。見回り終わりましたよ!」

 

「お空ご苦労様………君がエル君ね?こいしから依頼されたのね。」

 

少女はエルを見ただけで、言いたいことがわかるようで、自己紹介した。

 

「僕の名前は、エルだよ。貴女がさとりさんですか?」

 

「古明地さとりよ………妖怪専門店…」

 

エルの心を読んだようで、さとりは近づいて観察をしている。既に、エルのトラウマ、過去を心から読み取っているさとりは、信用できる人間と判断したようだ。

 

「僕の読んだ?」

 

「読んだわ。でも、妖怪の私には関係無い。」

 

「そうしてくれたら、助かるからいいよ。」

 

笑みを浮かべているエルに、さとりの持つサードアイが、エルを睨んでいるように見える。心を読む視線とかではなく、確りとエルの目を見ているような感じだ。

 

「地霊殿に案内するわ。」

 

「お邪魔します。それと…」

 

エルは空間から、饅頭の詰め合わせの箱をさとりに渡した。

 

「どうぞ。」

 

「ありがと。来なさい…」

 

さとりに地霊殿を案内されたのだった。

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