ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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第46話〜喫茶ステラと鏡の国のアリス〜

「全国大会まで残り半分を切った所で申し訳ないんだけど、明日の土曜日は私休んでも良い?」

「息抜きも必要だろうから問題はないよ。」

「信用されてる?とはいえ理由を聞かれないのもアレだし私、友達の喫茶店を手伝いに行くのよ。」

 

「「「言いたかったのかな...」」」

一同のツッコミを聞かなかった事にした木乃香は言葉を続ける。

「んん!ともかく大会まで調整は怠らないしやれる事はやるつもり。良かったら来てね。さ!と言うわけで今日は解散しましょうか。」

 

「既にお店のURLがLINEで送られてきてる...」

独り言のように呟いた響は部室の隅っこの方にあるゴミ箱にちょうど飲み終えたココアの缶を投げ入れた。

 

そして時は流れ土曜日の正午ごろ

 

「さっきのバトルは惜しかったなぁ。」

「そうか?可変機体の練習したいからって翼先輩からファランクス借りたは良いけど最終的に可変しなくなってたし最後ヤケクソで可変形態を取ろうした所を撃たれてただろ。」

「最初渡した時から3ヶ月以上経っているから乗りこなせるようになったかと思ったんだけどね...」

 

「翼先輩その悲しそうな顔やめてくださいよ!次こそは...!」

木乃香が働く事になっている喫茶店近くの駅周辺のゲーセンで響、拓哉、翼の3人はガンプラバトルをしており最後に行った試合が悲しい結果となっていた...

 

「そう言えば翼先輩、滝沢先輩は?」

「あぁ奏は[私ちょっと沙希ちゃんと用事あるからー!]って事さ。でもそろそろ着くみたいだよ。」

相変わらずの仲の良さを見せられた響の後ろで拓哉が何かを言おうとしていたがそれよりも早く沙希の声がしそちらを向く。

 

「お待たせしました...」

「あ、小川さ...ん?」

振り返った響が目にしたのは髪型がツインテールでオフショルダーの服をきて少し恥ずかしそうな表情を浮かべていた沙希とその後ろでこのコーディネートは私がやりましたと言わんばかりの奏の姿だった。

 

「変、でしょうか...?」

「いや!そんな事ないよ!バッチリ似合ってる!うん!」

「響、一旦落ち着け?相手が知らない人だったら通報もんの顔してるぞ。」

「いやだってさ...小川さんの服見てみろよ、いや見ないでくれ。」

「どっちだよ...確かにオフショルダーの服を着てくるとは思ってなかったけどな?」

 

「拓哉教えてくれ、俺はこれからどういう顔をして小川さんと話せば良い?」

「普通に話してくれ。ここで気持ち悪くなると俺はもうお手上げだ。」

そうして何事もなかったかのように店内に入りやはり居ても違和感のない木乃香を一同で眺め、予め用意されていた席に着く。

すると木乃香が手配していたのであろう人数分のパフェを持って女性が現れた。

 

「紹介するわね。この人が...」

「初めまして!私がこの喫茶ステラオーナーの結城 星菜です。今日はゆっくりしていってね。」

せっかちな性格なのか木乃香の紹介を遮りそれだけ言い残すと接客のため席を離れていった。

 

「「美人だ...」」

響と拓哉が声を揃えて発した言葉に若干1名を除いてあちゃーと表情をとっておりその若干1名と響が後日遊びに出かけたのだがそれはまた別の話で、

店主は喫茶店の名前の通りガンダムSEED destinyに登場したステラにそっくりだった。毎週日曜日は店主とバトル出来る日でファンが押しかけるらしく木乃香曰く搭乗機体はオレンジカラーのガイアインパルスらしい。

 

「このパフェ美味しいな。あ、小川さんイチゴ好きだったよね?はいあーん。」

「ふぇ⁉︎あ、あーん...」

「どう?美味しい?」

「お、美味しい、です...」

「そっかぁ!良かった。」

その光景を見ていた拓哉、翼、奏、木乃香の4人は2人に聞こえないように後ろを向きながら当然の疑問を投げかけあっていた。

 

「あの2人って付き合って...」

「ないっすよ。あいつは意識すると出来ないけど無意識だとあれを平気で出来るんです。」

「朴念仁って言葉使うときがきた?」

「間違えてはいないけど...」

と、ここに来て入り口から見て奥手の方がなにやら賑わっていた。

 

「なんか騒がしいな?」

「ホントですね...」

「いーじゃねーか、俺らとガンプラバトルしようぜ?」

「私まだバトルできないんです!もうやめてください!」

「そんな固い事言うなよぉ。俺らが教えてやるし絶対に楽しいからよぉ。」

 

