設定思い付いた奴を書き捨てするだけ   作:球磨川べネット

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とりあえずIS編。転生無し。アンチ要素薄目。基本的にギャグ路線。


三人の男性操縦者編  1話目

 『インフィニット・ストラトス』通称『IS』と呼ばれる一人の天災が産み出した宇宙活動用フォーマット・スーツ。当初学会で発表された時は小娘の空想、妄想として嘲られたそのスーツだったが、とある大事件により世界は一変した。

 

 『白騎士事件』。世界中のミサイルがハッキングされ約1千発もの弾道ミサイルが日本に向けて発射。しかしこれを突如現れたたった一騎の謎の『IS』が全て叩き落とした事件である。

 

 この事件を切っ掛けに世界は『IS』の存在を知り、以降活発的に宇宙開発が進められる。事は無かった。世界は『IS』を過酷な宇宙空間を探索する為のフォーマット・スーツではなく、既存の兵器を全て遥か後方に置き去りにする、核に匹敵するクリーンな兵器と認識した。故に『IS』を産み出した天災『篠ノ之(しののの)(たばね)』は世界を見限った。

 

 束はそもそも自分と親友の『織斑(おりむら) 千冬(ちふゆ)』の二人で宇宙を探索しようとしていたのだ。束は別に宇宙資源に興味が有るわけでも、宇宙に移住するつもりも無く、知的好奇心を満たすために宇宙を目指したのだ。しかしそのためには『資金』と『資材』が圧倒的に足りなかった。だからこそ親友からの進言もあり、自らの『IS』の理論を『そこらの有象無象(凡人)』にも理解できる様に人生で初めてかもしれない『気遣い』というものを発揮し、四苦八苦しながらレポートに纏め上げ、学会で発表したのだ。

 

 しかし結果的に束は認識を少し変えただけだった。『そこらの有象無象(凡人)』から『そこらの有象無象(喋るゴミ)』へと。それほど失望したのだ。やれ「あり得ない」だの「科学的ではない」だのと感情的に喚くばかりで理論的な反論すらろくに出来ず、逆に理論的な反論を行えば今度は「社会も知らぬ小娘が」やら「たかが高校生が」といったまたしても論理的とは言えないような反論しか言えない。つまり理論は理解できてもそれを受け入れられない『愚物共』しか居ないのだと。

 

 それから束は手段を選ばなくなった。ハッキングを駆使し、適当な所から『資金』と『資材』をかき集めた。その過程で多数の『他人(ゴミ)』がどうなろうと気にしなかった。

 

 そんな束に対し千冬は少々の苦言を発する程度しか出来なかった。何せ束がどれ程宇宙に焦がれ、『IS』を作ったのかを知っていた。自分の才能が常軌を逸してる事の自覚が有った束が『凡人』にも『IS』の理論が解るように【千冬(ゴリラ)でも理解できるIS理論】を目標に数ヶ月かけて何度も何度も千冬に確認して貰いながらレポートを作成したのを知っている。「これでもまだ理解できないの!?本気でちーちゃんの知能指数ゴリラ並なんじゃない?」とか言われる度にアイアンクローをかけていたお陰か束を持ち上げるのに最も適した手の開き方を身体が覚えてしまった程だ。そして学会でどれ程束が罵詈雑言の嵐を受けたかも知っている。

 

 束が学会で発表する決心を後押ししたのは間違いなく自分だった。自分の親友はこんなにも頭が良いんだからきっと学会で発表すれば凄いことになるだろうという安易な考えを持ってしまった。それが甘かった。だが千冬を責めるのは間違いだろう。何せ彼女にとって束は常に身近にいた。束は『天才』であり、『天才』とは束の様な奴の事を言うのだと思うのも仕方ないだろう。ただ束は『天才』程度には収まらなかっただけなのだ。

 

 しかし、千冬は罪悪感を拭えなかった。故に何も出来ないまま束は無感情で多数の犠牲を産み出しながら『IS』を作り上げた。当然『IS』は"スーツ"なので纏う人物が居ないと動かない。となれば必然的に最初に『IS』を纏うのは千冬であった。そして『IS』を纏い、動いてみた千冬は意を決してこう言った。「実物があれば学会の奴等も考えを改めるんじゃ無いか?なぁ、もう一度だけ世界にチャンスをくれないか?」と。

 

 束は人類の評価を下方修正したことにより、もし学会でもう一度発表しても『兵器』として『IS』を見るだろうと正確に予測出来ていた。しかし親友が罪悪感を抱えていたのも、覚悟を持って自分にこんな提案をしてきたのも察した故に、しょうがないから"束流"のやり方で世界に発表することにしたのだ。それこそが『IS』の"試運転"と"最適化の為の微調整"ついでに行われた大事件『白騎士事件』の真相であった。

 

