ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale 作:セルフィア
「なんか今漢字が違ったような気がしたんだけど、気のせいですかね。」
「気のせいって事にしましょう、いちいちツッコミを入れてたら切りが無いわ。」
響が沙希に事の真相を訪ねていた直後、その横で拓哉と木乃香が話していたが聞こえていなかったのか沙希は言葉を続けていた。
「私のお父さんが剣道の師をしてまして...剣の腕を磨きたいって事なら...」
「それは是非お願いしたい!いつなら都合良い?」
「確か土曜日がお父さん休みだと思うので、確認次第私の家に来てください...」
「ありがとう!助かるよ!」
あまりの喜びに沙希の手を握り感謝の言葉を拓哉たちから止められるまで言い続けた。
そして旅行から帰宅し時は流れ土曜日のお昼ごろ
「ここが小川さんの家か...隣に剣道場が併設されてるから間違いないよな?よし...」
響がインターホンを押しピンポーンと音が聞こえたかと同時に階段を降りるような音と誰かが言い争っている声が聞こえ、身構えていると玄関のドアが開きそこに現れたのは。
「ようこそ。君が城戸くんだね?」
「そうですけど、えっと?沙希さんのお父さんですか?」
「そうだ。名は小川 権八郎という。話は聞いているよ、上がってくれ。」
「お父さん...!城戸さんごめんなさい...」
「全然大丈夫。それじゃお邪魔します。」
先ほどまで権八郎の後ろにいて見えなかった沙希を改めて見ると家着だったので心拍数が上がるのを感じながら進められた席に腰を落ち着けたのは良いが、何故か目の前に権八郎が座っていた。
「単刀直入に聞くが、君は沙希と付き合っているのかね?」
「お父さん...!きゅきゅ急に何を言い出すの⁉︎」
ストレートで聞かれ答えようとした響を遮り沙希が権八郎の口止めを図ろうと勢いよく目の前に立ち塞がっていた光景に驚きながらも腰を上げる。
「あらあら、随分賑やかね。後お父さん少し落ち着きましょうか。」
「真美。だがここで聞いておかな...⁉︎」
いと、話し終える前に真美と呼ばれた沙希の母によるボディーブローが権八郎のみぞおちに直撃し倒れ込んでいくさまに響は目を見開く事しか出来ず。
しかし、うずくまっていたのもほんの一瞬で顔を上げるとある程度落ち着いたのか腰を落ち着けていた。
「話が逸れてしまったな。申し訳ない、それでその要件と言うのは?」
「だ、大丈夫です...それでですね。」
「なるほど、以前の戦いで自分に足りなかったところの修行の一貫としてガンプラバトルにいかすため剣術の訓練がしたいと。それで俺の所へ来たのか。」
「は、はい。修行をつけて頂ければなと。」
話を一通り聞いた権八郎は手元にあったお茶をぐいっと一気に飲み干すと正面に響を捉え。
「よし!可愛い一人娘の頼みだ引き受けよう、と言いたいところだがセンスのない者に教えた所で時間の無駄だそこで俺は君にガンプラバトルを申し込む。」
「お義父さん、ガンプラバトル出来るんですか⁉︎」
「出来るぞ。ここ最近大会には出ていないがこの周辺で知らぬものはいなかったレベルのな。」
そこから話し合い稽古を付けるかどうかはガンプラバトルしだいとなり小川家と響は近くのガンプラショップに足を運び権八郎が店主と軽く何か会話を交わしバトルブースへ向かうと電源をつけ筐体にプラフスキー粒子が充填される。
「ちなみにルールは一般ですか?」
「いや、特殊ルールだ。君は武装を全部使ってくれて良いが俺は太刀一本のみだ。
「ハンデありすぎじゃないですか。」
「安心すると良い、元から俺の使用武器はバックパックを除けば太刀1本のみだ。射撃武器は使わん。」
「バルカンもですか?」
「それは勿論、バックパックの特殊機構も使わん。さぁやるぞ。」
「あぁ、えっとはい...ねぇ小川さん。」
