サブタイトル、変更しました。変えるつもりだったの忘れてた。
高町よつばがとある所用で六課宿舎を訪れていた日の夜。
よつばははやての自室でお茶を貰っていた。
「それにしても、よつばちゃんは子供の頃からあまり変わらへんなぁ」
「そうかな?」
「子供の頃、よつばちゃんはこんな大人になるんかなぁと思てたら、その通りに成長した感じがするんよ」
「そう?はやてちゃんは初めて会った時を思うと将来のイメージが結構ずれてるかも」
「ほー。子供の時はわたし、どんな大人になる思うとったん?」
「良妻賢母っていうか。大和撫子?時代が時代なら偉いお侍さんの奥さんになってそうな」
「それはたいそうなイメージやなぁ。で?今はどんな感じなん?」
「赤い狐か緑の狸!なんか、油断してると全然間違ったことを教えられそうで油断できない―――――」
言葉の途中ではやてが笑顔でよつばの頬を引っ張り始める。
その額には青筋が浮かんでいた。
「ハッハッハッ!おもろいこと言うなぁ!よつばちゃんは!」
「いひゃい!いひゃいよ!はひゃへひゃんっ!?」
目尻に涙を溜める友達に息を吐いてはやては手を放した。
「まったく失礼するわぁ。まぁ確かに子供の頃に比べて擦れたのは自覚しとるけど」
子供の頃から管理局という巨大な組織に身を置いていたはやては精神的に早く成熟することを周りに求められた。
また彼女も、周りに騙されて家族や周りに迷惑にならないようにと、自分を磨いてきた。
その所為で、子供の頃の純真さはだいぶ鳴りを潜めたのは自覚しているのだが、それは大人になれば誰でもそうだろう。
「それにしても昔かぁ。初めて会った時はこない長い付き合いになるとは思わなかったわ」
「初めてってアレだよね。わたしがまだ入院してて、はやてちゃんが足の検査に来てて」
「そーそー」
そうして2人はしばし思い出話に花を咲かせた。
八神はやてが高町よつばという少女と初めて会ったのは彼女が足の検査に来ていた帰りだった。
その日、はやては検査が思ったより早く終わり、お付きのシャマルが別用を済ませて戻ってくる間のことだ。
暑さが増し、外へ出るにはちょっと辛い気温なために冷房の効いた病院で待っていた際に彼女の車椅子にぶつかる感触がした。
「わっ!?」
車椅子の車輪に足を引っかけてしまい、バランスを崩したのが入院着を着た自分と同い年くらいの女の子だった。
幸い、転ぶとまではいかなかったが手に抱えていた大量のお菓子を床に落としてしまう。
「あ~、やっちゃったぁ。あ!ごめんなさい、ちょっとぼぉっとしてて」
「いえ。こっちも変なところに停まっててごめんなさい」
はやてが車椅子を止めていたのは通路の曲がり角の位置だ。ちょっと見えづらいかもしれないと反省する。
落ちたお菓子を拾おうとする相手を見てはやてはその人物の右袖が空っぽなのに気付く。
そういえば、前に主治医の石田先生がはやてと同い年の子が事故に遭って入院していると聞いたことがあった。その事故で右腕を失ったこともその時に聞いた。
今まで見かけることはなかったが彼女がその人物なのだろう。
落としたお菓子をはやても拾える範囲で拾い、女の子に渡す。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
「はい、お礼にどうぞ!」
渡されたのは1つのチョコレート菓子だった。
「ええの?」
「うん。正直、食べきれないし。こんなに買ったのがバレたらまたお母さんとかに怒られちゃうから」
誤魔化すように笑う少女にはやては苦笑する。
「なら、遠慮なく。ありがとな」
「ううん。じゃあね」
そう言って小さく手を振って別れた。
そしてシャマルが来た頃に名前を聞き忘れていたことに気付くが、次の検査の時に会ったら名前を訊いてみようと決めた。
なんとなくだが彼女ともう少し話してみたいと思ったから。
しかし、次の検査の時にはその少女は退院したと石田に聞いて少しばかり落ち込むことになる。
その少女との再会はそれから数カ月後のこと。
それから数カ月。家族である騎士たちが家を空けることが多くなって少しばかりの寂しさを感じていた頃だった。
