ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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第38話〜その覚悟の先に〜

アナウンスを聞きコートへ移動しようとしていた響たちを翼が呼び止めた。

「さっきの試合映像を見たんだけど彼女の機体、アストレイベースで君と似たようなタイプだ、そこでこの前のあのシステムを使えるようにしたからここぞって時に使ってくれ。」

 

「ありがとうございます!俺、行ってきます。」

「心構えはバッチリだな!さぁ、行こうぜ相棒!」

「城戸さん、頑張ってください...!」

「おう!小川さんも行ってくるね。」

 

駆け足気味でコートにかけた響たちを涼しい顔で琴音と龍馬が待ち受けており、琴音が口を開く。

「やっぱり勝ち上がってしまったのね...」

「琴音さん、このバトルに勝って貴女に証明します。俺の覚悟ってやつを。」

「そう、なら私はその覚悟とやらを叩き潰して私なしではいられなくしてあげる。」

 

「笹原先輩、その言い方だと多少どころか大きく語弊があります...」

「確かに、えっと岡田だっけか?の言う通りだ。けどな、勝つのはウチの響だ!」

筐体を真ん中に挟んだ4人はGPベースをセットする。

≪Battle Damage level set to A≫

 

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard1,space》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「城戸 響、ムラマサフルアイギスストライク!押して参る!」

「安藤 拓哉、ダブルオーガンダムセグエンテ!飛び立つ!」

 

レバーを動かし機体を発進させる。

 

「なぁ響、そういやあの盾は使用できるようになったのか?」

「ん?あぁ、翼先輩が組み込んでくれたらしいんだけだ今のままだと放出量が多すぎて粒子量が足りなくなって使えないんだよな...」

「成る程な、確かに初めて使った時SEED発動状態にもかかわらず粒子切れで負けたもんなぁ。」

 

「それでこの盾が付いてるんだけど、アブソーバシステムの劣化版で回数が決まってるらしいんだよね。」

新しく翼から付けてもらった盾を何度か開閉を行い動作に不備がないのを確認した響たちの画面にアラート通知が鳴り響いた。

「やっと来たか。拓哉、いつも通りにな。」

「いつも通り、にな。分かってるって。」

 

「あら、遅れてしまったかしら?」

「いえいえ俺らも今来たとこなんで。」

「あの子との関係を継続したいのであれば私に勝って証明してみなさい。」

「琴音さん...俺、貴女に勝ちます!」

直後、先頭のアストレイグリーズとムラマサフルアイギスストライクがブーストを噴かしながら加速しそれぞれの獲物をぶつけ合う。

 

「くっ!この腕タイタスか⁉︎」

「軽いわ、打ち合ってるのか不安になるくらい。」

「言わせておけば!行け、シールドドラグーン!」

ムラマサフルアイギスストライクから射出された6基のシールドドラグーンは不規則な軌道を描きつつアストレイグリーズの周囲を取り囲むが、次の瞬間逞しい追加腕から元のタイタスについていた肩部のビーム剣山がシールドドラグーンを4基ほど貫かれていた。

 

その光景に一瞬だが揺らいでしまったムラマサフルアイギスストライクの右肩を思いっきり右ストレートで殴られ弾き飛ばされるが、残っていた2基のシールドドラグーンを足場に体制を立て直しビームダガーを投擲する。

「こんなもので私の動きを止められるとでも。」

「これで良いんだっ!拓哉!」

「任せろ!ダブルオーガンダムセグエンテ、目標を狙い撃つ!」

 

ダブルオーガンダムセグエンテが両手に持った2丁のビームライフルで連射するかと見せかけて、片方だけ最大出力で撃ち放す。

最大出力で放ったビームライフルが反動で弾かれるが、防御のために掲げられたビームシールド発生器を撃ち抜き体制の崩れたアストレイグリーズの追加腕の手首をもう片方のビームとビームダガーが貫いた。

 

「笹原先輩、援護する!一の型、蒼龍烈火!」

「その攻撃は一度見た!拓哉は前に行け、ソウルプリディジョンシールド!」

「なんじゃぁ⁉︎」

ムラマサフルアイギスストライクが右腕のシールドを前に掲げるとそのシールドの口が開き、スサノオから放たれた蒼い炎はシールドに吸収され消え失せる。

 

「炎をエネルギーに変換したのか⁉︎」

「ぶっつけ本番だけど、上手くいって良かったな...」

蒼い炎を全て吸収しその粒子がムラマサフルアイギスストライクのエネルギーに変換されるとそのままビームライフルを選択、至近距離からスサノオに向け乱射する。

 

