ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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第14話〜新人戦・3回戦〜

スタンドに戻った拓哉は先程、白桜高校の鳴瀬 淳也に言われた事を他のメンバーに伝える。

 

「さっき戦った人が言ってたんだけどこの大会で黒いフリーダムを使うファイターに気を付けろってさ。」

何処かで戦った事のある機体を頭の中で思い浮かべて自分で否定する。

「ん?黒いフリーダム...まさかね。」

 

「おそらくそのまさかでしょうね、今日行くって言ってたから。ホントは連れてきてこの前の事を謝らせようと思ったんだけど上手い具合に逃げられちゃって。」

ごめんなさい、と木乃香に頭を下げられる。

「大丈夫ですって!頭上げてください、ほら3回戦のアナウンスが始まりますよ!」

 

初期に比べて大分人が少なくなり順番が早くなった為早々に呼ばれる。

[第14コートで天ヶ崎高校対洛陽高校の試合を行いますので選手はコートに移動して下さい。]

「奏と安藤くんは機体の修理が終わってないから出せないから部長、分かってるね?」

 

「分かってるわ、と言うわけで沙希ちゃんと城戸くん出番よ!」

「分かりました!」

「わ、分かりました...」

「あぁそうだ、城戸くんのストライクに新装備を付けておいたからぶっつけ本番にはなるが君なら使えると思う。」

 

ありがとうございますとストライクを受け取り、響と沙希はコートに移動し着いたとほぼ同時期に相手方の選手もコートに現れた。

「初めまして、洛陽高校の丸岡 彩って言います。」

「私は白鷺 花音、よろしくね!」

こちらも同じく挨拶を返す。

「天ヶ崎高校の城戸 響です。」

「同じく小川 沙希、です...」

 

挨拶が終わりふと拓哉に言われた事を思い出し相手方を見ると彩と目が合いウインクされると響は思わず目を逸らしてしまう。

ふと隣を見ると笑顔と言う仮面を被った沙希がこちらを見ていた。

「えーと、小川さん?俺なにかしましたっけ...」

「何もないですよ?さぁ行きましょうか。」

「は、はい。」

 

各選手は筐体を真ん中に挟みGPベースをセットする。

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard6,city》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「城戸 響、ビルドストライクセンチネル。行くよ!」

「小川 沙希、G-アルケインフルブラスター。行きます!」

レバーを動かしガンプラを発進させる。

 

今回のステージは、ユニコーンEP4で連邦とジオンが戦っていた市街だった。

 

ゲートを出て近くのビル陰に降り立った響は主武装であるソードライフルのセンチネルソードを動かしてみる。

「動作は問題ない。けど小川さんの機嫌損ねちゃったな。」

(拓哉が相手ファイターの顔も見ないと損だぞなんて言うから)

 

そんな事を思っていると少し遅れて沙希も隣に降り立った。

「ごめんなさい、遅れてしまって...」

「大丈夫だよ、俺もさっき降りた所だから。」

隣に降り立った機体を改めて見ると武装が少し変わっているのに気付く。

機体カラーはオレンジがメインで所々に赤色が入ってるのは変わらずで今回腰付近のサブスラスターが大型化していたのとバックパックにジャイオーンのビッグアームユニットが転用されていた。

 

「機体重量は増しましたけど、スラスターを増設したので移動速度は変わりません。」

「それは良かった、さてと取り敢えず動こうかいつまでも同じ所にいれないし。」

そうですね、とアルケインはサブスラスターを噴かし移動を開始してストライクも置いていかれてはたまらないと脚部ビームスラスターを噴かしついて行く。

そして、移動から少し経ったあたりでビルの上に堂々と待ち構えている機体を発見した。

 

「あれは、零丸のフルアーマー仕様とクロスボーンガンダムx2にフルクロス装備か?」

「そうだと、思います...」

響と沙希を視界に捉えた零丸のファイター彩が通信を入れる。

 

「もしかしてだけどさっき、怒られてた?」

「え?小川さん怒って...」

「な、に、か、言いました?」

「いえ...なんでもないです...」

 