 そして束の予想通り世界は兵器として『IS』を求めた。束としては「やっぱりな」程度である。既に失望するほどの期待を世界に寄せていなかった束は早急にISを約1000体程作れる量の資金と資源を世界に要求し、受け取った後は【あいえすのつくりかた】と銘打たれた、紙に起こせばたった数枚程度の情報が日本語で書かれてあるメモリーとIS『コア』を467個作り上げ、それらを残して世界から雲隠れした。その二つが束が世界に果たした最低限の義理だったのだ。だが逆に言えば、最低限の義理は果たしたから後は好き勝手やる。という宣言も込めてあったが、その意図に気付いたのは極々一部であった。

 

 千冬は束にもう何も言わなかった。最大限の譲歩をビンタと共に嘲られ、もう一度だけ訪れた最後のチャンスを不意にした世界から逃げる事を止めなかった。しかし束からの「一緒に逃げよう」という提案は蹴った。千冬は束ほど他人に無関心では無かった。故に元凶の一人として世界を見守るつもりだった。束はいじけながらも、不詳不詳ながらも一人で逃げる事にしたのだ。

 

 

 

 『白騎士事件』から1年経ち、ようやっと世界は『IS』の"プロトタイプ"を作り上げる事に成功した。そして個の段階になってようやっとIS最大の欠点が判明したのだ。

 

 

 

 

 

『ISは女性しか乗れない』

 

 

 

 

 

 

 

 その最大で唯一の欠点が世界を変える原因となった。

 

 そもそも、束はこの欠点を欠点と認識していない。勿論女性しか乗れないことなどプログラミングしている時点で気付いていた。しかし元々『IS』を纏う予定が有ったのは自分と、親友と、妹と、親友の弟の4人であり、女性3人、男性1人である。男女共に乗れるようにプログラミングを組み直すのと個別認証で『親友の弟(おりむらいちか)』が乗れるようにする事のどちらが楽か?当然後者である。それにわざわざ男女共に乗れるように組み直す理由も無い。故に女性しか乗れなくとも束的には問題なかった。

 

 もし、もしも学会で発表したときに一人でも認めていたら……或いは『白騎士事件』の後に世界が宇宙用フォーマット・スーツとして運用する流れだったら。束も男女共に乗れるように組み直していたかもしれない。つまり世界がかつて束に吐いた唾がレーザーになって帰ってきただけである。

 

 世界にはどうしようもなかった。この女性しか乗れない欠点はかなり根幹的な部分に関わっていた。つまりブラックボックスに関わりがあったため下手に手が出せなかったのだ。だから世界が変わるしか無かった。その歪みが少しずつ、少しずつ『女尊男卑社会』という異常な社会へとなっていったのだ。

 

 

 

 そして月日は流れる。『IS』による戦闘を禁止する世界的条約が結ばれたり、日本に『IS』について学ぶための学園が建設されたり、『IS』を使った"スポーツ"が確立されその"スポーツ"の世界大会が2回行われたりと言った後の歴史に残る出来事が大小さまざま起こった。正に激動の時代であった。

 

 『白騎士事件』から10年たった現在。

 

 

 

 

 

 

世界で初めて『ISに乗れる男性(おりむらいちか)』が発見された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界は混乱した。10年という歳月は固定観念を育てるのに十分な期間であり、未だにブラックボックスの解明に手こずってる現状を打破する可能性が突如予想外な方向から現れたのだ。これにより10年前の事件の時に受けたストレスにより男性と共に使用率の落ちた毛根の発する光が輝かしい世界各国の政府は更に過剰なストレスを受ける事となり、世界各国で胃薬が一時的に品薄状態となった。

 

 IS学園にて、デスクワークが苦手という事実が職員及び生徒会の全員に知れ渡っている喧嘩が強いゴリラ(織斑千冬)は『寮長室(自分の汚部屋)』にてジャージ姿のまま、塩ゆでした冷凍ものの枝豆とコンビニで買ってきた唐揚げをつまみに昼間から缶ビールを煽りながらスマホの婚活アプリにて結婚活動(無駄な努力)をしていた。するとスマホに着信がかかり、婚活アプリから切り替わった画面には『理事長』という文字が表示されていた。「なぜ内線を使わないんだ?」という疑問を秒で投げ捨てた千冬はスマホの着信に出た。

 

「もしもし。織斑ですが。どうなされましたか理事長」

 

「……………ニュースは見ましたか?」

 

「…?いえ、見ていませんが」

 

「……ではテレビをつけてみてください」

 

「えぇ……解りました」

 

 リモコンを10秒程で見つけテレビをつけると緊急ニュースが流れていた。

 

『繰り返します。え~世界で初めて男性のIS操縦者が見付かりました。その男性の名前は【織斑 一夏】。15歳の青年です。今画面に写っている彼ですね』

 

「…………………は?」

 

 モザイクなし、ピー音無しで実の弟が全国ネットのニュースで晒し上げられていた。個人情報保護法やらなんやらは完全に無限の彼方へポイ(インフィニットストラトス)されていた。

