地霊殿にいるエルは、こいしからの依頼期間が終了した。報告をするために、さとりの部屋に来ていた。
「さとりさん…エルです。入っても良いですか?」
「今暇してたから、入っても大丈夫よ。」
部屋に入ってきたエルの心を読むさとりは、引き出しから茶封筒を取り出すとエルに渡した。
「依頼料が入ってるから、受け取って。」
「…………ありがとうございます。」
封筒を受け取ったエル。さとりは立ち上がるとエルを抱き締めた。目を見開いたエルに、頭を撫でながら言った。
「何時でも遊びに来て良いわ。」
「ありがとう…お姉ちゃん。」
「さて、こいしにも言わないと拗ねますね。」
エルは、さとりの部屋を出ると地霊殿にいる動物達に会いに行き、別れを言った。黒猫が鳴いて、エルの膝の上に乗っている。
「また、会いに行くよ。」
黒猫の頭を撫でて、エルが優しく抱き締めると頭を擦り付けくる。気が済んだようで、膝から飛び降りて走っていった。
「こいしを探さないとね。」
地霊殿内を探しているエルだったが、こいしは見つからなかった。通り掛かった動物にも聞いているのだが、こいしを見ていないらしい。
(こいしは何処に。無意識になって、別の場所にでも移動したのかな?)
流石に、こいしの顔を見ずに帰るのは嫌なエルだったが、どうしようかと考えている。
「そのまま帰るのは、ちょっと嫌だな…」
すると、背中に重みを感じたエルは、こいしの名前を呼んだ。背中から降りたこいしはエルに抱きついた。
「全く、何処にいたの?」
「無意識だよ。エルは今日で帰るの?」
「そうだよ。だから、こいしを探してた。」
エルはこいしの頭を撫でると、嬉しそうにしながら笑みを浮かべている。そろそろ地霊殿を出て、地上に帰る時にこいしに見送られる。
「エル。また遊びに来てね!」
「暇ができたら、必ず行くよ。」
こいしに別れを言って、帰ろうとした。
「エル…」
こいしに呼び止められて、エルは振り返ったらキスされたのだ。一瞬、何されたのかわからなかったが、こいしがエルから離れた。
「………こ、こいし…何を!?」
「私は…エルが大好きだよ!返事は、また会ったときにね!」
顔を赤くしたこいしは、エルに告白すると姿を消した。暫くその場で、動けなかったエルは気持ちの整理ができないまま、小屋のある森に帰る。
(こいしから…僕は…)
小屋に帰ってくると、ルーミアとレイがエルを出迎えた。地霊殿に行っている間、小屋の掃除などをして、小屋を守ってくれたらしい。
「エル!お帰りなのだー!」
「マスター!お帰りなさい!」
「ルーミア、レイ。ただいま…」
エルはルーミアとレイに、抱きつかれた。地霊殿に行っている間は寂しかったようで、エルから離れようとしない。
「……マスター、今日は一緒に寝てください。」
「私もなのだー」
「寂しい思いさせちゃったし…良いよ。」
エル達は夜は一緒に眠ったのだった。