「...何も聞かないで下さい。」
筐体を真ん中に挟んだ2人はGPベースをセットする。
≪Battle Damage level set to B≫
《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard4,sity》
《Please set your GUNPLA》
音声に従ってガンプラを置く
《BATTLE START》
「ムラマサフルアイギスストライク、城戸響。推して参る!」
「アストレイブラックフレームD、小川権八郎。出る。」
今回のステージは以前、響が未来と戦った市街ステージだった。
ゲートから飛び出したムラマサフルアイギスストライクが砂煙を巻き上げながら地面に降り立つと、前方から同じように小川 権八郎の愛機アストレイブラックフレームDが降り立っていた。
「黒い...アストレイ。」
「かっこいいだろう、本来の武装は全て取り払っている。」
改めて響が見ると、確かにバックパックに何かしらついていたであろう痕跡等が見受けられ手持ち武器は先ほどの宣言通り太刀1本のみ。
言葉を続けようとした響だったが権八郎が制止し、太刀を構えいた。
「会話は終わりって事か。よし、行きますよお義父さん!」
「貴様にまだお義父さんと言われる筋合いはない!」
ブーストを利用した振り上げで勢いよく振るった天羽々斬はアストレイブラックフレームDの大した力を加えていないような太刀に受け止められ蹴り飛ばされる。
(その距離から振りかぶるのか⁉︎届かないだろ...⁉︎)
「って伸びるかよ...」
アストレイブラックフレームDの振りかぶった太刀は今のままでも当たる事は無いと判断していた響だったが、次の瞬間ムラマサフルアイギスストライクのソウルプリディジョンシールドに横一線に亀裂が入っていた。
「多少狙いが甘かったか。次は外さん。」
「どうなってるんですかね⁉︎実体剣だよな⁉︎」
改めて確認したソウルプリディジョンシールドはアブソーバ部分が使用不能になっていたのみだったので、ビームキャノンを撃ち放ちアストレイブラックフレームDを着き放す。
「行けよ!シールドドラグーン!」
ムラマサフルアイギスストライクの両翼からシールドドラグーンが6基射出され不規則な変動を描きながら周囲を取り囲み、次々とビームを撃ち込んでいくが迫り来るビームをアストレイブラックフレームDはその手に持った太刀で切り刻んでいた。
「めちゃくちゃだな!」
「おかしな事を言うな?以前沙希が嬉しそうに見せてくれた動画の君はドラグーンのビームを避けながら落としてたじゃないか。」
「え⁉︎あそう言えば落としてたわ...」
姿勢をグッと低くしブーストを噴かしながら分割していた右手の天羽々斬を振り下ろし敢えて躱させると左手の天羽々斬を横から薙ぎ払うと流石に避けきれなかったのか太刀で受け止めていた。
「ふむ、狙いは悪くない。だが甘い!」
「3段突き⁉︎」
以前響が戦った龍馬の剣技[蒼龍烈火]に似ていると思ったがその突きよりも技のキレがありなおかつ素早いその明らかに人間業ではない高速突きを、トリアイナを用いギリギリのところで捌いていたが右肩のスラスターを貫通しよろけた事で最後の突きを運良く回避できイーゲルシュテルンを乱射し距離を取る。
「さぁ君の全力を見せてくれ!」
「行きますよ!SEED!」
[SEED system standby。Remaining until the time limit of 180 seconds。]
蒼い残像を残しながらアストレイブラックフレームDの周囲を高速で建物の屋上を蹴って旋回しつつ、ビームサーベルを振り下ろして行くが権八郎はそれが全て見えているかのように一太刀一太刀的確に裁かれていた。
「ほぅ、中々悪くない剣筋だが攻撃に規則性があるな。」
「バレてる⁉︎けどこれならどうだ!」
