最凶最悪の天災ファンタジスタ   作:憂鬱なサラリーマン

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初めまして、私、憂鬱なサラリーマンと申すもの。
以後お見知りおきを

最近イナズマイレブンにはまってしまいまして、やっべぇなおもしれいと思ったのがこの作品をかくに至った経緯でたどり着いたわけでございます。


FF編
羅刹 京。それが天災の名だ


歓声がこだまするスタジアム。

フットボールフロンティア決勝戦。電光掲示板には帝国学園対木戸川清州という間違いなく強豪校とよばれる2校が対立する。

 

そんな決勝戦も終盤に差しかかる。

 

木戸川清州の三兄弟は疲弊し、ボールを奪うどころかまともに動くこともままならない。

フィールドを支配するのは帝国学園。そしてその全ての原因『羅刹京』がそこに立っていた。

 

羅刹は無表情でボールを受ける。

ただ前に進むだけのドリブル。

だがその一歩が、木戸川の三兄弟の布陣を粉々に切り裂いた。

タックルに飛び込む者は軽く弾き飛ばされ、連携を狙う者は空中で途切れる。観客も解説も、ただただ息をのむしかなかった。

 

「これが……天災羅刹京か……」

 

いつだって声をこだまさせて来た角田王将の実況が震える声で静かに呟く。

 

ほんの一瞬だけ、羅刹の口元がわずかに歪んだ。

冷徹な破壊の中に、制御しきれない狂気の兆し、だが影山総帥は、微かにニヤリと笑った。

 

そして最後の一撃。

羅刹がシュートを放つ。

ボールはゴールに突き刺さり、笛が鳴る。

サッカーという点が獲りにくいスポーツだというのに誰もスコアに目がいかない。重要なのは、木戸川清州が蹂躙され、帝国学園が圧倒的勝利を収めたという事実だけだった。

 

観客は言葉を失い、木戸川の三兄弟も顔を覆ったまま立ち尽くす。

ただフィールドに残るのは、冷静に立つ羅刹の姿。

その背中だけで、彼が「天災」と呼ばれる所以を、全ての目に刻み込んだのだった。

 

 

笛が鳴り響くと同時にフィールド上に異様な数の担架が運ばれる。

帝国学園の勝利は圧倒的だった。

木戸川清州の三兄弟は疲れ果て、ベンチに座ったまま動けない。

その光景を、羅刹は淡々と見つめる。ボールを足元で転がすだけで、彼の存在は“天災”そのものだった。

 

鬼道が隣に歩み寄る。

「羅刹、やっぱ止められる奴はいないな」

 

羅刹は無表情のまま答える。

「別に止められねぇわけじゃねぇ。ただ、奴らじゃ時間の無駄」

 

鬼道は笑った。

「相変わらず冷静だな。だが相変わらずワクワクさせてくれる」

 

羅刹の目がわずかに光る。

「楽しむためにやってるわけじゃねぇ。ただ、結果的にそうなることもある」

 

鬼道は肩をすくめる。

「それでも、同じ総帥の元で戦えてよかった」

 

羅刹は短く頷き、またボールを足元で転がす。

互いに無言で理解し合う。

圧倒的な力を持つ者同士の、静かな信頼。

 

 

先頭を歩く羅刹と鬼道の元に影山総帥が静かに現れる。

「羅刹、よくやったな」

 

羅刹は一礼する。

「ありがとうございます、総帥」

 

影山は微かに口元を緩め、にやりと笑う。

「次も期待しているぞ」

 

羅刹の胸は熱くなる。

総帥のためなら、何でもやる。

改めて心に誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

羅刹は無言でボールを蹴り返す。

フィールドに残る影、風に揺れるユニフォーム、冷徹な眼差し。

それが“天災”羅刹京の証だった。

 

帝国学園の公式戦全勝記録は今日も揺るぎない。

グラウンドを圧倒的な力支配する羅刹京。

その名は“天災”。誰も止められない力を持つストライカーだ。

 

