ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale 作:セルフィア
「やっと俺の番かー!」
拓哉の試合が始まった直後、他の筐体でも試合が行われ今か今かと待っていた番号がようやく呼ばれた。
「城戸さん、頑張ってくださいね...!」
「頑張るよ!よーし。」
沙希の応援を受けながら筐体へ向かった響だったが、他の人は既にGPベースのセットが終わっておりスクリーンが投影されていたので誰が一緒かは分からなかった。
(他の人はもう待機状態か、俺も急がないと。)
GPベースとガンプラを筐体にセットしていつも通りスキャンが行われている間に相方になる人に通信を入れる。
「えっと、相方さん?聞こえてるかな?」
「この声、城戸かぁ!」
「うわっ!今井さんか..!」
《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard4,forest》
《Please set your GUNPLA》
音声に従ってガンプラを置く
《BATTLE START》
「城戸 響 ムラマサストライクゼノンフェース!行くよ!」
「今井 舞姫 ラピットロストフリーダム。殲滅を始めようか。」
レバーを動かし機体を発進させる。
今回のステージはビルドファイターズの最終回でセイとメイジンが戦った森林だった。
「もう既に不安しか無いんだけど...」
「それはこっちのセリフだ、よりにもよってなんでお前と組まないといけない。」
響のストライクがゼノンFの要素を組み込んだ為、長時間の飛行が難しくなり地面を走り始めたのに合わせロストフリーダムも低空飛行で合わせてくれたときは以前よりマシになったと思ったが違うようだ。
「さきに言っておく、足だけは引っ張るなよ。」
「な⁉︎それはこっちのセリフだっての!部長とは大違いだなこれは。」
「どうやら最初に仕留めて欲しいみたいだな。」
「上等だ!後で後悔すんなよ!」
その足を止めた2機は言葉が終わると同時に距離を取りお互いに右腕のユニットを起動させる。
「ロスト...」
「ブレイク...」
「「フィンガー!!!」」
黒く燃え上がる手と赤く燃え上がる手がぶつかり合い、周囲の木々に引火し辺り一面が焼け野原になるが構わず殴り合いを続けていた。
「前よりはやるようになったんじゃないか?」
「へぇ、そりゃどうもっと!」
ストライクが左腕のユニットも起動し火球を放ちロストフリーダムがその火球をシールドで弾いた瞬間、違うところから何かが爆発したような音が響く。
「爆発⁉︎もう敵機が近づいてたのか。」
「そのようだな、この決着はいずれ付けようか。」
爆発のした方向へストライクが走り出すと前方からミサイルポッドがあったであろう位置から煙を漂わせている重武装型リーオーが、姿を現し右手の実弾バズーカと共にミサイルポッドからミサイルも数発放つ。
「実弾なんかで俺の動きを止められるもんか!バァァルカン!」
向かってきた先頭の実弾にイーゲルシュテルンが当たった瞬間、実弾が爆発し近くのミサイルに誘爆しながら連鎖式に爆発していった。
「おらぁぁぁぁ!!!」
爆発の煙を散らしながらリーオーに近づいたストライクが脚部ビームサーベルを用いた連撃で重武装型リーオーのシールドを破壊しつつ体制を崩すと今回[天羽々斬]の代わりに持ってきた[タクティカルアームズ極]を大剣モードで抜刀しリーオーの左足を切り落として行く。
「狙いが浅かったか!」
「爪が甘いんじゃない?」
すれ違いざまに舞姫に悪態をつかれ反論する為に横を向くと、そこにはドラグーンによる足止めを行いながらも背部ビームライフルでザンネックのフライトシステムを的確に撃ち抜いていたロストフリーダムの姿が見えた。
「反論できねぇ...」
「続けて仕留めさせてもらう、城戸避けろよ?」
「お、おい。まさか...」
4機が入り乱れる戦場で、ロストフリーダムは一旦先ほどまで攻め続けていたザンネックを蹴り飛ばすと残っていたドラグーンを全て展開してハイマットフルバーストを放つ。
その射線上にいたリーオーはザンネックのビームシールドの陰に隠れてなんとか防いでいたが、当然リーオーと戦闘中だったストライクもおりハイマットフルバーストに巻き込まれそうになるが腕部ビームシールドを両腕で展開し間一髪で防ぐ。
「ゼノンFじゃなかったら即死だよ...」
そうして、ハイマットフルバーストが終了しロストフリーダムの排熱が済んで動き出せるようになった所で響が舞姫に詰め寄った。
「おい!俺ごと仕留めようとしたろ!しかも敵機落とせてないし。」
