ー海軍第183支部 支部長室ー
基地内でも一番大きな部屋の中でカゲルはこの支部の支部長である男 ”斧手のモーガン大佐“と相対してた。
「俺は…偉い!そうだな?少尉」
「はっ!その通りでありますモーガン大佐」
「ならば、何故、住民からの税収が少ないのだ?」
「そ、それは…住民にも生活がありますし…今の状態でも、限界と言うか…」
「何だ?俺の行いに意見するのか?」
「っ!滅相もございません!」
「お前の目の前にいるのは誰だ?」
モーガンは威圧を込めた目線をカゲルに向けた
「はっ!海軍第183支部長 斧手のモーガン大佐であります!」
「ならば、さっさと住民から税金を集めてこい少尉。今度は前回の二倍だ」
「っ…分かりました大佐。では、行ってまいります…」
モーガンからの指令を受け取ったカゲルは部屋から退室した。
その後しばらく歩いて処刑場の前を通り過ぎようとした時
「おい!お前、そこで何をやってるんだぁ〜?」
何ともまぁ、腹立たしい声が処刑場の方から聞こえた。見ると、金髪おかっぱのいかにもお坊ちゃんと言う感じのモーガン大佐の息子 ヘルメッポが海兵二人を引き連れて何か揉めているようだった。
「はぁ〜、またあの坊ちゃんか…、今度は何だ?一応、行ってみるか」
カゲルはゲンナリしつつ、ヘルメッポに近づいていった。
「ヘルメッポ様〜、どうしたんですか〜」
カゲルは気の抜けてしまいそうな声でヘルメッポに呼びかけた。
「ん⁈な、何だ少尉か。いきなり声掛けやがって、何だ?」
「いや〜、モーガン大佐の命令で町に向かおうとした所で、貴方が何か揉めているように見えたんでね、ちょいと様子見にってことですわ」
「へっ!なに、ちょいとこの可愛らしい侵入者にお灸を据えてやろうとおもってな」
ヘルメッポは何とも殴りたくなるような薄ら笑いを浮かべつつそう語った。
「ん?侵入者ですかい?」
気になってのぞいて見ると、まだ幼さの残る女の子が地べたにある泥と何かが混ざった塊の前で目に涙を浮かべて
「あたしの…一生懸命作ったおにぎりが…」と、嘆いていた。
「あぁ、この子が」
そうカゲルが納得していると、
「おいおい、泣いちまってよ…それよりこの張り紙を見なかったのか?」
そう言って、ヘルメッポは一枚の紙を取り出した。
「ここには"侵入者は処刑する モーガン大佐"って書いてあんぞ?つまりオレの親父は侵入者は誰であれ処刑するとさ」
そう言うと、言葉を理解して女の子 リカちゃんは顔を青ざめた。
「けどなぁ〜、オレはそんなに鬼じゃないんでね、特別に見逃してやんよ」
(あー、良かった。こんな小さな子を処刑した瞬間に俺、暴れそうだわ)
そうカゲルが安堵していると…
「てな訳だから、少尉、丁度良いお前が投げろ」
「え?いま何と…」
「そいつを塀の向こうに投げろって言ったんだ」
耳を疑ってしまった
「いや…、まだ子供ですし…」
「俺の命令が聞けないって言うのか?親父に言いつけんぞ」
カゲルの胸ぐらを掴んでヘルメッポはそう言った。
「…っ、わかりました」
了承をすると、カゲルはリカちゃんの方へと歩いて行き屈むと耳元で
「…塀の向こう側に誰いる、そいつらに助けて貰って…」
「え?」
呟いた後塀の向こうに放り投げた
「…これで良いでしょうかヘルメッポ様?」
「へっへっへっ、良くやったぞ少尉。んじゃ、任務に戻んな。」
カゲルの行いで上機嫌になったヘルメッポはズカズカと基地に戻っていった。
ヘルメッポが見えなくなるまで待った後に
「あ〜、何だよ親子揃いも揃って!
はぁ、後であの子に謝りに行こう…」
「大変だな、海兵のおっさん」
「ん?あぁ、そー言えば君も居たねゾロ君。ま、仕方ないさ、これがオレの此処での地位だからね」
「それより、あの子は無事なのか?」
「あぁ、それなら塀の向こうに二人くらいいたしね、どっちかが助けたさ。それより、オレは大佐の命令で町に行かなきゃいけないんで、またな」
そう言って手をヒラヒラさせて立ち去っていった。
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