どうやら客の数人がウェイトレスの女性にガンプラバトルの誘いをしており筐体があるから出来るのだろうが声を掛けていた人は入ったばかりの新人でガンプラバトルはまだ出来ないらしかった。

「時々あぁいうのがいるらしいのよ。さて、用心棒兼ウェイトレスとして行ってきましょうか♪」

「部長、用心棒だったんですか...?」

「そ、なんか嫌な予感がするから来てって言われたからね。」

 

それじゃ行ってくるわね、と騒ぎの中心へ歩き出した木乃香の後ろを心配になった響たちもついていき。

「お、こっちの姉ちゃんも可愛いな。俺らとガンプラバトルしない?」

「お褒めに預かり光栄です。良いですよ、ただメンバーが足りないので後2人選出させていただくのと私たちが勝ったらお店から出て行って貰っても良いですか?店長から許可も頂いてますので。」

 

「良いぜ?俺たちが勝ったら外にデートしに行く条件でな!」

「おいアンタら...」

「良いのよ城戸くん、私たちに任せといて。奏、翼くん行ける?」

「んん?大丈夫だよ!」

「行けるよ。」

「これなら問題ないでしょう?」

 

「問題ねぇけど、負けてからやっぱり無しですは無しだからな!」

「約束は守るわ。貴方たちも負けたらこのお店から出て行くの忘れないでね?」

そうしてお店の中心にある筐体を真ん中に挟み各員GPベースをセットしていく中、翼が拓哉に声を掛けていた。

「あぁそうだ。拓哉君に渡す用の武装なんだけど試運転がまだだから今回ちょっと試させてもらっても良いかな?」

「はい!むしろお願いします!」

 

≪ Damage level set to B≫

 

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard4,sity》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START》

「今井 木乃香、ガンダムバンダースナッチ。殲滅を始めましょうか!」

「滝沢 奏、ダハック!狩りの時間だよ!」

「十六夜 翼、AGE-3セグエンテ。さぁ行こうか。」

 

レバーを動かし機体を発進させる。

 

今回のステージは既に人々が地球を捨て宇宙に居を構え放置された東京だった。

 

「うーん。相手の1人が近くのビル群をバカスカと倒してるんだけど、これって誘ってるよね?」

「そのようだね...偵察用に飛ばしたキャプチャービットが敵機の姿を捉えた瞬間に映像が途切れたから考えなしの馬鹿集団ではないようだ。」

「それに加えてその映像から見るに、ソードシルエット装備のエクストリームと頭部にシールドがくっ付いているエクストリームこれがキャプチャービットを撃ち落としたやつね。そして最後の恐らくビルをなぎ倒しているであろうこれは...」

 

改めて送られてきた映像を見てみるが紛れもなくガンダムSEED destinyに登場したゲルズゲーなのだがそこに収まっていたのはこれもまたエクストリームだった。

「SEEDよりかと思いきやクロスボーン要素も入れててまぁエクストリームガンダムだからありっちゃありなのかしらね?」

「どうだろうね。とにかく1番の問題はゲルズゲーエクストリームと見た。奏、あれは突破できそうかい?」

 

「メガライダーかイガリマで来てれば行けたかもだけど、ダハックだと高火力による制圧砲撃とかのの攻め手がないから無理そう⁉︎」

ここに来て痺れを切らしたゲルズゲーエクストリームがSEED特有の一機落とすには十分な量のビームを撃ち込まれ木乃香たちが隠れていたビルが倒れその倒れた時の風圧で飛ばされてしまう。

 

「時間だ。あれを落とすのは部長に任せるよ。それじゃいつも通りに。」

「分かった!そしたら...」

「各機散開!」

「おや、部長。方向を間違えてないかな?」

 

そう言った木乃香は右側のソードエクストリームへ奏が左側のシールド付きエクストリームに向かって行ってしまったため、仕方なく翼は目前のゲルズゲーエクストリームを相手することになりGNランチャービット2基を射出しながらビームサーベルを振り下ろす。

 

「冗談よ。けどちょっとだけ面倒見てくれない?」

「ホント部長の冗談は冗談じゃなかったね...」

交戦中のソードエクストリームと幾度か鍔迫り合いを繰り広げたガンダムバンダースナッチは左腕のパンツァーアイゼンをソードエクストリームに押し付けそのまま射出、突然の事に対応出来ずなんとかパンツァーアイゼンのワイヤーを切断した頃には離れたとこにいたAGE-3セグエンテの近くにまで押し出されていた。

 

「やれやれ、少しの間だけゲルズゲーエクストリームとソードエクストリームは引き受けたよ。」

「翼くんごめんなさいね。高火力ビーム兵装[天照]照準、ゲルズゲーエクストリーム。ここで撃ち落とすわ!」

「ありゃスターゲイザーの...⁉︎」

周囲の異常に気付いたゲルズゲーエクストリームが交戦中のAGE-3セグエンテのビームサーベルを弾き飛ばしながら兵装を展開しているガンダムバンダースナッチに接近するが気づくのがほんの数秒をほど足りず...

