ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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Another story 4〜今回スナイパーは剣士スタイルで行くそうですよ〜

「ムラマサストライカーを貸して欲しい?それはまたどうして...」

「実は...」

つい先日、行きつけのゲーセンに足を運んだ沙希がいつも通りガンプラバトルブースへ向かうとこの前来た時は無かった張り紙を見つける。

 

[大乱戦専用バトルフィールドでのバトルロイヤル、君は勝ち抜けるか!]

というキャッチフレーズの入ったポスターだった。

(以前、2人を相手にしただけで城戸さんが来てくれてなかったら確実にやられてた...それに私に足りないのは近接戦闘能力も足りなかった...)

 

「これは参加するしかなさそうですね...」

そう思った沙希の足は当日受け付けも可能だが登録は先にしておいた方が良いと考え、受け付けカウンターに足を運ばせていた。

「それで近接戦闘の訓練も兼ねてイベントに参加しようと。」

「はい、そういうわけなんです...」

 

先ほど沙希から受け取ったチラシを机の上に置きつつ「それなら」と尋ねてみる。

「乱戦と近接の訓練がしたいなら俺がNPCモック率いて相手になろうか?」

「お気持ちは有り難いのですが、知っている人だと気持ち的に緩んでしまいそうで...」

「そっか、分かった。はい小川さん。」

「ありがとうございます、それではムラマサストライカーお借りします...」

 

その場でムラマサストライクからムラマサストライカーを外し沙希に手渡しこちらもその場でG-アルケインフルブラスターに組み込んでいた。

「おや?このチラシは...」

沙希が置いていったチラシを翼が手に取り何か考え事をしていたのを尻目にそのまま帰宅すると時は流れイベント当日。

 

[ルールは簡単!制限時間までバトルロイヤルを戦い抜いてもらい残った上位3位の方にステキな景品をお渡しします!それでは行きましょう、ガンプラファイトォォォ?レディィィゴオォォ!]

≪Battle Damage level set to B≫

 

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard,Guiana》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「小川 沙希、G-アルケインムラマサ。い、行きます!」

レバーを動かし機体を発進させる。

 

今回のステージはバトルロイヤル用のイベントステージ、ギアナ高地だった。

 

ゲートから飛び出したG-アルケインムラマサが石ころを風圧で吹き飛ばしながら地面に降り立つ。

「ここから南に行くと川があって...」

と、そんな事を考えていると唐突にアラームが鳴り響き山の上部から落石が落ちてくるが沙希は冷静にムラマサストライカーのビームキャノンを起動し粉砕させる。

 

「急に何...?あれはドラゴン...?」

「ふはははははは!お前あれを粉砕したな?なら俺と戦え!」

粉砕した落石の陰から頭部にドラゴンの頭のようなものを被ったジムが姿を現した。

 

「えっと...なんて言えば良いんでしょうか...」

「俺の名前は橋本!この岩を落として粉砕したやつと戦うと決めてたんだ、いくぞ!」

「随分と好戦的な人ですね...」

そうして、ドラグナイトジムがビーム鉤爪を展開し引っ掻き回してくるのをG-アルケインムラマサも天羽々斬を抜き耐えながらスキを見て斬りはらう。

 

「なんかお前のその剣、あわねぇな。本来の持ちもんじゃないだろ?」

(バレてましたか...けどこれも作戦内!)

天羽々斬を分割して持ち二刀流でブーストを噴かし突撃すると、誘いに乗ったドラグナイトジムのビーム鉤爪が振るわれる。

 

「ははは!こいつコケてやがる!」

「ーーーー!」

ビーム鉤爪がG-アルケインムラマサの胸部を引き裂こうとした瞬間、ムラマサストライカーとG-アルケインが分離しビーム鉤爪が空を斬る。

 

「自立式のストライカーだぁ⁉︎」

「これで終わり、です!」

空を斬った事で前のめりになったドラグナイトジムの上空からムラマサストライカーが急降下しながらビームキャノンを撃ち放ち2本のビームが貫き爆発が起こる。

 

「城戸さんの戦い方を見てて良かった...」

再びG-アルケインを動かしムラマサストライカーも装備し直しその場を後にしようとブーストを噴かそうとしたところ、前方から物凄い勢いで黄色のデュエルが向かってきたので何事かと天羽々斬を構えていた沙希だったが何やらオープンチャットで悲嘆の声を上げていた。

 