響は沙希の怒っていた理由が分からなかったが、彩と花音は理由が分かっていたのだろう2人してやっぱりかーと笑う。

「なんで怒られてるのか分からないけど、これだけは分かる。ケンカ売ってるんだよな?」

ストライクはセンチネルソードを構えメインスラスターを噴かし突撃する。

「捨てるほど売ってる!」

零丸もビームクナイを構えビルから飛び降り、ストライクと零丸がぶつかり合い激しい火花が発生した。

 

「城戸さん下がって下さい!」

背後から聞こえた声に反応し零丸から離れると入れ替わりでアルケインが零丸に接近してビームピストルを連射する。

撃ち合いに発展しながらも彩が尋ねる。

 

「ねぇ、城戸くんって彼女いないの?いなかったら私貰っちゃおうかな〜案外好みの顔だし。」

この突然の発言に沙希は驚いた様子で

「⁉︎それはダメです!」

アルケインがブースターを噴かし零丸を蹴り飛ばす。

 

「小川さん大丈夫⁉︎ここは俺が...」

一旦離れ体制を立て直してアルケインの援護をする為に戻るが

「いいえ!この人は私がやります!城戸さんは手を出さないで下さい!」

普段の雰囲気からは想像出来ないくらいの強い気迫を感じ大人しく引き下がろうと方向転換をした所で、バックパックから制御スラスター兼実体剣のスラスターブレードを2本アルケインによって抜かれる。

 

「え、俺のスラスターブレード...」

「貴女だけは...落とす!」

ストライクからスラスターブレードを2本強奪に近い形で借りたアルケインは苦手としていた格闘戦で零丸に斬り込んで行く。

その様子を遠くから見ていた響は女性を怒らせると怖いと言う事を改めて思い知らされた。

 

[CAUTION!!!]

零丸とアルケインの戦いに気を取られていたストライクはフルクロスの接近に気付かず至近距離まで迫られる。

「彼女さんが心配なのは分かるけど、今はバトル中だよ!」

「だから彼女じゃないって、確かにあんな子が彼女だったら嬉しいけどさ!」

そして、フルクロスの攻撃を何とかよけ反撃と言わんばかりにバルカンを乱射する。

 

「この朴念仁!貴方周りから鈍いって言われない?」

「言われた事無くもないけど、何で俺は相手に説教されてるんだよ...」

バルカンの発射口をフルクロスにヒートダガーで潰されると今度はセンチネルソードを構えフルクロスを引き剥がした。

 

その様子をモニターで見ていた天ヶ崎メンバーも

「これであいつ気付きますかね、解説の滝沢先輩?」

「いやー気付かないでしょうこれはどうなるか見ものですね、解説の木乃香ちゃん?」

「解説何人いるの...でもまぁ無理でしょうね。相手にも心配されるなんて沙希ちゃんが可哀想になってきたわ。」

エクシアを修復していた翼のみが何も語らず黙々と作業に没頭していた。

 

「まさかこんな所で使う事になるとはね!リアルモード。」

零丸のバックパックが変形し、それが足と腕にくっつきSDの頭部が後ろに移動するとHGの頭が姿を表す。

「変形した⁉︎先に仕留めないと、ファンネル!」

アルケインはソードファンネルを4基射出すると零丸に向かわせるが射程圏内に入った途端、動きを止めた。

 

「なんでファンネル動かないの、まさかNT-D?」

「正解だけど、ユニコーンの改造機なんだから積んでるかもしれないって思っておかないと!これでファンネルは私の思うがまま。」

所有権が零丸に移ったファンネルが沙希に向けて砲撃を開始しアルケインもスラスターブレードを放り投げビームライフルを取り出し応戦しながら徐々に撤退する。

 

その様子を見ていた響はフルクロスを押し込む形でアルケインの方へ誘導し

「小川さんは一旦離れて!ここは俺が引きつける!」

「すみません。」

フルクロスを蹴り飛ばしそばに突き刺さっていたスラスターブレードを抜いて零丸に振り下ろしてアルケインから引き剥がすが背後にビルが迫っていた。

 

「2人を相手にして勝てると思わないでね。」

「蹴り飛ばしたお礼はさせてもらうよ!」

(小川さんをあいつらから遠ざけられたのは良かったけど、どう考えてもこの状況ヤバイな...)