 

今もなおビームシールドを展開しているゲルズゲーエクストリームの下半身に向け出力を一点のみに絞った[天照]の一撃は2重ビームシールドをいとも容易く突破し動力炉を貫いた。

「僕が目の前にいるのによそ見とは。」

「早いな⁉︎」

 

動力炉が爆発を起こすその直前で脱出したエクストリームに気を取られたソードエクストリームを見逃さなかった翼は、GNビームサーベルを抜きバーニアを吹かしながら接近しすれ違いざまに左腕を根本から斬りとばしそのまますり抜けていく。

 

「えぇ!私そっちが良いんだけど!」

「俺がいんのによそ見なんてすんなよな!」

先ほどの翼と同じ台詞をまんま返され多数のミサイルがダハックに放たれるがアームの4本を前面に展開し勢いよく回転、即席のビームシールドを作り直撃コースは外す事に成功する。

 

「Gセルフみたいな動きしてるな!いや、同じGレコ機体だから良いのか?」

「自分で言って落ち着かないでよ...」

なんだか調子狂うなぁと思いつつも続けて放たれようとしているミサイルの発射口にその辺に落ちていたビルの破片で叩きひしゃげさせシールド付きエクストリームガンダムが爆発に巻き込まれまいとビームサーベルで切断し蹴り飛ばす。

 

「奏、気を付けてね!」

「木乃香ちゃんこそ気をつけるんだよ!あ、翼くんもだからね!」

「善処する。」

そう言いながら翼はGNビームサーベルの代わりにサイドアーマーから2丁のGNビームガンを引き抜きガンガタの構えで乱れ撃つ。

 

「そこについてる肩のコーンは飾りかぁ!」

「あいにくだけどGN機体じゃないからトランザムは出来ないんだ。」

「は!このままぶった斬ってやるよ!」

「それは困るな。武装のテストがまだ終わってない。」

 

そう自信満々にダメージ量の少ないGNビームガンによる射撃を物ともせずフラッシュエッジを振り下ろしたソードエクストリームの一撃を肩のGNフィールドで防ぎ、勢いよく振るったGNビームガン(サーベルモード)をフラッシュエッジの基部に当て弾き飛ばす。

「小賢しい手ばかり使いやがって!」

「お褒めに預かり光栄だよ。これが僕の戦い方だからね。」

 

弾け飛んでいったフラッシュエッジの代わりにビーム対艦刀を振り抜くとそのままブーストをかけ今度は下から振り上げその振りがガンダムAGE-3セグエンテに当たる直前でGNビームガンを敢えてビーム対艦刀にぶつけ爆発を起こすとソードエクストリームを背にブーストを噴かし先ほどから周囲を旋回しているGNランチャービットとともにその場を離れていく。

 

「あぁそれ以上は歩かない方が。」

「いつの間に仕掛けた...⁉︎あのビットもどきか⁉︎」

ものの数分と掛からずソードエクストリームに追いつかれるがビルを背にしながらも何処か余裕そうなAGE-3セグエンテに目線を外さずジリジリと滲み寄っていき途中翼から助言を掛けられるも掛けられた翼の助言を受け止めなかったソードエクストリームがもう一歩足を踏み出した瞬間足元が爆発を起こし瓦礫が宙に舞い爆風で地面に崩れ落ちる。

 

「だから言っただろう?僕に近づくと危険だって。」

「俺もトラップ系武装作るか...?」

「あ...仕掛けすぎた...」

予め射出していたGNランチャービットのビームサーベルがソードエクストリームガンダムの右腕を貫き地面に縫い付け、GNメガランチャーをその胸部に押し付けるとおもむろに引き金を引きソードエクストリームが爆発を起こすが爆発するソードエクストリームに吊られてほかに仕掛けていた地雷も誘爆して自らも爆発に巻き込まれてしまう。

 

