ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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第35話〜見る人によっては地獄絵図〜

「石川さんを倒したあの対戦相手!」

「城戸くんどうしたの?」

急に駆け出した響を追いかけた翼を除く木乃香たちがその背を視界に収め声を掛けようと近づくと誰かと話しているのが目に映った。

 

「ねぇ、拓哉くんあの人誰?」

「いや俺も知らないですね...あいつ人の知らない所で女をって小川さん一旦落ち着こうぜ。」

「嫌ですね、安藤さん...私は至って落ち着いてますよ、ふふふ...」

 

「あら、響くんじゃない。奇遇ね。」

「奇遇じゃないですよ何やってるんですか、琴音さん。」

「響くんとイチャイチャしてる彼女をこの手で貫くために来たのよ。」

「え!?いや小川さんとはまだそこまで...は!」

 

「へぇ...その彼女は[小川]って言うのね。覚えたわ、そろそろ次の試合発表もあるでしょうしまた後でね?」

そう告げた琴音は、先程からこちらを見ていた木乃香たちを一瞥し沙希と目が合うとふっと微笑み観客席へ消えて行った。

 

「何だったんですかね?」

「沙希ちゃんを見てた感じだったけど...」

「あれ、部長たちどうしたんですか。」

奏と拓哉がこちらを見てきた琴音の様子について話していると少し遅れて響が帰ってきたのでちょうど良いと木乃香は問い詰める事にした。

 

「城戸くん!さっきの人は...」

「えーと、あれはその〜母の妹の旦那さんのそのまた姉の娘でして自分の従姉妹で昔からやたら面倒を見てくれるですよね、昔は一緒に遊んだり寝たりしてました。」

「ね、寝て...⁉︎」

 

昔の話だからー!と、沙希に必死に説明してある程度落ち着きを取り戻した所次の試合発表のアナウンスが鳴り響く。

[第17コートで天ヶ崎高校対洛陽高校の試合を行います。選手はコートへ移動して下さい。]

 

「戻ってる時間ないですよ!?」

「えーい!こうなったら奏、行くわよ!」

「まっかせて、それじゃ行ってくるー!」

観客席に戻ってくじ引きをやる時間が取れず木乃香が奏を指名し、コートへ駆け足で向かい対戦相手である洛陽高校の選手と挨拶を交わした4人が筐体を真ん中に挟みGPベースをセットする。

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard1,space》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「今井 木乃香、ストライクガンダムバンダースナッチ。殲滅を始めましょうか!」

「滝沢 奏、ケンプファー。狩りの時間だよ!」

 

レバーを動かし機体を発進させる。

 

今回のステージは、月面基地だった。

 

ゲートから出て近くの足をつけられる所に降り立った木乃香たちだったが早速バンダースナッチのアスタロトがチャージを始めており

「取り敢えずあの基地を吹き飛ばせば良いのかしら?」

「相変わらずエゲツない事をさらっと言うよね...」

 

「まぁまぁいいじゃない、吹き飛びなさいアスタロト!」

木乃香の言葉が終わったと同じぐらいのタイミングでアスタロトのチャージが終了し最大出力で悪魔の口からSEED特有の赤と白のビームが放たれ、前方にそびえ立っていた月面基地が跡形もなく消え去ったが相手方の機体は見当たらなかった。

 

「あれ?いなかった...」

「ダメだったね、代わりに仕掛けられてたのか分からないけどミサイル飛んできてるし...」

バンダースナッチが逆噴射をかけて後方に下がると、代わりに前に躍り出たケンプファーがコンテナからガトリングを取り出し片手で薙ぎ払うように撃ち続け1つ残らず撃ち尽くした辺りでガガガと突っかかる所を見つける。

 

「そこ!」

突っかかった所にミサイルを3発放ちすぐさまビームライフルを撃ち込み爆発させ、その際の衝撃で敵機体の光学迷彩が剥がれその姿が露わになった瞬間相手方から通信が入った。

 

「そのストライク、もしかして貴女がこの周辺の大会を潰して回ってるって噂の大会クラッシャーですか?」

「何処で聞いてきたの!?」

「その別名については否定しないんだ。」

 

木乃香の別名について話していると、突然アラートが鳴り響きバンダースナッチ・ケンプファーの前にいたジェスタが現れた可変機に飛び乗り飛び去っていった。

「あのバックパックはライトニング⁉︎」

「違う!あれジムスナイパーにフライトユニット付けてる!」

「「追いかけるよ(わ)!」」

 

飛び去った方角へ見失わないように適度に距離を取りつつ追いかけるとちょうどコロニーの搬入ゲートから中に入って行ったのを見つけ、その直前で立ち止まる。

「恐らく待ち伏せなんだろうけど、いつも通り突貫しよ!」

「がってん!やられないでよ?」

 

お互いにね、とコロニーへ入った2人を待ち受けていたのはジェスタとジムスナイパーによる射撃兵装のオンパレードだった。

「やっぱりね!ドラグーン!」

ケンプファーの武装コンテナから射出されたプロトドラグーン8基が打ち出されていたミサイルを誘爆させ、ビーム兵装をビームシールドで防ぎ役目を果たしたドラグーンを足場にバンダースナッチが跳躍する。

 