その羅刹に、影山総帥が直接声をかけた。

「羅刹、少し話がある」

 

羅刹は瞬時に視線を総帥に向け、一礼する。

「はい、総帥」

 

影山は冷静に羅刹を見据える。

「今度、練習試合を行うことにした。お前も同席しろ」

 

羅刹は一瞬驚きの色を見せる。しかしすぐに落ち着きを取り戻す。

練習試合に出たことは一度もない──少しでも俺のデータを取られないよう、自分以外を少しでも経験を積ませるために総帥が決めたルールだ。

 

だが今、総帥自ら命じている。理由は何だ。

 

 

「そこにいる、ある男のデータを取れ」

 

羅刹の胸が微かに高鳴る。

――ターゲットを試す、そのための秤が俺ということか。

 

羅刹は礼儀正しく答える。

「承知しました、総帥」

 

影山は淡々と頷く。

「期待しているぞ、羅刹」

 

羅刹の目は冷静だが、その胸には忠誠心が熱く渦巻く。

どれだけ利用されようとも、総帥のためなら何をしても構わない──

心の中でそう決めた羅刹は、その圧倒的な力を練習試合で見せる準備を整えるのだった。

 

 

 

ー練習試合当日ー

 

帝国学園の選手たちを乗せた車は、雷門中学へ向かう。

巨大な車体は、移動する要塞のような迫力。エンジン音さえも威圧感を漂わせる。

 

「おまえが来るなんて珍しいな」

一回も練習試合にも参加したことがない羅刹の姿に帝国学園のメンバーは珍しいと2人用の椅子を占領する羅刹に声をかける。

 

「あぁ、仕方ない。総帥の指示だからな……面倒くせぇ」

 

学校に到着すると、赤いカーペットが地面に伸びる。

その両脇には、二軍の選手たちが整列し、忠誠心を示すように頭を下げる。

まるで式典の一部のようだ。

 

鬼道が真ん中を進む。その後ろに、寺門、佐久間、辺見──一軍メンバーが談笑しながら続く。

「雷門?どうせ一瞬で潰れるだろ?ねぇ?鬼道さん」

「あぁ、だが面白いかもな、奴が出てきたら」

「奴……って?」

「楽しみにしてろ」

 

そして最後尾を歩く羅刹京。

あくびをひとつ──緊張感ゼロ、余裕たっぷりの足取りだ。

「……ふぅ、面倒くせぇなぁ」

初めての練習試合、総帥の命令とはいえ、やる気が湧かない。

 

車の上に設置された椅子がゆっくり伸び、影山総帥が現れる。

その冷静な視線は、場の空気を支配するかのようだ。

「よりにもよってこの学校とはな。ふんっ、これも因縁か」

 

ゴールキーパーの少年、円堂守が走り寄り、声を張る。

「雷門中サッカー部、キャプテン円堂守です。練習試合の申し込み、ありがとうございます」

 

鬼道は軽く挨拶を流し、握手も交わさない。

「初めてのグラウンドだから、ウォーミングアップしてもいいかな」

「あっ、どうぞ」

 

ウォーミングアップが始まる。

佐久間の俊敏な動き、洞面の正確なボールコントロール──鬼道の目は全てを捉える。

指をぱちんと鳴らすと、寺門、辺見、鬼道の三人によるダイレクトプレイが展開され、鬼道は円堂に向かって強烈なシュートを叩き込む。

 

ボールを受け止めた円堂は笑いながら叫ぶ。

「面白くなってきたぜ!」

 

「いいねぇ、ああいうの。心を折ってやりたくなるぜ」

普段は無表情の男の呟きに、佐久間も鬼道も軽く笑う。

雷門中は、帝国学園の余裕にすでに飲まれていた。

 




次回帝国学園対雷門中の練習試合編です。

近いうちに次の話もあげようと思っていますのでよろしくお願いします。

感想、意見、何でも受け付けていますのでよろしくお願いします。

少し直しました
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