影になりたい海兵(笑)   作:夕千康成

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本日からローグタウン編をお送りします。
それと、年内だと最後の投稿となります。



第16話

およそ20年前、今よりも海賊が少なかった頃…

東の海のとある町で、"ある海賊団の船長"が処刑された。しかし、船長の最期に放った一言は、時代そのものを動かした。後に、大海賊時代の幕開けと称されたこと出来事により、その町はこう呼ばれるようになった…

「『始まりの町ローグタウン』ね…、まぁ、あの処刑での事が無くとも、この島は、"偉大な航路"の入り口が、近いからね、二重の意味でもそう呼ばれてるんだろう。」

ブロッサ島から到着したカゲルは一人、港を歩いていた。

「さてと、海軍の詰め所に行って、挨拶でもしてきますか…」

カゲルは、この度本部大尉と昇格し、それに伴い、第153支部から、ここローグタウンの支部へと異動となったのだ。

「それにしても、グラナータの用事って何だろうな?先に行ってしまったし……。まぁ、道中で久し振りに話もできたし、いいかな。」

ここまで、グラナータ大佐も一緒に来たのだが、彼女の用事のため別行動となっている。それに関しては、カゲルも同意の上だったので、特に気にしてはいない。そんなこんなで、カゲルは海兵を探すため、町の中心部へ向けて歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---グラナータ視点----

『では、私は要件を先に済ませるのでここで別行動にしましょう。』

そう言ってカゲルと港で別れたグラナータは現在、通りを歩いていた。

「さて…、あのお店は何処にあるかしらね…?」

そう呟きながら、通りを歩くグラナータの格好は、いつものスーツ姿では無く、Tシャツの上からワイン色のジャケットを羽織り、下はスキニーパンツと普段着の格好で出歩いていた。

彼女の管理するブロッサ島でなら、顔を覚えられているが、当然、ローグタウンの住人は彼女が海兵である事を知らない。

暫く通りを歩いていると…

「あっ、見つけた…」

グラナータは目的の店を見つけた。

その店の看板には、三角のコーンに乗った丸いスイーツが描かれていた。

そう、まごう事なき、アイスクリーム屋である。女性であるグラナータは甘いものには目がないのだ。

「ふぅ…、要件自体は派出所に書類を届けるだけでいいのですが…、せっかく、ここまで来たのですから、甘いものでも食べたくなるものですね。」

半ば言い訳にも近いのだが、そんな事は御構いなしと、アイスを買う列へと並んだ。

 

 

「ふふっ、やはり三段にして正解でしたね。どれも美味しいですし、何より、こう…、なんとも言えない優越感がありますからね」

三段アイスを購入したことにより上機嫌となったグラナータは暫くの間、町を散策していた。

と…

「すいません!すいません!本当にすいません!」

何やら、大声で謝る女性の声が聞こえた。

「…?何かしら?ちょっと行ってみましょう。」

グラナータが気になって、声のした方へと行くと、アロハシャツを着て、刀を持った女性が、柄の悪い男二人に謝っていた。

「ごめんなさい!ワザとじゃないんです!」

「てめぇ…!ふざけんじゃねぇ!」

「そうだ!どうしてもって言うなら、誠意を見せなきゃなぁ、誠意をよぉ…」

柄の悪い男の片方は、ニヤニヤとした笑みを浮かべて、手でお金のマークを作っていた。

「っ!治療費を渡したいのは山々なんですけど…お金がなくて…」

「あぁん?金がねぇだと?ふざけんじゃねぇ!」

と、お金のマークを作っている男とは別の方が、女性に向けて拳を振るった。

「っ!?」

殴られた、そう思った女性は身を縮めた。しかし、いつまでたっても痛みはこなかった。何故なら…

「大丈夫?"たしぎ曹長"?」

「あ、貴女は…」

間に割って入ったグラナータにより、男の拳は受け止められていた。

「なっ!?くそ!動かねぇ!」

「なんだよてめぇ!」

自分たちよりも細身の女性に拳を受け止められて男たちは動揺していた。

「う〜ん…、通りすがりの女性かしら?」

「「は?」」

グラナータの謎の回答により、男たちは固まってしまった。

「さて、貴方達この拳を引く気はありませんか?ないなら、このまま捕縛しますが。」

「くっ!………、今日のところは勘弁してやる!ほら!行くぞ!」

「あ、待ってくれよ!」

そう言って二人組は去って行った。

「ふぅ…、なんとか穏便に済んだわね…」

「あの!」

「?」

「ありがとうございます、グラナータ大佐!」

アロハの女性---たしぎ---は、お礼を言った。

「別に良いわよ、偶々通りかかっただけだから。」

「それでもです。それにしても…、何故、グラナータ大佐がここに?G-15支部にいるんじゃあ…」

「えぇ、ちょっと貴女の上司のスモーカー大佐に渡す物があるのでね…、それを届けに来たのよ。」

「成る程、そういうことでしたら、私に案内させてください!」

「えぇ、よろしく頼むわ…」

そう言って、グラナータはたしぎ曹長と共にスモーカー大佐が居る派出所へと向かっていった。

 




クリスマスの番外編をやろうと思いましたが、虚しくなったのでやめました。
独り身って寂しいね!by作者

年内の投稿はこれで終了とします。また来年も宜しくお願いします。

質問、感想、評価などなどお待ちしてます。
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