振るった腕とバックパックの翼から溢れた余剰粒子がいくつかの形を形成しながら次々と向かいアストレイブラックフレームDが太刀で斬り落としていったが数が多く捌き切れなかった粒子ビットが背部ウイングに突き刺さる。
「ぬぅぅ!中々やるではないか。」
「まだまだこんなもんじゃないですよ!」
先ほど射出した粒子ビットが3重のプラフスキーパワーゲットを展開しトリアイナを投擲する構えに入った瞬間、一番最後に張ったプラフスキーパワーゲートにアストレイブラックフレームDが突っ込んできていて何より響が驚いたのは若干とはいえSEED粒子を纏っていた。
「俺のパワーゲート⁉︎」
「驚く事はないだろう、同じSEED機体だ。」
「そういう事なのか...?後で翼先輩に聞いてみないとってそんなことよりも!」
「バックパックが分離して...⁉︎」
「行けよ、ムラマサフルアイギスストライカー!」
2重のパワーゲートを通過し加速したムラマサフルアイギスストライカーが蒼い粒子を纏いながら正面から同じようにパワーゲートを通過したアストレイブラックフレームDに衝突、機首となっていたソウルプリディジョンシールドは衝撃でひしゃげてしまったが太刀をへし折ることには成功しストライクの元へ戻り再び操作権をストライクへ戻す。
「出し惜しみなんてするものか!」
「なんとぉぉぉ⁉︎」
残っていたビームサーベルを頭部目掛けてダガーにして投擲すると中心からへし折れた太刀で弾くが、続けて2本投擲し捌き切れなかった1本が右肩に突き刺さった所で天羽々斬を上空に向けて掲げ背中に展開していた翼が刀身に収束して行く。
「誰が縦振りだけだって言ったぁ!
「よもや...」
縦に構えていた天羽々斬を振り下ろす直前で強引に横振りに変更、正面から来ると判断していた権八郎が横に回避しようとブーストを噴かした所で背後から
[YOU WIN!!!]
スクリーンが溶けて機体を回収した響たちは近くのカフェでティータイムを決めこんでいた。
「いやぁ、負けた負けた!沙希から聞いていたより良い戦いっぷりだ。」
「ちょっとお父さん...」
「ホントですか!嬉しいです!」
「それでだな...負けた俺が言うのもなんだが最初の話通り全国大会までに君を鍛える、で良いのだろうか。」
「という事は試練は合格ですか?」
「勿論合格だ!明日からよろしく頼む。」
「よろしくお願いします、師匠!」
「今の君からなら師匠じゃなくてお義父さんでもと言いたいが...」
先ほどまでの元気が打って変わって急に静かになり目線だけ泳いでいたので目線の先を見ると、真美と沙希が顔は笑顔だったのだが冷たい視線で権八郎を射抜いていた。
「と、取り敢えず明日からですね!」
「そうだな!うん...今日の夜は食べに行こうか、城戸くんも来なさい。」
「え、でも折角の家族団欒が...」
「城戸くんが来てくれたら沙希も喜ぶわ、ねぇ?」
沙希の方を向くと顔を赤らめながらも頷いていたので意を決して。
「い、戴きます!」
「決まりだな。さぁ焼肉食べに出発だ。」
全国大会まで残り1ヶ月。
あけましておめでとうございます!
新年いかがお過ごしでしょうか、私は沙希の新型を組み立ててたり友達とカラオケに行ったりしてました(笑
沙希の新型は後バックパックを考えれば完成なので今月中には完成すると思います。
今回のガンプラ紹介!
アストレイブラックフレームD
武装:実体鎌デスサイズ、長距離射程ビーム砲×2、アーマーシュナイダー
SP:なし
小川権八郎の使用する機体でアストレイブルフレームをベースにデスティニーのバックパックを組み込み粒子の消費を抑えるため、実体鎌デスサイズを本来であれば装備していた。
今回は太刀のみだったが通常の戦い方は距離が離れていれば長距離射程ビーム砲2門でなぎ払いつつバックパックの翼を展開し高速接近して鎌を振り下ろすというほぼほぼ一撃離脱戦法を得意としている。