一鬼との戦闘を終えたエルは、こいしと宿泊している部屋に戻ると、床に寝転がった。結構辛そうにしている。
「無理するから…おとなしく寝てね?」
「無理して………わかったよ。」
エルは起き上がると、こいしが持ってきた布団に寝転んで、体を休める。
「エルが寝るまで、傍にいるよ。」
「……………」
体を横に傾けて、エルは無言になる。だが、こいしはエルの心を読んで、頭を撫でている。
「………お姉ちゃんと、呼んでいいよ?」
「……こいし……お姉ちゃん……」
エルは躊躇いつつも、顔を赤くしながらこいしをお姉ちゃん呼びした。その呼び方に嬉しそうにしている。
「こいしお姉ちゃんに、甘えていいよ。」
「僕はもう…寝るから。おやすみ…」
エルは眠ると、寝顔を見ているこいしは苦笑して、隣に寝転がる。
「おやすみ…」
後ろからエルを抱き締めて、こいしは眠った。
地霊殿に居候して、数日が過ぎた。エルは動物達の心を読んで、会話をしていると、天井に隙間が開いて、紫が姿を現した。
「久し振りね…エル。仕事は順調かしら?」
「お久し振りです…地霊殿で暇してます。」
「実はエルに、頼みたいことがあるの。」
「僕に頼みたいこと?」
紫はエルに、この依頼を終えたら外の世界にいって、手紙を渡してほしいようだ。誰に渡すかは、当日に教えると説明した。
「わかりました。手紙を渡せばいいんですね?」
「そうよ。私の友人は神社の神様なのよ…」
「神社の神様?」
「その時になったら教えるわ。じゃあね…」
紫は隙間で、姿を消した。エルは動物達との会話を終わらせると、客室に戻り読書をするようだ。
(地霊殿に保管されている本は、読み終えたから。何しようか悩む。)
何か暇を潰す方法を考えているエルだが、何も思い付かないため、仕方無く地霊殿から出て、散歩をすることにした。
(何処に行こうかな?)
エルが地底内を散策している頃、マヨイガにいる紫と藍は隙間で、エルの様子を監視していた。
「さとりの能力を得たようね。でも、まだエルには成長してもらわないとね。」
「紫様。地霊殿の依頼を終えたら、外に行かせるのは、まだ早くないですか?」
藍は紫の謎の計画を進めるために、エルの能力を成長させて、利用することを知っている。だが、外の世界に行かせるのは、早いと紫に指摘する。
「早い内に、外に行かせないと計画進行の妨げになるわ。エルの能力はある意味特殊だから、外の世界に行かせないとダメだわ。」
「あの神達に……何れは幻想郷に来るのですよね。エルに何もなければよいのですが…」
「何とかするわよ。そのためには、エルには強くなってもらわないとね。」
別の隙間を開いて、博麗神社にいる霊夢の監視を始める。
「先代巫女と霊夢が余計なことをしたせいで、エルの成長が遅くなったわ。本来なら、エルと霊夢を一緒に修行させて、強くさせる予定だったのに…」
紫は溜め息をすると、藍にエルの監視を任せて、マヨイガから姿を消した。監視を続ける藍だが、心配そうにエルの様子を見る。
(紫様の計画は、幻想郷を守護するための要である博麗大結界を強化するための策。ですが…この計画にエルを利用することは…可哀想すぎる。私では、紫様に逆らえない。対策を考えないと…)
藍は紫の対抗策を考えるのだった。