紫の隙間で、現代に連れてこられたエル。今日から、外の世界に行ってもらうと、強制的に現代に行かされてしまった。紫から渡された地図を見ながら、目的地に向かう。
(確か…この場所のハズなんだけど…)
周辺を歩いていると、目的地である守矢神社に到着した。参拝でもしようかと思い、小銭を取り出して賽銭箱に入れる。
参拝を終えたエルだが、紫からは守矢神社に向かうようにとしか言われていない。目的が不明である。
(僕はどうしたら…一応、関係者に手紙を渡せば良いかな?)
溜め息をしているレイ。すると、境内に出た早苗がレイの姿を見た。参拝者と思ったようで御辞儀する。
「あの…守矢神社の関係者ですか?」
「はい?」
「いきなりごめんなさい。実は、この手紙を…」
早苗はエルから手紙を受け取る。裏を見ればあの刻印がされていたので「八雲紫さんの関係者ですか?」と質問する。エルは驚いている。
「紫さんの知り合いなの?」
「私は東風谷早苗です。君の名前は?」
「僕はエルです。手紙を届けに来ました。」
手紙の内容を見る早苗だが、この手紙はエルにも関係があるようだ。簡単に言ったら、暫くの間は守矢神社で、修行をするようにと書かれていた。
「………エル君は紫さんから聞いていましたか?私は昨日聞いたんだけど…」
「そんな話…聞いてないよ!?」
「まさか…紫さんから何も聞かされずに、連れてこられたんですか。」
エルは守矢神社に居候することを知らない。早苗から聞かされて、少しだけ紫を恨んだ。
「何で大事なことを言わないのかな…紫さんは。」
「それもそうですね。それじゃあ、部屋に案内しますね。」
早苗に案内されて、守山神社の裏手にある家に向かう。
(あの手紙には、エル君は人間を嫌っていると書いてありましたけど…その様には見えませんね。)
エルを観察しながらそう思っていると、見られているのに気づいたエルは帽子を取り出して、深く被ってしまった。
「余り…ジロジロ…見られたくないから。」
「ごめんなさい…エル君。」
「…………気をつけてね。」(紫さんからは…さとりさんの能力は使うなと、言われてるから。気をつけないと…)
家に到着すると早苗が中に入れて、2階にいる諏訪子と神奈子を呼んでくるようで、居間に待っているように言われた。
「玄関からすぐだからわかるよ。」
「いや…あの…」
早苗は2階に行ってしまった。仕方ないため、居間に入って待つことにする。
(………紫さんは、何を考えてるんだろ。早く幻想郷に帰りたい。)
溜め息をしているエル。すると、早苗が諏訪子を連れて戻ってきた。神奈子は用事があっていないようだ。
「エル君…待たせて、ごめんなさい。」
エルは早苗の隣にいる諏訪子を見て「…東風谷さんの妹さん?」と、早苗に質問したエル。諏訪子は肩を震えている。
「エル君…私の隣にいるのは、洩矢諏訪子さまで、神様ですよ。」
「洩矢諏訪子だよ。こう見えて、神様だからね。よろしく!」
「…………神様なの?」
「疑っているのかな?」
諏訪子が手を出して、握手するように言った。エルは言われた通り握手すると、神力の重圧を感じ取ったようで、手を離して後ろに下がった。
「私の力を感じ取れるんだね?普通の人間は気配すらわからないからね。」
「…………」(相手が神様…逆らわない方がいいかな。)
冷静になっているが、諏訪子の力に警戒してしまっている。早苗はエルが警戒しているのに気づいたようで、咄嗟に弁解する。
「諏訪子様は悪い方ではありません!その…警戒を解いて…ください。」
「………わかったよ。その神様から敵意を感じないし。」
「面白い子供だね!気に入ったよ!」
何故か、諏訪子から気に入られてしまったエルなのであった。