「生きてたんだから良いだろ...⁉︎避けろ城戸!」
「話はまだ終わって...」
いち早く異変を感じ取った舞姫がストライクを突き飛ばそうとしたが、逆にストライクがロストフリーダムを突き飛ばしたと同時にビームの本流が2機を飲み込んだ。
「お前!どうして...」
「一応相方だからな、けど無事で良かった。」
ロストフリーダムを庇う形で突き飛ばしたストライクはザンネックのビームキャノンによって、右腕が根元から吹き飛びバックパックのタクティカルアームズ極も右側が溶けてしまい使い物にならなくなってしまっていた。
「一応2機とも無事だけど、俺は右腕が無くなって左腕も関節が動かないしバックパックのブースターも逝かれたみたいだ。」
「それなら私に案がある、ロストフリーダムの右腕をストライクに移植するんだ。そうすればお互いまだ動けるだろう。」
「良いのか?ってもう考えてる時間はないな、頼んだ!」
ロストフリーダムが自身の右腕をストライクに移植し何度か腕を回したり握ったりしたが問題なく動いたのでピースサインをとる。
「よし、何とか行けそうだ。俺はリーオーの方に行く、今井さんはザンネックをお願い。」
「了解した、しくじるなよ。」
ザンネックが2発目を放とうとビームキャノンを構える寸前でロストフリーダムがナタを突き刺し暴発、怯んだ所をビームライフルで殴り仰け反らせひしゃげたビームライフルを投げつけ腰から抜刀したビームサーベルで横一線に斬り裂いた。
「行くぞストライク、ここにはお前とロストフリーダムと俺がいる!」
直後、ストライクの足関節がギシギシと悲鳴を上げながらも立ち上がり拳を握ったと同時で重武装パックをパージしたリーオーがビームサーベルを構えブーストを噴かしながら迫ってきたのに合わせストライクも右腕のユニットを展開し迎え撃つ。
「ロストォ、ブゥレイクゥ!!」
リーオーのビームサーベルがストライクの頭部に突き刺さるがストライクの突き出された拳はリーオーの胸部を貫き空に投げると爆発が起きる。
[YOU WIN!!!]
スクリーンが溶け対戦してくれた人と挨拶をして機体を回収しストライクの外れた左腕を探していると突如横から手が差しのばされる。
「探してるのこれでしょ?」
「おぉ、ありがと!って今井さん⁉︎」
「話があるんだけど、ここじゃなんだし場所を変えようか。」
そうしてストライクの左腕を舞姫から受け取り、近くの椅子に移動し腰を落ち着け。
「それで話と言うのは?」
「あーその...」
いつもの気の強さはどこに行ったのか急にしおらしくなり、困惑が隠せない響は頭の中で違う事を考える事にした。
(落ち着け城戸 響、おい頭の中の本能落ち着けって「俺は行くんだよ!」「おい待てよ本能!おら!」ふぅ、ありがとう俺の理性。)
「今までの事はごめんなさい!今回の1件で完全に違うんだなって分かったんだ。今更謝った所で許されないとは思うけど...」
「いやいや!むしろ謝らないでくれ。俺も何回か失礼な事しちゃってたみたいだからさ。」
沈黙が数分続いたのち、会場の方が大きな盛り上がりを見せた所で再び舞姫が口を開く。
「ありがとう、けど次も勝つのは私だけどね♪」
「なに⁉︎次こそ勝つのは俺だ!」
直後、2人は笑い合い出会った頃の険悪な雰囲気はもう見られなくなっていた。
「次は全国大会で会いましょう!」
「おう!舞姫に勝てるよう俺頑張るから!」
響と舞姫が和解しその後も何度か他の人たちと試合を重ねレクリエーションと言う名の楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
令和1発目の28話でお送りしました、セルフィアです!
そして何と5月でBeginning Taleは1年を迎えました、読んでくださった皆様には感謝で一杯です!
自分で声をかける勇気も無いのにコラボをしてみたいというネットチキンですがこれからもよろしくお願いします。
今回のガンプラ紹介!
ムラマサストライクゼノンフェース
武装:ビームサーベル×2、フィンガーユニット×2、脚部ビームサーベル×2、タクティカルアームズ極、イーゲルシュテルン
SP:SEED
以前使っていたゼノンフェースを翼の手により再調整したエクストリームゼノンフェースのパックver。
ビームランスやビームライフルなどストライクを近接特化にする際、取り回しが難しいと思ったものはすべてとりのぞき代わりにタクティカルアームズを装備して世界観を合わせながらも天羽々斬のような大剣にして振り回したりアローモードにして射撃も行う事が出来る。
だが、射撃センスが低いのは変わらずなので滅多に使用する事はない。