ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale   作:セルフィア

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Epilogue〜蒼の衝突、受け継がれる想い〜

季節は流れ響たちが全国大会優勝をもぎ取った12月の大会から桜が咲き始めた3月ごろの事

 

進級を直前に控え部活動を休止にしてまでテスト勉強に励んだ響たちは無事、赤点を誰一人として取ることはなくその進級祝いとして部室でお菓子パーティーを開いていた。

 

「期末テストも乗り切ったし留年も回避されたし悔いはない!」

「英語の授業寝すぎて期末前の小テスト50点満点の所13点しか取れなかったのにな。」

「「「え...」」」

「みんなしてその顔止めてぇ!流石に俺もヤバイと思ったから沙希に教えてもらった。」

 

「あれは大変でしたね...稽古の合間に英語と数学を...」

「危なかったの英語だけかと思いきや数学も苦手だったのね...」

「奏もその2教科苦手だよね。僕が教えてなかったらどうなっていたか。」

「その節はありがとうございましたぁ!ほ、ほら勉強会の後サイ○リアでご飯奢ったじゃん!」

 

翼の続けようとした言葉を遮るように翼の口にカントリーマァムをこれでもかと注ぎ込んで珍しくバタバタしながら流し込み、仕返しと言わんばかりに奏の口にマカダミアナッツを投げ込んでいた。

「「はぁはぁはぁ...死ぬかと思った...」」

「部長、翼さんと滝沢先輩生きてるんでその手に持った2L牛乳を置いてください。」

 

「あら、そう?沙希ちゃんいつのまに城戸くんの隣にいたの。」

「...ついさっきですね。」

「じゃぁ、城戸くんの隣に居たはずの安藤くんが私の隣にいるのは...」

「察しの良い木乃香さんは嫌いです...」

「沙希ちゃん⁉︎」

 

珍しくテンションの高い沙希を見て思わず口角が上がっていた所をニヤニヤした拓哉に見られ口封じを図るのため、他者に聞こえないようLINEのトーク画面に[ちょっと前にフリーバトルスペースにいた他校の女の子に声掛けてたのマリちゃんにバラすぞ。]を打ち込むと拓哉の顔が青ざめ首を横に振りポテチを食べだし響自身は左手で食べていたポテチの指についた油をウェットティッシュで拭き取り腰のポーチへ手を伸ばした。

 

「お、やる気満々じゃない。それじゃ部長継承のバトルを始めましょうか!」

「催促しちゃったみたいですみません...よろしくお願いします!」

良いのよ、と木乃香がウインクし響がそっと目を逸らして冷たい沙希の視線からも目を逸らし2人は筐体を真ん中に挟みGPベースをセットして、読み取り機に機体を置いた。

 

≪ Damage level set to B≫

 

《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard3,Forest》

 

《Please set your GUNPLA》

音声に従ってガンプラを置く

 

《BATTLE START!》

「城戸 響、ストライクガンダム黄昏改。推して参る!」

「今井 木乃香、ガンダムバンダースナッチRL!殲滅をはじめましょうか!」

 

レバーを動かし機体を発進させた2人はステージ中央の開けた所へ降り立つと近くの木々が風圧を受け桜が舞っていた。

 

「思い起こせば君たちをスカウトしたのも去年の今頃だったわね。」

「あの時はガンプラバトルが出来れば良いやって感覚でしたね...」

「そう...なら今は?」

「バトルを楽しみたいと思うし楽しんだ上で部長に勝ちたい!」

「楽しんだ上に勝ちたいなんて強欲じゃないの!」

 

お互いにブーストを噴かしたと同時にトリアイナver3とトリアイナがぶつかり合いビームランスモードを起動するが、やはり出力はver3の方が高く押し切られそうになるが脚部ブレードを蹴り上げバンダースナッチRLを蹴り飛ばす。

「吹き飛びなさい、アスタロト!」

「そう言えばあの時の開幕アスタロトには驚かされたけど、今なら受け止められる!」

 

距離が空いた瞬間、手持ち式のアスタロトが手元に移動し最大火力で火を噴く!