はやてはいつも通り図書館に訪れて本を読もうとしていたが、読みたい本が彼女では届かない位置に置かれており、諦めようと思っていた時だ。
「あの、これですか?」
読みたかった本を取ってくれたのは長い黒髪の少女。
はやては本を受け取ってお礼を言う。
「ありがとうございます」
そうしたやり取りをしていると少し離れた位置から別の女の子が近づいて来た。
「すずかちゃん。なにか良い本見つかった?」
近づいて来た人物を見てはやては目を丸くした。
「あれ?」
向こうもこちらを見て首を傾げた。
「まさか2人が知り合いだったなんて」
「知り合いっていうか……入院していた時にちょっと話してね」
「あの時は名前、聞けへんかったけどな。今度は教えてくれへん?わたし、八神はやて言います」
「高町よつばです」
「私は月村すずか。よろしくね、はやてちゃん」
3人は自己紹介をし合い、笑みを浮かべる。
それから3人の話は思いの外弾んだ。
今はどんな本にハマっているか、とか。
すずかとはやては互いに自分と同い年の子がいることで話そうと切っ掛けを探していたが今日まで見つからずにいた事には2人揃って苦笑した。
「それじゃあ、すずかちゃんはお姉さんがひとり。よつばちゃんは双子のお姉さんがいるんやね」
「それと、歳が少し離れたお兄ちゃんとお姉ちゃんがひとりずつね」
「家族が多いんやね。羨ましいわぁ」
「はやてちゃんの方はどうなの?」
「わたしは兄弟姉妹とかは居てへんけど、今は遠縁の親戚の人と一緒に暮らしとるんよ。その人らが今の家族やね」
はやての言い方に2人は少しばかり違和感を覚えたが無粋な追及はしなかった。
そうして話しているとはやての家族と思しき女性が現れる。
「シグナム!」
「主はやて。お迎えに上がりました」
凛とした佇まいの薄紅色の髪をした女性。
彼女が主はやてと呼ぶのには首を傾げたがはやては苦笑して愛称やよ、と説明した。
互いの携帯の番号などの連絡先を聞いた。
この日が、八神はやてに友達が出来た日だった。
それから、3人は頻繁に連絡を取るようになり、顔を合わせるようになった。
これは、よつばの双子の姉であるなのはがとある事情で忙しくなったこともある。
特に時間の空いているよつばは良く八神宅に遊びに来ていた訳で。
「よつばちゃんのお姉さん。最近忙しいん?」
「そうみたい。すずかちゃんとアリサちゃん。あ、アリサちゃんはもうひとりの友達ね。2人も習い事があるらしくてあんまり構ってくれないの。なのちゃんも最近また忙しいみたいだし。早くはやてちゃんと会わせたいんだけどね。絶対仲良くなれると思うのに」
「それは楽しみやなぁ」
若干拗ねたような口調のよつばにはやてはクスクスと笑う。
そして食べているケーキの感想を言う。
「それにしてもこのケーキ美味しいなぁ。コレ、よつばちゃんのご両親がやってる喫茶店のケーキなんやろ?」
「うん!何度か雑誌にも載ったことがある、ここら辺なら1番の人気店なんだよ!って……自分で言っちゃうと変に自慢してるように聞こえるかな?」
「そんなことないよー。前にすずかちゃんも同じこと言っとったし。それだけご両親のお店が好き言うんはええことやと思うで。でもそんなに有名なお店なら1回行ってみたいなぁ」
「うん、是非!はやてちゃんならいつでも大歓迎だよ!お菓子の持ち帰り販売とかもしてるから気に入ってくれたならよろしく!」
そう言って両親が経営している喫茶店の宣伝をするよつばにはやては苦笑しながらもその姿に眩しいモノを見ていた。
「そっかー。なら今度みんなでお邪魔させてもらうわ。それはそうと、よつばちゃんってもしかして実はお菓子作りが得意だったりするん?」
はやての質問によつばは肩をビクッと跳ねた。
それも一瞬ですぐに笑顔を取り繕う。
「あはは。ちょっと前まではそうだったんだけどね。今は、ちょっと……」
そう言って目を逸らし、無意識に右肩を掴むよつば。
その答えにはやては自分の失言に言葉を失った。
よつばの右腕は既に無い。
もしかしたら高町よつばにとってお菓子作りとは趣味以上の価値のある行為だったのではないか?