「なんだよあの赤黒のストライク!ビーム斬りながら迫ってくるし近くにいたダブルオーもストライクが落とし損ねたのを的確に狙い撃ってくるしよぉ⁉︎」

「ストライクとダブルオー?それって...」

天羽々斬をひとまず戻し再びビームライフルに持ち替えブーストを噴かしながら、先ほどのデュエルが向かってきた地点へ向かうがその場には既に誰もおらず戦いの後のみが残っていた。

 

「腹部に拳で開けたような穴...こっちは胸部を的確に撃ち抜かれたであろう穴...⁉︎敵襲⁉︎」

更に確認しようと中心地に歩き出した瞬間、左前からザクⅢが顎部メガ粒子砲を放ちながら迫っており作業を一時中断しビームサーベルを抜いて突撃する。

 

「右⁉︎ビームピストルは間に合わない...⁉︎」

「チェストォォォ!」

左側のザクⅢにビームサーベルを振り下ろした所で、右側からクロスボーンガンダムx2が迫るがG-アルケインムラマサに触れる間も無く胴体に風穴が空き爆発を起こす。

 

「小川さん大丈夫⁉︎」

「は、はい...でも城戸さん何故ここに?」

「お二人さん話は後回しだ、まだ来るぞー」

「援護は2人に任せた!ばぁくねつ!ブレイクフィンガー!」

グラディアトルストライクのフィンガーユニットが紅く輝き背中のタクティカルアームズ極を展開、ブーストをかけ前方に陣を取っていた複数のグリモアを1機ずつ貫きながら数を減らしていく。

 

その横からグラディアトルストライクを撃ち抜こうとビームライフルを構えていたトールギスに向けて拓哉のダブルオーガンダムセグエンテがGNメガランチャーを撃ち放ち尚もまだ落とせずにいる機体を沙希が対艦ビームライフルで撃ち落とす。

 

「なんでこんな集まって来てるんだ?」

「そりゃこんだけ爆発起こしてれば集まってくるだろうよ!」

「えっと、なにかすみません...」

「「小川さんは悪くない(ねぇ)!!」」

そうして数分が経過した頃、目に見える限りの機体を落とし息を整えていたところモニター右下の残存数カウンターを拓哉が眺めていた。

 

「お?残り5機か、俺と響と小川さんと2機だな。」

「それなら話は早い、仕留めに行くか!」

「そうですね...」

ブーストを噴かし残った2機を探していると突如アラームが鳴り響きミサイルやビームが纏まって向かってきていた。

 

「そっちから来てくれるなんてな!拓哉、小川さん!」

「そうは言ってもこう弾幕が激しいとな...」

「私も隙を作るのが...」

「無限に続く弾幕なんてないはずだ、止む隙を作るための盾を出す!タクティカルアームズ!」

[タクティカルアームズ極!シールドモードオンステージ!ハハァ!]

 

何処かで聞いた機械音声が流れた後展開されていたタクティカルアームズ極が盾モード(実体剣)に変形するとそのまま地面に突き立てビームの集中放火にさらされながらも、3機を守りきったタクティカルアームズ極は爆散しその爆発に巻き込まれ体制を崩したグラディアトルストライクを庇うようにダブルオーガンダムセグエンテとG-アルケインムラマサがビームライフルを連射し敵機を遠ざける。

 

「俺がコイツを抑えるから小川さんは右のアレを!響はさっさと空中に待機させてるやつにパック換装してこい!」

「「了解(です...)!!」」

ダブルオーガンダムセグエンテが大型ビームブレードをG-アルケインムラマサが天羽々斬を両手で構え目の前のジオングとフルアーマーガンダムに斬りかかり、グラディアトルストライクはタクティカルアームズ極を失ったパックをパージし上空に浮かばせていたバンダースナッチストライカーに換装してブーストを噴かし舞い戻る。

 

「城戸さん、それって木乃香さんの...」

「この前小川さんにムラマサストライカー渡した後、部長が持って行けっていうから。気を取り直して、さぁ殲滅を始めようか!」

「おい、言葉まで影響受けるな。」

直後、フルアーマーガンダムとジオングのフルバーストをダブルオーガンダムセグエンテのGNフィールドで防ぎその横からアスタロトを起動したバンダースナッチストライクからビームが放たれフルアーマーガンダムをシールドごと飲み込んだ。

 

「よっし!まず一機、続けていく!」

ジオングの拡散ビーム砲を所々当たりながらでも回避し、ジオングの右腕を斬り落とし対艦刀を地面に突き立て腕を組み土台の構えを取り

「小川さん飛んで!」

「踏んで良いんですか⁉︎」

 