「厄介な盾だな!」

「そりゃどうも!」

撃ち出されたビームを斬りながら後退せざるを得なくなったスサノオを追撃していく。

 

「おっと、あの2人の所へ行く前に俺と遊んでもらおうか!」

「邪魔ね...」

スサノオとムラマサフルアイギスストライクの攻防に加わろうとしたアストレイグリーズの目の前に、GNバスターソードを携えたダブルオーガンダムセグエンテが立ちふさがりブーストをかけて突撃する。

 

ビーム剣山を展開したアストレイグリーズの飛び膝蹴りに対してガードするが思いのほかの質量にGNバスターソードが根をあげヒビが入ってしまう。

「あぁ⁉︎嘘だろ?」

「響くんよりは重いけれど...」

 

ヒビの入ったGNバスターソードを投げ捨て、再びビームライフルを両手で構え撃ち込むと狙い違わずビーム剣山に当たるはずのビームは残っていたビームシールドに防がれる。

続けてビームサーベルを抜き二刀流で斬り込んでいこうとしたがモニターを見た拓哉は

 

「おっと、時間かアンタの相手はこれまでだ!」

「目くらまし...」

追加腕の拡散ビームによる攻撃にダブルオーガンダムセグエンテが手に持っていたビームライフルを投げつけわざと爆発させ、その隙にその場を後にする。

 

「最初からこうすりゃ良かったんだ!」

「そういや、GN機体だったなスサノオは...」

ビームライフルによる追撃をしていたムラマサフルアイギスストライクだったが突如思い出したかのように張られたGNフィールドに苦戦を強いられていた。

 

なんとか攻撃を試みるが一向に通らず逆にGNフィールドを貼ったままのスサノオにタックルを受け吹き飛ばされ小惑星に激突する。

「拓哉にも似たような事をされた気がするな...って姿勢制御が⁉︎」

「これでしまいじゃ!」

 

激突した衝撃で体制の崩れたムラマサフルアイギスストライクの頭上からスサノオが日本刀を振り下ろそうとするが唐突にビームダガーが目の前を通過していった。

「悪りぃ響、コイツの相手は俺に任せてくれ。」

「拓哉お前...」

 

やられる、そう思った響の目の前に現れたのは武装の半分以上を失っていたダブルオーガンダムセグエンテだった。

スサノオの日本刀を残っていた大型ビームソードで弾き、そのままグッと踏み込みGN粒子を放出しながらスサノオと鍔迫り合いにもつれ込む。

 

「笹原先輩を相手によくその程度で済んだな。なら...」

「あぁ、正直やられると思ったけど何とか。それじゃ...」

「「始めるかぁ!トランザム!」」

紅い残像を残しながらそれぞれの獲物をぶつけ合った2機が、行く手を阻む戦艦やMSの残骸を粉砕しつつ再度斬り結んだ。

 

「スピードとパワーは互角か?」

「らしいな、けどここから先は一方通行だ!トランザムエクスプロージョン!」

両肩のGNドライヴから放出されているGN粒子が増幅し翼の形を形成して、スサノオを吹き飛ばし戦艦の残骸を蹴り付けながら加速し大型ビームソードでスサノオの右脚を斬りつける。

 

「クソ!けどここでやられてたまるか。参の型、桜雪一閃!」

「な⁉︎粒子変化だぁ⁉︎」

すれ違いざまに振られた斬撃をギリギリの所で躱したダブルオーガンダムセグエンテだったが、大型ビームソードとGN粒子による翼が右側は凍りつき左側は桜へと姿を変え砕け散っていった。

 

しかしすぐ翼が展開したのを見た拓哉は安堵する事なく固唾を飲んだ。

(今のはまぐれで躱せたが次は確実に胴体を突いてくる...なら俺が取るべき行動は!)

「相打ち覚悟か⁉︎」

「相打ちだ?それはどうだろうな!星屑と化せ、エクスプロージョンノヴァ!」

 

方向転換したダブルオーガンダムセグエンテがスサノオ目掛けブーストを噴かし、今もなおトランザム中のスサノオが両手の日本刀を一つに重ねこちらを迎え撃つがそれよりも早く両肩から勢いよく放出されているGN粒子が右腕に収束、構えた右腕で思いっきりスサノオの顔面を殴りつけ弾き飛ばされたスサノオから爆発が起きる。

「はぁはぁ、これでどうだ...けどもう動けねぇな。後は任せたぞ相棒。」

遠く離れた所で自身と同じく戦っているであろう相棒に想いを託すとカメラアイから輝きが失われ動きを止めた。

 

