早苗は部屋に入ると諏訪子と神奈子が、言い争いをしているのを目撃する。部屋にいる早苗に気づいてないくらいに、言い争いをしている。
(どうやって、止めましょうか。)
室内を見渡すと酒瓶が転がっていて、諏訪子と神奈子は酔った状態で、言い争いをしていたようだ。
(ふー…あれを使いますか。)
一旦部屋を出た早苗は台所に行って、お玉とフライパンを持って戻ってきた。紫は早苗がやろうとしていることに、気づいて少し離れた。
「紫さん…終わるまで、待ってください。」
「……………境内で待ってるわ。」
「直ぐに終わらせますよ」
早苗が部屋に入った瞬間。諏訪子と神奈子の悲鳴声が響き渡り、紫は(話し合いする前に、気絶しなきゃ…いいけど…)と思っている。
「紫さん…お待たせしました。どうぞ…」
「……………………失礼するわね。」
紫を諏訪子と神奈子の部屋に入れると、放心状態で倒れていた。早苗は「寝てないで、起きてください。諏訪子様、神奈子様」と言って、体を揺すっている。
「…………う、頭痛い。」
「………………飲み過ぎた。」
「諏訪子様と神奈子様。八雲紫さんが訪ねてきています。」
「八雲…………紫?」
諏訪子は早苗の隣にいる紫を見て「例の件の話で」と紫が言ったら、起き上がり真剣な表情をしている。
「さて、貴女方は幻想郷に移り住みたいんでしたわね?」
「そうなんだよね。この世界じゃ…私達の存在を維持するのは…限界でね。」
「そうだ。たがら、八雲紫殿に幻想郷に行くのを許可してもらいたい。」
諏訪子と神奈子の言い分を理解した紫だが、問題が生じる。存在が消えかけている諏訪子と神奈子を幻想郷に連れていく際に、隙間を通るのである。だが、早苗の希望は神社も一緒に持っていきたいのこと。
「今すぐ、幻想郷に連れていくわけにはいかないわ。」
「なんだと…八雲紫!?」
「私達は急がないと…」
「人の話を最後まで、聞きなさい。まだ、話は終わってないわよ。」
紫の威圧を受けた諏訪子と神奈子は、気を失いそうになるが耐えた。
「東風谷早苗は冷静なのに、情けないわね。」
「………………そんなことは。」
「私の条件を受けるのであれば、許可します。」
「条件?」
「神々の貴女方を幻想郷に連れていくわけだから、力も消費するのよ。それを信仰心が無ければ、存在を保てない神々は耐えきれるのかしら?」
「それは……」
諏訪子と神奈子は黙ってしまった。もし、行けても存在が消えてしまっては意味がない。最悪な展開になる。
(考えているわね。勿論、嘘だけども。でも、この嘘を確かめる術は…存在しない。プランを進めるために、利用させてもらうわね。)
紫は妖しげな笑みを浮かべつつ、幻想郷に移り住む条件を提示した。
「私の協力者の人間を30日間…居候させたら許可するわ。」
「八雲紫の人間の協力者?」
「何の意味がある。」
「神々は信仰心が無いと存在を保てない。東風谷早苗は人間だが、現人神。存在を保つのには足りないわね。」
紫から出された条件に、迷っている諏訪子。早苗のことを思うが…
「その人間の性別と年齢は?」
「13歳の少年よ。」
「………早苗に手を出さなければ、私はいいよ。神奈子は?」
「諏訪子と同じ意見だ。手を出さなければな…」
「………………私は、諏訪子様と神奈子様に従います。」
許可をもらった紫は「明日の朝…また来るから、その時に連れてくるわね。」と言って、姿を消した。