 我が目を疑った千冬はリモコンで他のチャンネルに変えるが他全て(東テレを除く)のチャンネルで個人情報の扱いを含めて放送している内容は同じであった。

 

「………………申し訳ない理事長、どうやら私はかなり酔っている様だ。また後日電話を」

 

「現実ですよ」

 

「………………………………」

 

「………………………………」

 

 千冬には解る。電話の向こうで理事長がアルカイックスマイルをしてるのが。千冬が昼間からビールを呑むことなどいつもの事だ。確かに受験シーズンどころか本来ならIS学園の入試試験の実技テストが行われる予定ではあるが、それでも千冬に対して休みだと伝えたのは理事長本人である。卒業シーズンの時に忙しかった分休んでもらおうと思っていたのも事実である。しかし今現在電話がパンクするほどIS学園へ電話が殺到しているなか悠長に酒を呑んでいたと言われればついイラッ☆としてしまうのもしょうがないだろう。誰も悪くない。全て天災のせいである。千冬は久しぶりに握力のトレーニングをすることを決意した。目指せ四桁。

 

「今写っているのは織斑先生の弟さんで間違いないですね」

 

「……………………………………………はい」

 

 そう、今テレビに写っているのは紛れもなくたった一人の大切な弟である。たとえ3秒程縁を切るか真剣に悩んだとしても大切な家族である。

 

「……3時間後に生徒会室で緊急職員会議を開きます。出来るだけ酔いとアルコールの臭いを解消してから来てください」

 

「はい。解りました」

 

 グッバイ休日。ハロー胃薬。

 なお某ロシア代表の目が死んだ模様。

 

 

 

 

 

 そして『織斑 一夏』が発見されてから数週間後、世界各国で全ての男性のIS適正検査が行われた。なおイギリスでは至るところで『新たに男性の適正者が何人出るか』の掛けが行われていた。

 

 だがこの時日本政府は疲れきっていた。何せ天災の産まれた国であったため、10年前の『白騎士事件』により被害者でありながら世界各国へ対応をせざる終えず、他の国より余程ストレスが凄かった。それにより国会の毛根は悉く死滅し、日本の国旗を頭で象徴する国会などと揶揄される事数知れず、しかし激動の時代をなんとか耐えた日本の国会は、抜け落ちた髪により他国よりも遥かに固い絆でむすばれ、現在世界で最も男性比率の多い国会となっていた。

 しかしこの度日本から『男性のIS適正者』が現れたため、世界各国から「『また』日本か」と言うような文句が多発した。ストレスを毛根(ライフ)で受ける事が出来ない日本の国会は腹痛、胃痛、睡眠不足の三重苦をライフで受けるしかなかった。

 現在世界の胃薬消費ランキングで2位とダブルスコアの差をつけて単独首位を爆走していた。故に他国が適正検査を受ける為の年齢制限をかけていたのに対して日本だけは、『自力で適正試験会場に来れる者全員』を対象にした。その結果天災が意図しなかったバグが日本から2人現れた。

 

 

 

 

 

1人目

佐藤(さとう)小太郎(こたろう)   年齢108歳

 

 大日本帝国空軍に従軍経験有り。特攻隊に所属していたが幸運にも出撃命令が下る前に終戦。

 現在杖無しでの歩行が不可能であり、更に認知症の疑い有り。要介護

 

 

2人目

佐藤(さとう) (まもる)   年齢8歳

 

 後数日後には進級して小学3年生になる予定だった。前述の佐藤 小太郎とは曾孫と曾祖父の関係。

 女性恐怖症とIS恐怖症を患っている。要介護

 

 

 

 

 

 世界は頭を抱えた。データをとれるの実質1人じゃねぇかと。

 日本の国会は既にお通夜の様相を呈していた。ほぼ全員遺書を作成済みであり国会議事堂無いに常に医者と弁護士とお坊さんが常駐していた。なおイギリスでは至るところで『日本の国会で後何日で死人が出るか』掛けが行われていた。とてつもなく不謹慎であった。

 

 この結果を受けてIS学園では全職員と生徒会の介護関係の資格取得が義務となり、全員が受かるまで特別講習と特別資格取得試験が執り行われた。

 会議により三人全員を一つのクラスに押し付け……もとい任せる事に決まり、織斑千冬が自ら担当しようと名乗りを挙げた結果、1-1所属が決まり、副担任の座を巡り、担任クラスを持たないフリーの教師達による壮絶なじゃんけん大会により女性恐怖症特効(山田先生)が担当となった。こうして山田先生は優勝商品の胃薬三年分を獲得したのだった。

 

 

 

 

 

 

 こうして世界が過剰なストレスにより胃薬が1瓶1万の大台に突入するなか、IS学園へ、108歳の高校生と8歳の高校生と15歳の高校生が入学した。




やったね一夏!男性操縦者が増えるよ!!
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