そう思いせめてどちらか片方だけでも道連れにしようとスラスターブレードを構えスラスターを噴かそうとした瞬間、沙希から通信が入る。

 

「響くん!」

初めて下の名前で呼ばれた響は相方の言おうとしてる事を察する。

「分かったよ、小川さん!」

「「これで終わり!」」

前方から零丸が右方向からフルクロスがそれぞれの獲物を構えながらストライクに迫るが響は自身の獲物を正面ではなく右方向にだけ構え少し身を屈めた次の瞬間、どこからかビーム音が鳴り響き零丸の胸部を正確に撃ち抜く。

 

「え、何?まさかあのビルの窓枠から?タイミングがズレてたらストライクに当たってたかもしれないのに...⁉︎」

彩が言い終える前に零丸は爆散し、残されたフルクロスもストライクが振り上げたスラスターブレードによる一撃でムラマサブレードがバキィ!と嫌な音を立てて砕け散った。

 

「なんで彼女をあそこまで信頼出来るの⁉︎試合開始時は険悪な感じだったのに!」

「俺は小川さんを信じてるしあれは俺の未熟さが起こした事故だ!さぁ、散々人をコケにしてくれたお礼はたっぷりとさせてもらうぜ。」

零丸が爆散した事によりファンネルの所有権が戻ってくる。

 

「城戸さん!私のファンネルを!」

「ありがとう!全基砲撃構え!目標フルクロス、フルブラスト!!!」

周囲をファンネルやストライクの射出したドラグーンに囲まれたフルクロスはがむしゃらにストライクに向かってくるがいつのまにかこちらに合流したアルケインによる射撃やオールレンジ兵装によって残っていたABCマントが脱げそれでもストライクに先の折れたムラマサブレードを振り下ろすが、それをストライクはビームダガーを投擲して軌道を逸らすとセンチネルソードを真正面で構え突撃する。

さながらそれはOO2ndシーズンの最終決戦のようだった。

 

「チェストォォォォォ!」

「ちょっとお節介すぎたかな...」

ソードの刀身がフルクロスの胸部を貫通しカメラアイから輝きが失われ天ヶ崎高校の勝利が決定した。

 

[YOU WIN!!!]

スクリーンが溶け彩と花音がバトル中挑発した事を謝罪し響たちもそれを許し後日改めてバトルしようと連絡先を交換する。

「「それじゃ準決勝頑張ってね!」」

「ありがとう!優勝目指して頑張るよ。」

 

響がスタンドに戻ろうと彩たちに背を向け歩き出し沙希も会釈をして追いかけようとした時、彩に呼び止められる。

「沙希ちゃんなら彼と良いペアになれると思うからそっちの意味でも頑張って!」

「...⁉︎あ、ありがとうございます。」

顔から湯気が出そうなほど赤くなった沙希は、その場を離れ響と合流してスタンドに戻る。

 

「ねぇ、小川さんあの時下の名前で呼んだのって。」

どうして、と言い終える前に木乃香に止められた。

「城戸くん、そこから先は踏み込んじゃダメよ?」

「そうだぞ、この朴念仁。」

「何でだぁ!」

木乃香と拓哉に注意され、沙希に助けを求めようとするが沙希は次の試合のアナウンスが流れるまで目を合わせてくれなかった。

 




最近、自分のやってるゲーム達のイベントが重なっていて中々執筆が進まないセルフィアです(笑

新人戦もとうとう中盤が終わりました、後2話で締められるのか少し不安も残りますが次回をお楽しみに!

さて今回の機体紹介は
G-アルケインフルブラスター
武装:ビームライフル、ビームピストル×2、ソードファンネル×6
SP:なし
アルケインの可変機能を完全に捨てる事で、可変による関節の強度不安をなくしバックパックやサブスラスターを大型にする事で機動力の向上を図っている。
ホントは、サブスラスターにフルドレスと同じ機能を付けるはずだったが3回戦には間に合わなかった経緯を持つ。
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