東方妖怪堂     作:ノック

88 / 93
87

一鬼との戦闘を終えたエルは、こいしと宿泊している部屋に戻ると、床に寝転がった。結構辛そうにしている。

 

「無理するから…おとなしく寝てね?」

 

「無理して………わかったよ。」

 

エルは起き上がると、こいしが持ってきた布団に寝転んで、体を休める。

 

「エルが寝るまで、傍にいるよ。」

 

「……………」

 

体を横に傾けて、エルは無言になる。だが、こいしはエルの心を読んで、頭を撫でている。

 

「………お姉ちゃんと、呼んでいいよ?」

 

「……こいし……お姉ちゃん……」

 

エルは躊躇いつつも、顔を赤くしながらこいしをお姉ちゃん呼びした。その呼び方に嬉しそうにしている。

 

「こいしお姉ちゃんに、甘えていいよ。」

 

「僕はもう…寝るから。おやすみ…」

 

エルは眠ると、寝顔を見ているこいしは苦笑して、隣に寝転がる。

 

「おやすみ…」

 

後ろからエルを抱き締めて、こいしは眠った。

 

 

 

地霊殿に居候して、数日が過ぎた。エルは動物達の心を読んで、会話をしていると、天井に隙間が開いて、紫が姿を現した。

 

「久し振りね…エル。仕事は順調かしら?」

 

「お久し振りです…地霊殿で暇してます。」

 

「実はエルに、頼みたいことがあるの。」

 

「僕に頼みたいこと?」

 

紫はエルに、この依頼を終えたら外の世界にいって、手紙を渡してほしいようだ。誰に渡すかは、当日に教えると説明した。

 

「わかりました。手紙を渡せばいいんですね?」

 

「そうよ。私の友人は神社の神様なのよ…」

 

「神社の神様?」

 

「その時になったら教えるわ。じゃあね…」

 

紫は隙間で、姿を消した。エルは動物達との会話を終わらせると、客室に戻り読書をするようだ。

 

(地霊殿に保管されている本は、読み終えたから。何しようか悩む。)

 

何か暇を潰す方法を考えているエルだが、何も思い付かないため、仕方無く地霊殿から出て、散歩をすることにした。

 

(何処に行こうかな?)

 

 

エルが地底内を散策している頃、マヨイガにいる紫と藍は隙間で、エルの様子を監視していた。

 

「さとりの能力を得たようね。でも、まだエルには成長してもらわないとね。」

 

「紫様。地霊殿の依頼を終えたら、外に行かせるのは、まだ早くないですか?」

 

藍は紫の謎の計画を進めるために、エルの能力を成長させて、利用することを知っている。だが、外の世界に行かせるのは、早いと紫に指摘する。

 

「早い内に、外に行かせないと計画進行の妨げになるわ。エルの能力はある意味特殊だから、外の世界に行かせないとダメだわ。」

 

「あの神達に……何れは幻想郷に来るのですよね。エルに何もなければよいのですが…」

 

「何とかするわよ。そのためには、エルには強くなってもらわないとね。」

 

別の隙間を開いて、博麗神社にいる霊夢の監視を始める。

 

「先代巫女と霊夢が余計なことをしたせいで、エルの成長が遅くなったわ。本来なら、エルと霊夢を一緒に修行させて、強くさせる予定だったのに…」

 

紫は溜め息をすると、藍にエルの監視を任せて、マヨイガから姿を消した。監視を続ける藍だが、心配そうにエルの様子を見る。

 

(紫様の計画は、幻想郷を守護するための要である博麗大結界を強化するための策。ですが…この計画にエルを利用することは…可哀想すぎる。私では、紫様に逆らえない。対策を考えないと…)

 

藍は紫の対抗策を考えるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。