蒼き雷刃のゼノグラシア ~灰かぶりの呪子と守る乙女ゲーシナリオ~ 作:雨在新人
という体のホワイトデー小ネタです。
また、ここで出てくるリリーナ・アグノエルはリリーナ嬢ではなく原作リリーナです。そのためちょっと性格違うのはご理解下さい。
この子見たいとかあれば追加するかもしれません。
ゼノ
「君か。ん?どうかしたのか?」
「……そうか、すまなかった。当日なのにすっかり頭から抜け落ちていた
今日はホワイトデーだったな。君からチョコレートを貰っておいて何も返さない阿呆になってしまうところだった。話しかけてくれて有り難う」
「ああ、あまり心配しないでくれ。一応少し前は覚えていたからちゃんと準備はしてあったんだ。つい忙しくて当日に何のために用意したんだっけ……ってなってしまっただけで、な」
「ほら、これだ」
「気に入ってくれるかは分からないけれど、バウムケーキ。木の年輪みたいに君が長く幸せであるように……って、格好つけ過ぎかな」
「でも、個人的にはこれしか思い付かなかった。金にものを言わせたお返し……特に、こんな忌み子から物として残るものや変な想いを込めた奴も困るだろう?」
「ああ、ちゃんとお茶も付けるよ」
「喜んでくれて良かった。君との縁が、こうして続きますように。それじゃあ、また明日」
アナスタシア
「あ、御早うございます。え?そわそわしてる?そ、そんなこと……」
「お昼ですね。一緒に食べますか?……そうですか」
「え?あ、次の限の後……ですか?空いてます。はい、分かりました待ってますね?」
「……はい、わたしを呼び出してどうしたんですか
?って、本当は分かってるんです。
えへへ、催促するみたいでごめんなさい」
「これ、ホワイトデーのお返し……ですよね?空けて良いですか?」
「安物だ、なんて。良いんです良いんです。わたしだって、高いものなんて用意できなくて、悩んで悩んでチョコケーキを作ったんですから。貴方にはちょっとだけ特別にしましたけど、急いでいたからベースはみんなに配ったものと同じって手抜きまでしちゃいましたし……
だから、わたしのために悩んで選んでくれたお返しっていう事実だけでとっても嬉しいんです。その気持ちが一番のお返しです
大事に食べますね?」
リリーナ・アグノエル
「ふっふふー、今日は何の日でしょう?」
「ってどうしたの、そんな曇った顔してさ」
「えっと、私からチョコレート貰っておいて、忙しくてお返しが用意できなかった……って事だよね」
「うん、しょーがない!忙しかったんだもんね。いや、私だってさ、バレンタインのチョコレートとかお友達が確保してなかったら手に入らなかったくらいにはあの辺り忙しかったし、気持ちは分かるよ」
「でも、これは別。今日時間あるよね?じゃあちょっと後で付き合ってくれるかな?」
「……うん、急な事だけど、結構楽しかった!君もそうかな?」
「もう、まだそんな顔してる。私は君と仲良くやりたいからバレンタインにチョコレートを贈ったんだよ?そして君はちゃんとこうして私に応えてくれたじゃん。こうして友達として仲良く、さ
これが何よりのお返しじゃないかな?」
「え?そこは良かったけど実は夜は用事があって急がなきゃ?あ、大丈夫?間に合う?私も一緒に謝る?」
「あはは、忙しいけど間に合うんだ。うん、付き合ってくれてありがと」