「機体の方ね!リアルの方は...」

「おっとそこまでだ!人の前でイチャイチャすんじゃねぇ!」

G-アルケインムラマサが天羽々斬を肩に担ぎつつバンダースナッチストライクの腕にジャンプ、そのまま腕を振り上げ宙に舞い正面から袈裟斬りに斬り落とす。

 

「これで終わりか?」

「いや、それならもう終了のアナウンスが流れるだろ。」

「それに加えてここはバトルロイヤルステージ...」

沙希の言葉が終わる前に聞き慣れた音声とは違うブザーが鳴ると突如地面がひび割れそこからネオ・ジオングが姿を現した。

 

「あん?なんだありゃ。」

「バトルロイヤルステージ専用NPC、シナンジュ内蔵ネオ・ジオングですね...残り時間10分になると自動投入されると噂の機体です。」

「まだ終わりじゃないのか。でも俺たちの相手じゃないな拓哉、小川さん。」

「わぁってるよ。」

「行きましょう...」

 

「殿は俺たちに任せて!行けるだろ?」

「当たり前だ、足を引っ張るなよ。」

「「トランザム(SEED)!!」」

[SEED system standby。Remaining until the time limit of 180 seconds。]

突如姿を現したネオ・ジオングの両脇から紅を纏ったダブルオーガンダムセグエンテと蒼を纏ったバンダースナッチストライクがそれぞれの獲物を振り下ろし、アームユニットを斬り伏せた。

 

「そんなメガ粒子砲でトランザム中のセグエンテを捉えられるもんかよ!」

返す刀で右肩のメガ粒子砲にビームサーベルを突き立て爆発を起こすともう片方にビームダガーを投擲しこちらも使い物にならなくする。

 

「上半身の武装はほぼ潰した、行ってこい!」

「行くよ小川さん!」

「はい!」

最後の抵抗と言わんばかりの腹部メガ粒子砲が放たれたそれをバンダースナッチストライクのSEED粒子ビットで相殺、シナンジュの正面に近づくとビームサーベルを振り回してくるがその腕ごと対艦刀で斬りふせる。

 

「「はあぁぁぁ!!!」」

シナンジュの左右を陣取りG-アルケインムラマサが天羽々斬をバンダースナッチストライクが対艦刀を振り下ろしシナンジュを斬り落とすとコアユニットであるシナンジュを失ったネオ・ジオングが地面に崩れ落ちた。

 

[YOU WIN!!!]

 

[優勝は城戸響さん、安藤拓哉さん、小川沙希さんの3人だぁ!会場の皆さん熱いファイトを見せてくれたこの3人に盛大な拍手をお願い致します!]

その後、優勝商品の中から3人は思い思いの物を受け取り大会は幕を降ろした。

 

「城戸さんと安藤さんはどうしてここに?」

「あーえっとね、優勝商品欄に翼先輩が前に欲しかったなって言ってたガンプラがあっていつものお礼を兼ねて取りに来た感じ。」

「ちなみに俺は響の付き添い。」

 

「そう、だったんですね...あ、私こっちなのでお先に失礼します。」

「「お疲れさん(様)、また学校で!」」

色々と日常を終え近々行われる予定の旅行の準備をしなければならないのを思い出し服から詰め始めた所で、作業していた手を止め机の上に置かれていた箱を手に取り中に入っていた物を見る。

 

「このペンダント、城戸さん気に入ってくれると良いのですが...」

先ほどの大会で沙希が手に入れたものは本来の目的の二の次と考えていた大会告知ポスターの優勝商品に含まれていた三日月型のペンダントだった。

 

(温泉旅行から帰ってきたらこれを渡してちゃんと想いを伝えないと...!)

手に持ったペンダントを旅行行きのカバンに移し替え旅行の準備を終えると3日後の旅行に期待を寄せベッドに潜り込んだ。

まさか旅行がそのような事を伝えられるような状況でなくなるとも知らずに。




久しぶりのAnother storyは沙希をメインにした回でした!
補足ですが、木乃香と響はちょくちょくストライカーパックを交換していたりしています。

次回は本編に戻る予定ですのでこれからもよろしくお願いします!

今回のガンプラ紹介!
ドラグナイトジム
武装:ビーム鉤爪(両腕)、テールユニット、頭部内蔵メガ粒子砲
SP:可変機構
Another story序盤に登場した機体、製作者の希望的な戦い方は可変形態を取りビーム鉤爪で引き裂いたり距離が離れていればテールユニットで貫いたり頭部内蔵メガ粒子砲を撃ち放す等なのだがファイターが近接戦闘を好む為あまり使われる事はなかった。
時々、思い出したかのように使われた事もあるがそれどころか可変機構をなくしてもっと近接武器を増やせとオーダーされているらしい。
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