「しつこい男は嫌われるわ。」

「リアルではしつこくないんで!多分だけど...」

アストレイグリーズによる3本腕の連続攻撃を右腕のソウルプリディジョンシールドと左手に持ったトリアイナで捌いていた。

しかし、ここでトリアイナが音を立てながら砕けてしまう。

 

「守ってるだけじゃ勝てないよな...」

残った部分をラックに戻しビームサーベルを振りかざしビームシールドを斬り伏せると、追加腕の関節に突き刺しイーゲルシュテルンで爆発させる。

「私のこの機体をここまで壊したのは響くんたちが初めて。けど、そこまでね。」

 

未だ乱射しているイーゲルシュテルンの発射口を頭部を鷲掴みにする事で握りつぶしそのまま宙に漂わせ全身のビーム兵装を展開、突撃の構えを取っていた。

「この一撃を止められるものなら止めてみなさい。」

「さっきのアブソーバでギリギリだけど、溜まってるから行けるか⁉︎SEEDからの全てを守りし理想郷(オールガーディアスアヴァロニア)。」

[SEED system standby。Remaining until the time limit of 180 seconds。]

 

アストレイグリーズの全身から展開しているビーム兵装によるタックルを受けるため響はスロットからSEEDを選択、更にそこから[SPシールド]へと繋げるとSEEDによる蒼い粒子の翼がソウルプリディジョンシールドに流れ敢えてアブソーバに飲み込ませて吸収しきれなかった分が溢れ出し折りたたんだ翼のようなビームシールドが形成され目の前のアストレイグリーズに叩きつけた。

 

「盾で殴ってくるなんて...」

「俺は!盾でブン殴る!」

ビームラリアットをビームシールドで相殺し、そのままの勢いでビームキャノンを撃ち放ち左腕を消しとばした所で想像していたよりも早くSEEDが終了する。

[SEED終了、粒子の消費を抑える為ビームの出力を制限します。]

 

「今のストライクにビーム兵器はないからちょうど良い!」

SEEDの終了した今では重荷でしかない盾をパージし腕部装甲を纏った拳と振り出されていたアストレイグリーズの本来の拳がお互いの頭部に直撃する。

だが、大型化した脚部のお陰でアストレイグリーズが踏ん張りを見せるがムラマサフルアイギスストライクの方はよろけてしまう。

 

「これで終わり。」

「届くか⁉︎」

よろけて膝をついたアイギスストライクの眼前にビーム剣山を展開したアストレイグリーズが迫り何か逆転の手は無いかと辺りを見渡した響の視界に入ったのは...

 

「これが、俺の覚悟だ!」

「たしかに受け取ったわ...」

アストレイグリーズのビーム剣山はムラマサフルアイギスストライクの頭部を突き刺し、先ほど手に収まったトリアイナの穂先は胸部を貫いていた。

 

[YOU WIN!!!]

 

スクリーンが溶け戦い抜いた響たちが観客席側に振り返るとその試合を見ていた人たちから拍手が起こり、前方から琴音と龍馬が歩み寄ってくる。

「安藤くん、今度またリベンジさせてもらっても良いですか?」

「それは良いんだけど、さっきとキャラ違くないか。」

 

拓哉と龍馬が握手を交わしているのを横目に改めて琴音を見る。

「おめでとう、響くんたちの勝ちよ。それと、沙希さん?との交際も認めないといけないわね。」

「え、俺まだ小川さんと付き合ってない...」

「嘘でしょ?紫織から聞いてた話と違うじゃない。」

「もしかしてこんな事になったのって、紫織ねぇの仕業かぁぁぁ!」

 

その後、授賞式を終えた響たちの地区予選は優勝という形で幕を下ろしたのだった。




地区予選決勝を今回お送りさせていただきましたセルフィアです!

今回で地区予選が終了して次の章から全国大会へと移り変わり、メンバーの覚悟もこれから変わってくると思うので引き続きBeginning Taleをよろしくお願い致します。

今回のガンプラ紹介!
ムラマサフルアイギスストライク
武装:ビームライフル、ビームサーベル×2、ビームキャノン内蔵ソウルプリディジョンシールド、シールドドラグーン×6、ナックルガード×2、トリアイナ
SP:SEED
地区予選1回戦で損傷したムラマサストライクに調整中だったアイギスストライカーを装備しそれに加えムラマサストライカーの武装も追加した最終決戦仕様で以前、拓哉たちとの練習試合で顕現したビームシールドを翼が調整し組み込んでおいたものを本番で響が攻撃にも転用して殴りかかった。
本来はサテライトキャノンなどの高出力ビームに対抗するためのものだが...
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