お詫びとして、今回は二話投稿します。
クワー…クワー…
青い空、白い雲、そしてカモメが飛ぶ。海面は穏やかで、波の一つもない。ここは"偉大なる航路"と東西南北の四つの海を結ぶ海、通称"凪の海"
その海を一隻の海軍船が航行している。その甲板で一人の海兵が空を見上げていた。
「天気は快晴、波も穏やか、流石は"凪の海"噂に違わない静けさだ。実際は海王類達の巣窟らしいが、一匹も見当たらないな。」
そう呟くと海兵--カゲル--は、辺りを見回した。
と、一人の将校がカゲルに近づいて来た。
「"凪の海"は初めてですかな?カゲル大尉。」
「ん?えぇ、何せ第153支部からあまり出たことがありませんからね、ゴーワ大佐」
「ハハハッ、そうかそうか、大いに楽しめ!」
そう言うと、ゴーワ大佐はカゲルの背中をバシバシと叩いた。
「しかしまぁ、ウチの支部長も困ったものだ、報告のためにわざわざ海兵を寄越せなどと言いおって…」
「確か、"紅の女大佐"って呼ばれてる人でしたっけ。」
「そうだ、まだ若いが…実力は確かだな、わしじゃ勝てんな。」
「ほぅ、貴方も相当な実力をお持ちだと思いますが?」
「よせやい、確かに肩書きに見合った実力を持ってはいるが、あの娘っ子の前だと霞むさ。何せ、あやつは近々准将への昇格が考えられているくらいだからな。」
ゴーワ大佐は、どこか遠い目をしつつカゲルに答えた。
「そう言えば、段々とあったかくなって来ましたね。もうそろそろ島が近いんですかね?」
「む?そうだな、もうそろそろ島に着くと思うぞ。コートの準備をしておけ、わしと同じ大佐ではあるが、立場はわしやお前さんよりも上だからな、ちゃんとした格好をするのじゃよ。」
「しばらく袖を通してないので、変な気分ですがね…。ところで、これから会う支部長の名前を知らないのですが、教えてくれませんか?」
と、カゲルはここまで聞けなかったことを聞いた。
「なんじゃ、お前さん知らなかったのか?ウチの支部長の名前はグラナータだ。」
「え、グラナータ大佐?」
「そうじゃ、グラナータじゃ」
「………………………帰ってもよろしいか?」
「なぜじゃ!?」
--グラナータ大佐視点--
(はぁ〜、まさか第77支部の海兵が来るとは…、あぁ、カゲルさん、早く昇格して偉大なる航路の支部に配属されてください…)
"紅の女大佐"の異名を持つグラナータは現在、自室にて机に突っ伏していた。
普段の支部長としての彼女は女傑と言われるほど優秀なのだが、いかんせんまだ若いため、たまに精神的に不安定になってしまうのだ。
「はぁ、最近、昇格の通知が来てたわね、まずはそれから頑張らないとね。」
自らの頬を叩いて気を引き締めると、いつもの凛とした表情に戻った。
すると、扉がノックされた
「大佐、報告の為の海兵が支部長室で待っています。準備が出来たら支部長に来てください。」
「(あれ?まだいたかしら?まぁいいか)わかりました、その海兵には少々
お待ちいただくようにお伝えください。」
「はっ!了解しました。では。」
スタスタッ……
「さて、報告の為の海兵はもう来ないはずだけど…、まぁ、大事な用だと大変だから行きますか。」
そう言って、グラナータは支部長室へと向かった。
続きの話をお楽しみください。