そう思い至った時、はやては自分の心無い言葉に顔を伏せた。
気付いたよつばが慌てて弁解する。
「はやてちゃんが気にすることじゃないよ。それに今は目を向けなかったことに目を向けて趣味を増やしてる最中なんだ。だから……ね?」
それが誰が見ても強がりだということは判っていた。
しかしそれに乗る以外にはやてにどんな選択肢があっただろう?
「そっか。でもそれならお菓子作りは得意やったんやよね?なら今度わたしに教えてくれへん?」
その言葉によつばは目を丸くした。
「わたし、和食とか普通の料理は得意なんやけど、お菓子とかはあんま作ったことないんよ。だから教えてくれる人が欲しい思っとたんや。だから、今度、2人で作らへん、お菓子」
その言葉によつばは僅かに体を震わす。
目尻に涙を溜めたままよつばは大きく頷く。
「うん!まっかせて。すっごく美味しいお菓子の作り方を教えてあげる!」
そうして、八神はやては家族を疑うことなく時を過ごす。
高町よつばや月村すずかと交友を深め、雲の騎士たちと平穏な日常を過ごす。
その裏に血生臭い事象が起きていたことに目を背けながら。
そしてその結果。彼女は2度と忘れられない光景を目にする事になる。
「なんで!?やめて、よつばちゃん!?」
ついさっきまではやての病室で行われたクリスマスパーティーに友人であるアリサとともに盛り上げてくれた友達。
彼女の姉のなのはなど、初対面な人も多い中、色々と取り持ってくれた女の子。
その子が今、見たことがない程に恐ろしい笑みを浮かべている。
本当に同一人物なのか疑うほどに。
よつばははやての心に傷を入れる言葉を続ける。
「ありがとう、はやてちゃん。貴女はとても役に立つ友達だったよ」
そう言い、彼女の家族の首に刃物を突き刺した。
ヴィータから大量の血液が噴き出し、最後には闇の書に取り込まれる。
「あ、ああああ、ああっ!?」
こうして、聖夜の悪魔は幕開かれた。
突如バインドで拘束され、菱形の殻に閉じ込められたなのはがそれらから解放されたのははやての身体が別物に変わった後だった。
長い銀の髪に赤い瞳。
年齢は守護騎士のシグナムと同い年くらいの女性。
すでによつばに化けていた偽物はこの場におらず、なのははひとりでその人物と相対している。
その赤い瞳から涙を流す。
「また、終わりが始まってしまった。だが、せめてその前に、我が主の願いは私が果たそう」
その言葉を口火に、銀の女性は膨大な魔力を開放し、夜の空に黒い球体が広がる。なのはは必死にそれを防ぐ。
闇の書の管制人格と高町なのはの戦闘は一方的だった。
元より、近接戦に関してはさほど得意ではないことと、得意の中・遠距離攻撃も相手が上回っている。
そしてなのはがあくまでも相手の説得に拘っていることもあり、さらに形勢が不利になっていた。
これがもし、彼女が背中を預けられる
闇の書がなのはを砲撃魔法で地面に叩きつけた。
すぐに体勢を整えるが構わず連射される攻撃に堪らず低空飛行で躱し続ける。
それも全てとはいかず、直撃し、動きを止められた。
こちらを仕留めようとする一撃が放たれる。
