ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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第22話〜もう1機のストライク〜

楽しそうにショップへ入る響と沙希の2人を見つめる影が4つあり

その内の1つ、石川 恵美が唐突に疑問を問いかける。

「木乃香に呼ばれて来たんだけど...これはどういう状況なのか教えてもらえる?」

木乃香の後ろに付いてきていた恵美が状況の説明を求めていた。

 

「えっと、先日城戸くんと沙希ちゃんがデートする事になってそれが今日だったのです。」

「それは分かったんだけど、なんで私は呼ばれたのかな。」

恵美がジトッとした目で木乃香を見るが木乃香は気にせずあっけらかんと言葉を続ける。

 

「だって昨日暇?って聞いたら暇って言ってたじゃない。」

「こんな事になるなら忙しいって言っておけばよかった...」

後悔先に立たずとはこの事かと、恵美は頭を抱えながら他のメンツを見て再び口を開く。

 

「十六夜さんはこういうのには来ないと思っていたんだけど?」

「ホントは来ないつもりだったんだけれども、奏がベランダから侵入してきて出ざるを得なかったんだ。」

「どういう状況なんだ⁉︎」

改めて状況説明を求められ今度は翼が口を開いた。

 

「奏と僕の家が隣同士なのは知ってると思うけど、今朝奏が母親に窓を開けるようにお願いしてたらしくてそれに気づかず布団に包まってた僕をベランダからジャンプして侵入してきた奏に布団を奪われてしまって強制連行と言うわけさ。」

「翼くんのお母さんにも頼まれたんだもの、休みの日にこもってる事が多いから何処か連れ出してあげてって!」

「これを異常と思う私が可笑しいのかむしろこれが普通なのかどっちなんだ...」

 

虚空を見つめ始めた恵美を放置して前方の監視に戻った木乃香だったが、後ろにいた奏が口を開く。

「ねぇ、私尾行するの疲れてきちゃったんだけど〜」

「え⁉︎でもあー、んー...」

(正直のところ最後まで見届けたいけど、結末は沙希ちゃんに聞けばいいかな?)

 

「それなら尾行はここまでにしてガンプラバトルしましょうか!ちょうど4人いるし。」

木乃香の提案に乗った3人は響と沙希の入っていったホワイトベースを尻目にそこから少し歩いた所にあるゲームセンターへ向かい、ガンプラバトルブースへ向かう直前で店員が木乃香に声を掛けた。

 

「お?今井ちゃん、今日は大会無いけど...」

「そんな人を大会クラッシャーみたいに言わないで下さいって、バトルブース空いてます?」

「今なら丁度空いてるよ!使える設定がB〜Cまでだからよろしくね!」

ありがとう、と木乃香達はバトルブースへ向かうと筐体を真ん中に挟みGPベースをセットする。

 

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard2,colony》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「今井 木乃香、ストライクガンダムバンダースナッチ。殲滅を始めましょうか!」

「滝沢 奏、ケンプファー。狩りの時間だよ!」

「十六夜 翼、トールギスIIIイガリマ。さぁ、行こうか。」

「石川 恵美、ガンダムアリオス。目標に飛翔する!」

 

レバーを動かしガンプラを発進させる。

 

「それにしてもなんで私がこんな事に...」

可変形態で出撃したアリオスが牽引用のアンカーにバンダースナッチを掴まらせ移動を開始しながら愚痴を漏らした。

「まぁまぁ、いいじゃない。こうしてバトル出来るんだから。」

「それはまぁそうなんだけど...⁉︎」

 

尚も移動中の木乃香と恵美だったが、直後前方から高出力ビームが迫っておりアリオスがギリギリの所で旋回してバンダースナッチを近くのビルに着地させる。

「あちゃー外しちゃったか。」

「まぁそう簡単に落とせるとは思ってなかったから仕方ないよ。」

木乃香達が射撃位置を特定しその方向を見るとメガライダーに乗ったケンプファーとトールギスが姿を現した。

 

「待たせてしまったかな?」

「いいえ、私達も今来たところだから。さぁ私達のバトル(デート)を始めましょうか?」

バンダースナッチが対艦刀を構え手前に停められていたメガライダーを蹴り飛ばしながらケンプファーに突撃した勢いで対艦刀を振り下ろし対するケンプファーも武装コンテナから重斬刀を取り出し防ぐ。

 

「相変わらず木乃香ちゃんはせっかちなんだから!」

「お褒めに預かり光栄ですよっと!」

対艦刀を押し付けたまま足裏アーマーシュナイダーを展開しケンプファーの腰部装甲を削るがこの展開を読んでいたのかケンプファーも左手に持っていたショットガンで狙撃しバンダースナッチを吹き飛ばす。

 

「さてと、あっちは始めてるみたいだからこちらも始めようか?」

「そうだね。」

可変形態に変形したアリオスがトールギス目掛けて突撃するのに合わせてハイメガキャノンを撃ち込むがビームシールドを展開していたので防がれてしまう。

 

「今度はこっちの番!」

アリオスのビームマシンガンが次々とビル群をコンクリート片に変えながらトールギスに接近する。

「やれやれ、近接戦は苦手なんだけどね。」

 

トールギスがハイメガキャノンでアリオスの足元に撃ち込むが直撃する手前で可変形態に変形して躱されそれを見越していた翼は気にせず続けてビームサーベルをダガーに調整し投擲する。

「前にあの子に食らったからね!同じ手は食わないよ、トランザム!」

一瞬だけ紅い残像と化したアリオスがビームダガーを叩き落とし、トールギスの横に回るとビームサーベルをハイメガキャノンに突き刺す。

 

