バシッ バシッバシン!
「ふっ!」
バシーン!
「っぐ…」
カラン…
「ハァ…ハァ、ありがとうございます。カゲル大尉」
「えぇ、こちらこそありがとうございます。」
今しがた竹刀で打ち合った海兵へと礼を返しながら、カゲルは考えていた。
(どうしてこうなった?)
遡る事、一時間前
奥の部屋へと案内されたカゲルは、この派出所の責任者であるスモーカーと相対していた。
「この度、この派出所へと異動することとなった、海軍本部大尉のカゲルです。」
「あぁ…、知ってる。始めに言っておくが、俺はてめぇが気にいらねぇ。」
カゲルの挨拶に対して、スモーカー大佐は少しの睨みを利かせてそう返した。
「……理由を聞いても?」
「簡単だ、何でかは知らんが、てめぇは実力を隠している。本来なら、本部少佐でもおかしくない実力を持っているにもかかわらずだ。」
「……それは過大評価では?」
「いいや、妥当な評価だ。なら聞くが、第153支部に移る前に賞金首を一人仕留めてるだろう?それも単独で。」
「あれは、成り行き上そうなっただけですし、掛けられた賞金も低かったですし…」
「それでも、単独で賞金首を仕留められる奴が、支部の少尉だったなんておかしいじゃねぇか。」
そう返され、カゲルは黙ってしまった。
「ともかく、ここはグランドラインの手前の町だ。今まで見たいに実力を隠したままだと死ぬぞ。」
(…っ!)
「何でもてめぇは死にたくねぇそうじゃないか。実力を出さなければ、その願いは叶わないぞ。」
「……まぁ、そうですね。」
「そこでだ、俺としちゃあ、てめぇの実力を把握しておきたい。俺が指名した海兵数人と模擬試合をしろ。場所はこの派出所の訓練場でだ。あぁ、それと悪魔の能力とかは禁止だ。純粋に剣の腕だけでやれ。」
と、カゲルとスモーカーの間でのやり取りの結果、カゲルは海兵数人と模擬試合をしていたわけである。
バシンッ!
「……参りました。」
『お、おい、コレで6人だぞ。』
『いくら大尉でも、息切れ一つ起こしてないとかあり得ないだろ。』
ここまで6人の海兵と連続して打ち合ったが、カゲルは息切れ一つ起こしてなく、その事に周りの海兵達は恐れを抱き始めていた。
「それで?次の相手は?」
落ち着いた様子でカゲルはスモーカー大佐へと尋ねた。
「そうだな…次はー「私がやります。」ーあぁん?」
次の相手を告げようとしたスモーカーの声を遮って、たしぎが名乗り出た。
「やらせて下さい、スモーカーさん」
「まぁ、どの道たしぎには出てもらうつもりだったからな。構わねぇか?」
「えぇ、構いません。たしぎ曹長の剣の腕は確かですからね。」
カゲルからの返答を貰ったスモーカーはたしぎに目を向け、合図を出した。
コクンッ
たしぎもまた、スモーカー大佐からの目線を受け頷き返すと竹刀を片手にカゲルのいる中央へと躍り出た。
そうして、カゲルの前に立つと竹刀を構えた。
「合図は出さねぇ、てめぇらのタイミングでやりな。」
スモーカーからそう伝えられると、カゲルとたしぎはお互いに睨み合ったまま静止した。
お互い、こう着状態のなか、最初に動いたのは……
続きは明日にでも更新しようと思います。