なのはは、とっさにシールドを展開しようとしたが、それより先に高速で接近した何かが彼女を抱きかかえた。
それにより、闇の書の攻撃は誰にも当たらずに済んだ。
なのはは自分を助けてくれた人物の名を呼んだ。
「フェイトちゃん……」
「ごめん、遅くなった」
現れたのはフェイトだけでなくユーノ、アルフも含まれていた。
突如この空域に張られた結界と膨大な魔力から彼女たちはすぐさまここに駆け付けたのだ。
なのははフェイトから体を離す。
「ありがとう、フェイトちゃん……」
「う、うん……」
礼を言われてフェイトは嬉しそうに、だがどこか申し訳なさそうに顔を下に向けた。
そんなフェイトに気付いた様子は無く、なのはは状況の説明を始めた。
よつばとすずかの友人であるはやてが闇の書の主だったこと。
今日のクリスマスパーティーで守護騎士たちと鉢合わせしてそれが発覚したこと。
騎士たちが例の仮面の男によって闇の書に蒐集されて失ったショックで、はやてが闇の書の主として覚醒してしまったこと。
それらを簡単に説明してユーノに問う。
「ユーノ君。ここからはやてちゃんを助ける方法は?」
「ごめん、なのは。今はまだ。せめて、闇の書の主が目覚めないとどうにも……」
「なら先ず、はやてちゃんを目覚めさせないといけないんだね!」
なのはは自身のデバイスであるレイジングハートを強く握り締める。
思い出すのは半年前のジュエルシード事件で大きな傷を負った妹の存在。
また、ロストロギアが原因で奪われなくて良かったモノが奪われようとしている。
その恐怖になのはは歯を喰いしばった。
「もう、あんな思いは、絶対に!!」
「なのはっ!?」
焦燥感に動かされるままになのは闇の書に突撃する。
その突進は闇の書のシールドに容易く防がれた。
「お前が、我が主の友人だというのなら、共に眠り、あの方を慰めてくれ」
その言葉とともになのはの身体が突如光に包まれて浮遊している本に吸い込まれるようにしてその場から消えた。
闇の書の中へと消えた高町なのはがどんな夢を見せられていたのか。それは別に語らせてもらうことにする。
この後、フェイトたちの尽力によって目を覚ましたはやてが闇の書に新たな名前『リインフォース』を授けることで夜天の書の主として覚醒し、闇の書の呪いから切り離されることとなる。
そうして暴走体となった闇の書はそこに集まった魔導士たちによって宇宙空間へと送られ、アースラに搭載されたアルカンシェルという兵器によって完全に消失し、闇の書の負の連鎖は断ち切られることなった。
しかし時を待たずして、まだ暴走の危険を宿したリインフォースは自らの意思でこの世界と別れを告げた。はやてといくつかの約束を交わして。
はやてや守護騎士たちの身柄は少しの間アースラの預かりとなり、そこで事情聴取などを受けた。それに携わったリンディやクロノはあくまでも今回の事件の被害のみの罪状に固定し、裁判を行う方針で資料を作成や根回しを行った。
これには八神はやての保護者の立場にあるギル・グレアムも加担していると思われる。
まだ完全に落ち着くには時間がかかるだろうが、事態は緩やかに収束していった。
(これ、どない状況?)