「ワンセコンドトランザムとはやるね。」

爆発寸前のハイメガキャノンをパージして、代わりにヒートロッドをアリオスの右足に巻きつけ転ばそうとするがアリオスは躊躇いなく自身の右足をビームマシンガンで撃ち潰しヒートロッドから解放される。

「やれやれそう簡単にはいかないか。」

「今日こそは私が勝たせてもらう!」

 

再びヒートロッドを射出したトールギスだったがアリオスはビームローターを突き出し、一区切りごとに切り刻まれヒートロッドの付いているシールドを投げ捨てる。

「ハイメガキャノンとヒートロッドが...」

「十六夜さんのメイン武装は破壊した、ここからは私のステージだ!」

両手でビームサイズを構えたトールギスがアリオスに突撃しアリオスもビームサーベルで応戦しビームサイズとビームサーベルによる鍔迫り合いを続けたが、先に根をあげたのはトールギスだった。

 

「やっぱり近接戦は僕に向かないか。」

「続けて!」

アリオスが残った左脚を蹴り上げビームサイズがトールギスの手元から弾かれ地面に突き刺さる。

 

「どうやらこれは...」

「もらったぁ!」

逆手に持ったビームサーベルをトールギスの胸部に突き刺すとトールギスのカメラアイから輝きが失われその動きを止めた。

 

 

「奏がファンネル使うなんて聞いてない!」

吹き飛ばされた先でケンプファーの武装コンテナから射出された複数のファンネルを避けながら木乃香は嘆いていた。

「そーれ!どんどんいこー!」

追加でファンネルを射出しケンプファーもショットガンで狙撃を行う。

 

「完全に油断してたわ、でも何?この違和感は...」

飛んで来たファンネルの一基を対艦刀で斬り伏せ大型ビーム砲<アスタロト>を起動しチャージ無しで撃てる限界火力でアスタロトを放ち、そのビームの渦に複数のファンネルが飲みこまれケンプファーも避けようとするがショットガンが巻き込まれて爆発してしまう。

 

「今のは危なかったね!危うく落ちる所だったよ〜」

「落ちてくれれば良かったんだけ、ど⁉︎」

直後、機体がダメージを負ったアラームが鳴り響き損傷を確認するとケンプファーのファンネルが狙い違わずアスタロトに突き刺さっていた。

「的確にアスタロトだけをやられた⁉︎奏にそこまでの的中率は無かったはずなのに...まさか!」

 

木乃香は試しにと足裏アーマーシュナイダーを射出するとケンプファー自身は避けようとしたがファンネルがアーマーシュナイダーに突撃し爆発を起こす。

「ねぇ奏?、このファンネルって奏がターゲットを指定すると本体の意思と関係なく破壊するまで追い続けるようにシステムが組まれてるんでしょ?違う?。」

 

「あ、気付いちゃった。そうだよ!オートでターゲットを仕留めるまで動いてくれるように翼くんが作ってくれた<オートファンネル>なんだけど、今の所質量の小さめな奴しか選択できないの。」

そういう事かと、木乃香は納得してバンダースナッチが対艦刀を構え再びファンネルが飛んでくるのに備えるが一向に来る気配がなかったので、アスタロトの潰れたストライカーパックをパージし両手で対艦刀を構えケンプファーに突撃する。

 

「もしかしてファンネルを使い切ったのかしら!」

「正解だよ!でもメインはこっちだから!」

ケンプファーも武装コンテナをパージしコンテナから鉄刀を取り出し突撃してきたバンダースナッチにはパージした武装コンテナをぶつけ動きを止めると鉄刀をバンダースナッチの右腕の根元にねじ込む。

 

「右腕ぐらいあげようじゃない!」

左腕に持ち替えた対艦刀で自ら右腕を斬り落としよろけたケンプファーの背後に回り込みビームサーベルで袈裟斬りに斬り落としケンプファーが2つに分かれ爆散する。

 

バトルが終わり木乃香達はショップの飲食コーナーに移動して木乃香はカフェオレ、奏はクリームソーダ、翼はMAXコーヒー、恵美はブラックとそれぞれの飲み物を飲みながら今日を振り返る。

「久々に燃え上がったわ〜」

「たまにはこんなのも悪くはないかな。」

「またやろうね!」

「次は普通の時に呼んで。」

「分かったわ、それじゃ今日はこの辺で解散しましょうか!」

 

3人と駅で別れた木乃香は自分の家に帰って舞姫のお帰りのハグを華麗に躱すと寝る前の日課をこなし布団に入る直前で大事な事を思い出す。

「沙希ちゃんにどうなったか聞くの忘れてたわ...」

明日学校で聞けばいいかと改めて布団に潜り瞳を閉じると睡魔が来てその睡魔に逆らう事もなく眠りに落ちていった。




更新が遅くなってしまいすみませんでした!
NT(ナラティブ)を見てきました!改めて映像で見るとナラティブガンダムってカッコいいですね(笑 (個人的にはA装備が好きです)

今回、響と沙希のデートを見届ける保護者視点で書き1年生組が1人も出てきませんでしたが次回から新章に進んでいきたいと思います!

今回のガンプラ紹介!
ケンプファー
武装:ショットガン、武装コンテナ×4、オートファンネル試験型×複数、重斬刀、鉄刀、ビームサーベル×3
SP:なし
今回色々と試験を兼ねていたようで、オートファンネルを装備しており普段と違う戦い方で木乃香を困惑させた。
誰かと一緒に戦う時はメガライダーに乗っていくが近接戦に移行する時は基本乗り捨てていく為、相方に操縦を任せることもしばしば。
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