先ほどのミサイル攻防の後、ビームサーベルによる鍔迫り合いへ発展したシールド付きエクストリームとダハックは周辺のビル群の屋上を飛び跳ねたりしていたのだがここに来て奏が勝負を仕掛けていた。

「ねぇ!ダハックの腕って何本だと思う?」

「は?そりゃバックパックも足して6本だろ、それがどうしたよ!」

 

「んー惜しい!私のダハックはね膝のアームも足して8本なんだよ!」

「そんなビームサーベル増やしてどうすんだよ⁉︎」

6本ものビームサーベルを防ぎきったのは横から見ていた響も凄いと思っていた、だがそこからさらに伸びてきた2本のビームサーベルまでは防げなかった。

というよりも余程の実力者でもなければ8本なんて防げないだろ...

 

「それじゃばいばい!」

「セラヴィーじゃねぇんだから...」

シールド付きエクストリームの両腕を斬り飛ばし胴体に8本のビームサーベルを突き刺すとそのまま8方向に斬り払う。

 

そして残った木乃香はというと、原作のフリーダムのようにクルクル回転してビームを躱したりすれ違いざまに武装のみを斬るなどして一方的な試合になっていた。

「ふざけやがってぇぇぇ⁉︎」

「ふざけてるわけないじゃない。戦力を削いでるのよ!」

 

ルールなんて無視して持ってきた大型ビームサーベル搭載MAがその自慢のビームサーベルを振り回してくるが、木乃香はこちらも変わらずクルクル回転しながら躱しコアユニットであるエクストリームガンダムに直接クスィフィアス・レール砲を撃ち放すと大型ビームサーベル搭載MAから爆発が起こり先ほどと同じくエクストリームが宙に投げ出される。

 

「ゲルズゲーもそうだけど、MAだけに頼ってるようなら私にはまだ届かないわ!」

「こんなの納得いかねぇぇぇ!!!」

宙を舞ったエクストリームに向けバンダースナッチはその手に持っていたアロンダイトをぶん投げその切っ先が勢いよく突き刺さり爆発を起こす。

 

[YOU WIN!!!]

 

スクリーンが溶け満足そうな木乃香たちとは対照的に不満足感を隠し切る様子もなくもう一度勝負をするため筐体の正面に立ち止まっていた。

「くそ!なにかの間違いだ...もう一度だ!」

「なら俺らとやりませんか?部長が良ければですけど。」

 

「そうね、後は後輩に任せようかな♪」

「決まりだ。よろしくお願いしますね?」

「お、おぅ...」

再選を挑んできた彼らと我慢の限界を迎えた響たち1年組の戦いはほぼほぼ響たちの圧勝で最後通告を店主から受けすごすごとお店を出て行く。

 

その後、店主から感謝の気持ちとしてDXパフェを進呈された響たち(奏が特に)は目を輝かせてパフェを小分けして食べ舌鼓をうっていた。

「取り敢えず、拓哉君のセグエンテは今さっきのバトルで調整が終わったし響君のストライクは明日にでも渡せると思う。」

「「ありがとうございます!」」

 

「それでだ最後はカッコ悪く終わってしまったけど、この装備拓哉君なら大丈夫だろう。トラップツールはどうする?」

「あー今は大丈夫です!セグエンテ装備だけで。」

笑いながらだったが素体だけ出来上がっていたクアンタにセグエンテのパーツを組み込む。

「これからもよろしく頼むな、セグエンテ。」

姿を新たに変えたクァンタムセグエンテをポーチに戻し木乃香のシフトが終わるまでみんなの談笑は続いたという。




拓哉のセグエンテと木乃香のバンダースナッチが積む武装は決まってるのに未だにカラーリングとどこに配置するかを決められずにいるセルフィアです。

必要なパーツはもう揃えてあるんですけど、プラ板で局所的にディテールアップを試してみたいというのもあって試行錯誤の真っ最中です(笑

今回のガンプラ紹介!
ガンダムバンダースナッチ
武装:アロンダイト、クスィフィアス・レール砲×2、ビームサーベル×2、パンツァーアイゼン、ビームライフル、バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲×2、天照
SP:なし
以前使っていたストライクガンダムバンダースナッチから基本コンセプトはそこまで変えず使用機体をフリーダムに変え武装を大幅に増やした。
メイン武装であるアロンダイトは木乃香の妹である今井 舞姫の愛機ロストフリーダムレーヴェが使っているものと同系統のものとなっており木乃香が言うには[姉妹で同じ武装使ってるの萌えない?]とのこと。
カラーリングはまだ変更する予定で素体であるフリーダムカラーのまま。
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