はやては自分の膝の上に顔を乗せて震えているよつばにどうしたら良いのか困惑していた。
今日守護騎士たちはアースラの方に在住し、帰って来るのにはもうしばらくかかるとのことで。家には今、はやてひとりだけだ。
そんな中、突然のよつばの訪問と今の状況である。混乱するなというのが無理な話だ。
「えーと、よつばちゃん?どうしたん?黙ってても困るんやけど」
さすがにこの状態をずっと続けるわけにもいかずに問いかけると、よつばは顔を上げてうん、と頷いて説明を始めた。
「昨日、私の右腕の事故に関わってた子が謝りに来て……」
「それってフェイトちゃん?」
「……知ってるの?」
「うん。少しばかりお話しさせてもろた」
「そう……」
はやてがアースラに身を預けている間に、なのはとフェイトの余所余所しさが気になって訊いてみた。
それでリンディから大まかにではあるが以前、海鳴で起こった事件と2人の関係性を説明してくれた。
はやても最初はよつばの右腕を含めて大怪我させた人物として思うところはあったが、あの聖夜で自分を助けるために尽力してくれたことや、実際話してみて大人しくて優しい子だということが分かり、すぐに仲良くなれた。
またよつばもフェイトが謝罪に来た時の事情説明ではやてのことも大まかにに知っていた。
「あの2人の姿を見た時、ただ怖くて……逃げることしかできなくて……」
泣き喚いてただ逃げた。
赦すことも、負の感情をぶつけることもせずに何の答えも出さず、出させずに逃げたのだ。
それがよつばの心に腫れとなって苛んでいる。
そんな友人の姿を見て、はやても思う。
これは、これから家族が、そして自分が見ることになる姿だと。
昔、多くの人を傷付けた騎士たちを恨んでいる人たちはたくさんいるだろう。
もしかしたら今のよつばよりも酷い状態の人だっているのかもしれない。
いつかその人たちと話すときに自分たちはどんなことを言われるのだろう?
家族ははやては関係ないと言ってくれる。そうなのかもしれない。
だが一緒に背負うと決めたのははやて自身だ。でも結局それは―――――。
「離れるのが、嫌なだけやったのかもしれへんなぁ」
「はやてちゃん……?」
天井を見上げて呟くはやてによつばは首を小さく傾げる。
そしてはやてはよつばと向き合った。
「よつばちゃん、わたしな。家族が色んな人に迷惑かけてもうて。だからこれから少しずつその人たちにごめんなさいしようと思うんよ」
それはよつばに訊かせると同時に自分自身に誓うような響きがあった。
「だってそうせな迷惑かけてしもうた人たちがいつまでたってもそこから動けへん。過去にすることができんと思う」
それは赦すとかではなく。加害者が謝ることでようやく被害者はその選択を得ることができるのではないか。
そしてそれがどんな選択肢であれ、選ぶことで向き合えるのではないか。
それはきっと互いに辛いことだろうが、必要なことだとはやては思う。
話を聞いてよつばは縋るようにはやてに言う。
「なら、わたしは……!」
「きっとまだよつばちゃんには時間が必要なんよ。焦らなくてええから。いつか答えを出して、フェイトちゃんともう一度向き合って上げて。わたしが言えるのはそれだけや」
赦せ、なんて言えない。それは部外者でしかないはやてが強要して良いことではないから。
ただ、もう一度いつか向き合ってほしいと、ただそれだけを願った。
「10年か。時間がかかったなぁ」
しみじみと言うよつばにはやては苦笑する。
「でも、答えはちゃんと出たんやね」
「うん。明日、その準備をして、はやてちゃんがアドバイスしてくれたようにもう一度テスタロッサさんと向き合ってみようかなって」
「準備って……何かあるん?」
「うん!わたしなりにね。悪いことにはならないと思うから大船に乗ったつもりで待ってて!」
「タイタニック号でないことを祈るわ」
「ひどいよ!?」
冗談を交わしながら時間は過ぎる。
よつばの答えをフェイトにぶつける、1つ前の夜の話。
なのはがどんな夢を見せられたのかはなのは編で書きます。
次は主にシグナム視点からのなのは、フェイトの関係を書く予定です。