影になりたい海兵(笑)   作:夕千康成

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第4話

--シェルズタウン 町中--

「はぁ〜、今月何回目だよ、この集金に来るのはよ…。あっ、申し訳ありません、税金の徴収です。……御協力ありがとうございます。それと、すいません。私では、大佐に意見できないので…」

カゲルは申し訳なさそうに税金の徴収に回っていた。

「あぁ、こっちにも生活がかかっているんだが、モーガン大佐がいる事で海賊共が近づかないからな…。それに、少尉さん。あんたがこうして集金しながらも謝ってくれるから俺たちゃ、海兵を恐れはするものの、嫌いにはなれんのさ。ま、元気だしな!」

今しがた集金をした八百屋のおじさんに励まされ、カゲルの心は少し軽くなった。

「そう…ですか…。では、まだ仕事が残ってるので私はこれで。」

照れ隠しのため、帽子を目深く被るとその場を後にした。

 

「あんな人がここの支部長なら、この町はもっと賑わっていたのかね…」

その一見頼りなさそうな背中を眺めつつ、八百屋の主人はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「さて…、もう集金は終わったか。

昼飯もまだ食べてねぇしな…。あ、そー言えば、この近くでリカちゃんが手伝いをしているレストランがあったな。謝罪がてらに行ってみるか。」

やはり、罪悪感があるようで件のレストランへとカゲルは向かった。

 

 

 

 

 

 

 

カラン♪カラン♪

「あ、いらっしゃいませー♪あ!海兵のおじさんだ!」

リカちゃんは元気に接客をしていたが、その声に反応して店中の客がカゲルへと視線を集めたが、その海兵がカゲルと分かると何事もなかったかのように食事へと戻った。

「あぁ、リカちゃん。お手伝いご苦労様。悪かったね、さっきは投げてしまって。」

苦笑いをしつつリカの頭を撫でた。

「ううん、だってあのお兄ちゃんがリカのこと助けてくれたから!」

そう言ってリカが指指した席には麦わら帽子を被った少年と丸メガネをかけた少年がこちらを見ていた。

「君たちか…、何はともあれ助かった礼を言う。」

カゲルが礼を述べると麦わら帽子を被った少年が

「いいってことよ。おっさん海兵なのにいい奴だな。」

そう明るく述べた。すると今度は丸メガネの少年が

「えぇ、本当に。この町では海軍が恐れられる対象なのに貴方には誰も怯えてない。きっと貴方がいい人だからかもしれないですね」

と、言ってきた。流石に、これにはカゲルも顔が少し紅くなっていた。

「いや〜、ははっ、照れるな。俺はそんな奴じゃねぇよ」

照れ隠しのつもりか店の奥の席へと座った。

 

しばらくしてカゲルが食事を楽しんでいる時

バンッ!

勢いよく店のドアが開いた

 

「へっへっへっ、おい、酒を持ってこい」

カゲルとは離れた位置から何ともまぁ鼻に付くようなヘルメッポの声が聞こえた。

チラリと視線を向ければ予想通りヘルメッポが御付きの海兵を連れてどかっとソファーに座りテーブルに足を乗っけていた。バレたら厄介な事になるのであらかじめ持っていた外套を羽織った。そして、あの声を聞きたくないので耳栓までして、知らない風を装った。少し経った頃、ドゴン!ガシャーン!とヘルメッポが座っていたであろう席から大音量が聞こえた。見ると、先程の麦わら帽子を被った少年が丸メガネの少年に抑えられながら尻もちをついているヘルメッポへと近付こうとしてた。見ればヘルメッポは頰を抑えており、恐らく殴られたようだ。

その後すぐに、ヘルメッポは何かを喚いて急いで店を出た。大方「親父に言いつけてやる!」とでも言ったのだろう。

「はぁ〜、頼むからモーガン大佐が動くような事するなよ…」

そんなカゲルのぼやきは誰にも聞こえなかった。




次話では時間通り日曜の21時に更新できるように頑張ります…


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