「サイコフィールドとまではいかないが、ファーストシールド!」

射出された2基のシールドドラグーンがビームバリアを形成、だが受け切れず

「セカンドシールド!」

続けて2基のシールドドラグーンを向かわせ同じようにビームバリアを形成、威力は弱くなったが受け切れない

「持ってけ全部だ!追加で簡易総てを受け入れし理想郷(オールガーディアスアヴァロン)!」

 

残っていたシールドラグーン4基に加え左肩のソウルプリゲイションシールドを正面に掲げ武装のみ展開したSEEDが翼の形を形成、包み込むように折りたたまれるとアスタロトによる高出力ビームは吸い込まれるように吸収されていく。

「奪ったビームをプラスしてぇぇぇ!滅びゆく誰かに祝福を(ブレスワンプレッシング)!」

「ビームを吸収してビームの出力を上げる...教科書に書いてあるような流れじゃ私はやれないわ!」

 

「な⁉︎ビームシールド⁉︎今までのバンダースナッチには搭載してないはず。」

「私は日々進化しているのよ!」

ドラグーン・ビームキャノンと言った全身の射撃武装を用いたフルバーストは周辺の木々を薙ぎ倒しながらたしかにバンダースナッチRLを蒸発させるには十分な威力だったのだが先ほど、響が行った多重ビームシールドのようにサイドアーマーから予備ビームシールドを5つ投げつけ威力を弱めた所を[天照]で打ち消した。

 

「初めてやったけどなんとかなるものねぇ。」

「俺が一部SEEDでギリギリ防げてたのに、こんな簡単に防がれると...」

「落ち込むなぁって?まだまだ楽しみましょうよ!ふふ、あははは!」

「闇の部分出てません⁉︎」

続けてバンダースナッチRLが脚部大剣で蹴り上げてくるのに合わせて響はビームサーベルを両手で抜き振り下ろし拮抗を保ちながらも鍔迫り合う。

 

「ならこれならどう!」

「あ⁉︎コッチが2本ならそっちは4本だってか⁉︎」

ストライクガンダム黄昏改の振るうビームサーベル2本に対し木乃香のバンダースナッチRLが脚部大剣を用いた4本で迫ってくる姿はどこか武者の鎧を纏ったバルバトスに似ていた。

 

「このまま近接はマズイか...フィンファンネル!」

「近づかせるかぁぁぁ!」

振り下ろされたアロンダイトをビームサーベル2本を犠牲にしながらもなんとかパリィしバンダースナッチRLへ頭突きをかまして体制をよろけさせると後退した響の代わりにフィンファンネル2基がビームを撃ちながら向かうが、向かった矢先に増設したマシンキャノンとバルカンの乱射によってビームの1発が頭部アンテナを掠めたのみで爆発してしまう。

 

「喋るなぁ!だったら完璧でしたねっ!」

「そうね。ってそういう場合じゃなくて!」

ストライクガンダム黄昏改が爆発による煙を引き裂いてロストフィンガーを展開し[天照]の輪を掴みヒートさせるがこちらもロストフィンガーの一部を斬り裂いてファンネルラックの両翼にアーマーシュナイダーが突き刺さっていた。

 

「まだ持ってたのそれ!」

「だって舞姫がお守りがわりに持っててよって言ってくれたんですもん!」

「あの舞姫がそんな事を...姉として嬉しいけど複雑な心境ね!」

爆発寸前の翼をパージし天羽々斬 真・擬を振り抜き、ガードのために突き出した左腕部ブレードが火花を散らしてヒビが入ると同時に脚部大剣を蹴り上げ天羽々斬 擬が音を立てて折れてしまう。

 

「げっ⁉︎損傷率そんな低くなかった筈なんだけど。」

「これがアームブレイクってやつね!その武器の壊しやすそうな部位を狙って一点に集中するの!」

「勉強になります!」

柄だけになった天羽々斬 擬を投げ捨ててビームキャノンを起動、乱射しながらマシンキャノンと撃ち合い次の瞬間にはすれ違って撃ち抜かれ小爆発を起こす。

 

「この瞬間を待っていたんだ!」

「自爆...いえ、盾の強固さを生かした武器潰しね!」

距離が近づいたところでバンダースナッチRLのバラエーナ改とクスィフィアスレール砲を一気に撃ち放すが響は敢えてソウルプリゲイションシールドのアブソーバを展開しながら突撃をかけそのまま押し当てて武装が爆発した衝撃が襲う。

 

「ちなみにだけど、城戸くん残り武装は?」

「さっきラックごとファンネル壊された上に刀を一本持っていかれてるので、半分きったところですかね。」

「奇遇ね。私も射撃武装を全部失ってさっきブレードを1つ無くしたところよ。」

「俺の方が損傷してるんだよなぁ...」

 