「次は私の番ね!」

跳躍したバンダースナッチが砲撃形態のままクールタイムに入っていた2機の間に割り込み対艦刀を振りかざし、ジェスタの左腕を斬り伏せジムスナイパーの方にも振るがこちらはタッチの差でクールタイムが終わって可変形態に移行されてしまい避けられてしまう。

 

「1機逃した!」

「そっちは私が!」

再び飛び去ったジムスナイパーをケンプファーがバーニアを吹かし追いかけるのを見届けると改めてジェスタの方を向き

 

「もう片方の腕も貰いましょうか?」

「流石は大会クラッシャー...!」

「閃光弾!?」

対艦刀をサンライズパースで構え今にもバーニアを吹かして突撃しようとしたバンダースナッチの目の前にジェスタが苦し紛れの閃光弾を投げ距離を取ってくる。

 

「逃すものか!」

「早い!?」

距離を取ったジェスタがライフルをこちらに撃ち込んで来るがバンダースナッチは体制を低くぐっと踏み込みジェスタの懐に潜り込むと、そのままの勢いで対艦刀を振り上げ突き出していた右腕をライフルごと斬りとばす。

 

「逃がさないって言ったよね?」

「この人怖い!」

逃げようとしていたジェスタに向けバンダースナッチの左腕に装備しているパンツァーファウストが射出され、左脚に喰い込むと木乃香はこれを思いっきり地面に叩き伏せる。

 

「これが私の実力よ!」

最後の抵抗と言わんばかりのシールドミサイルをシールドごと対艦刀で斬り落とし、返す刀でジェスタを真っ二つに斬り払い爆発が起きる。

 

「貰った!」

「右側のコンテナが!」

可変形態のジムスナイパーと撃ち合いを続けていたケンプファーだったが、ライフルによる一撃で右側のコンテナの1つが撃ち落とされてしまい

体制が崩れたケンプファーが近くの廃ビルに顔面から突っ込んだ。

 

「これで落ちたかな...」

可変形態を戻し太もものホルスターからビームピストルを抜き慎重にケンプファーが突っ込んだ廃ビルに近づいた瞬間、銃声が鳴り響き右手からビームピストルが弾き飛んでいた。

 

「まだ落ちて...⁉︎」

「ないんだよ、これがね!」

ビームピストルが弾き飛んでから少し遅れて後方へ下がろうとしていたジムスナイパーの胸部にケンプファーのコンテナが衝突し、体制の崩れたジムスナイパーにトドメを刺そうとケンプファーがビームサーベルを抜き斬り伏せようとしたところで突如ケンプファーのビームサーベルが弾かれてしまう。

 

「えっ?」

「勝負はこれから!」

残っていた片方のビームピストルを投げ捨てたジムスナイパーがビームサーベルを抜いて突きを繰り出してくるのをギリギリのところで避けながら機体分析をしてみる事にした。

(まずゴーグルが赤くなってるしEXAMだよね、ってこれメイジン対レナート兄弟そのままじゃん!)

 

若干テンションが上がっていた奏だったが、視界の端に先程落とされたコンテナを見つけ

「あれは...よしやってみよ!」

「なんだ逃げるの!」

近くに落ちていたビームピストルを拾いガトリングで牽制しつつ残っていたコンテナをそのまま射出しジムスナイパーにぶつけ先程、撃ち落とされたコンテナの所へ射出されたコンテナを斬り伏せたまさか誘導されているとも思わなかったジムスナイパーを誘い出しコンテナの横へ滑り込む。

 

「さっきのコンテナ!?誘導されて...」

コンテナに格納されていたパンツァーファウストを全弾撃ちだし、先程逃走する際拾っておいたビームピストルで起爆させるとケンプファーはビームピストルを投げ捨てショットガンに持ち替えブーストを吹かし突撃する。

 

「よいしょー!」

パンツァーファウストの爆発による煙をビームサーベルで薙ぎ払って散らした矢先、視界の先にケンプファーが迫ってきておりビームサーベルを振りかざすがその直前でブーストを切ってズサァと懐に潜り込んだケンプファーがショットガンを押し当て引き金を引き胸部に風穴を開けた。

 

[YOU WIN!!!]

スクリーンが溶け対戦してくれた洛陽高校の2人と挨拶を交わし観客席へ帰ると木乃香たちは驚愕の場面を目の当たりにする事となる。

 

「城戸くん...」

「うわぁ、沙希ちゃんの目がこわーい...」

何故なら響の右の席には先程出会った女性、笹原 琴音が響の肩に頭を寄せていてその左側には沙希がなにかを言いたそうな目で響を睨んでいた。

「誰かこの状況を何とかして...」

響を中心にしたこの地獄みたいな状況は次の組み合わせ発表まで続いたそうな。




まだ暑い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか、私は仕事以外では部屋に篭り作品に出す機体作製に精を出しております。

地区予選と言う名の響修羅場編、果たして響は沙希を守りきれるのでしょうか。

今回のガンプラ紹介!
ジムスナイパーⅡ[フライトユニット装備]
武装:ビームライフル×2、ビームキャノン×2、ビームサーベル×2、ビームピストル×2、3連ミサイル×2
SP:可変形態、EXAM
今回木乃香と奏が戦った洛陽高校のメンバーの機体。黒色のジムスナイパーⅡにライトニングのフライトユニットを装備し、脚部をライトニングに換装する事で可変形態を得た。
可変を封じられた際の切り札でEXAMシステムを搭載しておりビームサーベルによる突き攻撃を得意にしている。
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