天羽々斬 真を両手で持ち腰のあたりに構え直し振り下ろされた左脚部大剣の一撃を受け流し、返す刀で脆そうな接続部を狙ったがちょっと逸れてしまい左脚を太もものあたりから斬り落とした。

「これがアームブレイクってやつなのか。」

「いやいやいや、武器どころか脚持っていかれてるからね?立ってるのは難しくなってきたからそろそろ決着つけようか!」

 

「望むところです!」

「「SEED(Ⅲ)!!!」」

[SEED system standby。Remaining until the time limit of 180 seconds。]

[SEED system standby。Remaining until the time limit of 60 seconds。]

蒼の揺らめきを纏った両機はその場に残像を残しながら響は天羽々斬(大剣モード)を木乃香はトリアイナver3を振り下ろし振り上げ鍔迫り合い再び距離を取っていく。

 

「「SEEDビット!!!」」

揺らめいた両機のSEED粒子がいくつかの形を形成、不規則な軌道を描いて迫っていくが幾分元が同じであるだけに2人の間でぶつかっては消滅を繰り返し同じ考えに至ったのだろうビットがプラフスキーパワーゲートを正面に展開される。

 

壊れゆく幻想(ブロークンファンタズム)!」

その行く手を阻むは勇敢なる皇后(ブレイブエンプレス)!」

高出力ビームによる互角のぶつかり合いはその中心地を焼け野原にし煙が立ち上っており、その煙が消えるまで待つ事はなく木乃香は右腕部ブレードを響は天羽々斬を携えブーストを噴かし突撃する。

 

「これだからガンプラバトルは!」

「やめられない!」

それぞれの獲物がぶつかり最後に会話を交わした2人の視界が閃光に染められていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

5月某日響たち新ガンプラバトル部は新人戦の会場に足を運んでいた。

[第10回新人戦個人の部を開催したいと思います!]

「「「うぉぉぉぉ!!!」」」

 

「それじゃ行ってくるわ!」

「おぅよ!」

「は、はい...!」

アナウンスと共にコートへ向かった響が筐体を真ん中に挟みGPベースをセットし読み取り機に機体を置く。

「城戸 響、ストライクパラディアス!推して参る!」

 

レバーを動かし機体を発進させゲートから飛び出すとストライクパラディアスのバックパックからSEED粒子による翼が形成されステージを掛けていった。

 




と言うわけで約2年半に渡り続い[ガンダムビルドファイターズ Beginning Tale]ですが今回のこのEpilogueを持って完結となります!

途中話に詰まるところもありましたが完結まで書くことができてこれも今まで読んで頂いた方々のお陰です。

ガンプラを貸していただいた榧さん、くすりしさん、ティルドラムさん
コラボ企画を持ち掛けてくれたやっさん
ありがとうございました!

また違う何処かでお会いできれば嬉しいです。

今回の機体紹介!
ストライクガンダム黄昏改
武装:天羽々斬、天羽々斬 真・擬、ビームキャノン×2、ビームサーベル×2、脚部ブレード×4、フィンファンネル×2、シールドラグーン×6、ソウルプリゲイションシールド、ロストフィンガー、トリアイナ
SP:SEED
今回部長継承の儀を行うにあたりSFS無しでストライクに詰める武装を詰め込んだ機体で、初期に使用していた真っ赤なストライクルージュに見た目は近くなっているが武装に関して言えばその時の倍武装が積まれているためバランスは悪く自身の操縦技術がものをいう機体に仕上がった。
本人曰く翼の手を借りずに組み込んでいたがタクティカルアームズ極を積もうとした所、流石に止められた。
ビームライフルはギリギリ悩み拓哉と話し合った結果、持っていかない事にしたらしい。
バンダースナッチRL
武装:高出力ビーム砲[天照]、腕部ブレード×2、クスィフィアスレール砲×2、バラエーナ×2、アーマーシュナイダー×2、脚部大剣×2、トリアイナver3、ビームシールド×多数、アスタロト
SP:SEEDⅢ
バルバトスとのバトルで得た経験がおもむろに反映され4本剣による戦い方を生かしやすくなり天照の出力調整もほぼ完璧に近いものとなった。
高出力ビームに対して守りを強くするためビームシールドを多数持ち出し非常時にはビームバリアを展開した状態で投げつける戦法を取る。
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