宜しくお願いします。
きっかけ
ある日の事だ。
学校の授業が終わり、放課後になって、
(さぁーってと、本部で身体動かしてから帰るか…)
と思っていたら声を掛けられる。
「あっ!先輩、今帰りですか?」
「よぉ。まぁそんなとこだな。」
コイツぁ普段あと二人と一緒にいるイメージだったからちょっと珍しく、あの二人の事でも聞こうかと思ったら唐突にこんなことを言われた。
「先輩!今度の休みの日、先輩の家に遊びに行って良いですか!」
まぁ、あたしとしては別に次の休みに特に予定は入れてなかったんだ。それに後輩からそんなことを聞かれたら少しばかり恥ずかしいが満更じゃあなかった。だから…聞いちまったんだ。
「毎度のことながら藪から棒ナンだよ…まぁいいけどよ、あたしの家に来ても大したモンねぇぞ?なにすんだ?」
「いーんですよ!ちょっと借りてきたDVDがあるんで、先輩と一緒にふky…観たいなってッ!是非一緒に観ましょうッ!いや、絶対観させますッ!」
「お、おう…じ、じゃあとりあえず、次の休みが…」
休みの日を伝えてその日は別れた。
「アイツ、あんなんだったか…?一体ナニをあたしに観させようとしてんだよ…」
後輩の気迫に押されるたぁ思わなかったぞ…やけに嫌な予感がするが、今更バックレる訳にもいかねぇしな…
そして当日。
その嫌な予感は当たっちまったんだ…
「お邪魔しまーす!」
昼頃。DVDを観ると言っていたから、見終わる頃にはメシ時になるだろ、と思ったから予定は昼ぐらいにした。
…思ってたんだよ、ホントにな。
「おーっs……おい、おまっ…んだよ!?その量!?」
「あ、これですか?すいません、あたしはアニメを観るならまとめて借りちゃう主義でして…」
そう、あろうことかコイツぁとんでもねぇ量のDVDをこの残暑でうだるような昼間っから引っ提げてきた…!
しかも、だ。
「なぁ…それってまさか…」
「はい!今回観るのは【快傑☆うたずきん!】です!」
そう、あたしが所属してるS.O.N.G.が、一般人の目撃したあたし達の情報を隠蔽しきれずに都市伝説、噂として広まった。
それを少女漫画として出版し、コレが大ウケした。
そして、日曜日の朝の子供向け番組として世に解き放ったのがコレだ
名前だけは知ってんだけどよ…
「なんで子供向けのDVDナンだよッ!?もっとフツーなのを観ると思ってたぞ!?」
実は薄々感じてたんだよ、あたしは…
まぁコイツの事だからDVDつってもアニメかなんかだろうなって。まさか子ども向けのアニメなんざ観る事になるたぁ思わなかったぞ…
「失敬な!子供向けアニメだって実は凄い見所があることが多いんですよ!?」
「んな見所あんのか!?どう見たってコレ…」
「あーもう!百聞は一見になんちゃらです!折角のうたずきんに失礼じゃないですかッ!とりあえず観ましょうッ!」
そういってコイツは早速DVDをあたしの家のDVDプレーヤーにシュートした。
仕方がねぇ、後輩が誘ってくれたんだ、無下にするわけにはいかねぇしな…とりあえず観てみるか…
数時間後。
「おいッ!うたずきん!涙が無い世界に世界にしてぇならなんでオマエが泣いてるんだよ…!畜生ッ!ぜってェあたしが救ってやるッ!」
「(あ、あはは…先輩、さっきからアニメみたいなセリフ言いながらうたずきんに夢中で観てる…)」
すまねぇうたずきん…あたしがもっと強かったらおまえはもう泣かなくて良かったのに…
結論から言うと、ハマった。
放課後のチャイムが鳴り響くと同時に弾丸ダッシュで家へ駆ける、今日は録画してたやつをいち早く観るためだッ!
あの後、うたずきんに夢中になっていたあたしを見たアニ
任務が何もない日や放課後、訓練後に録画したアニメを消化しながらメシを食ってネットを見ながらゲームするのが最早日常になった…
そんなある日の放課後。
学校が終わったら今日は訓練の日だ、録画するアニメがねぇ日くらいはやんねぇと…訓練の回数も減ってきてるからな…
と思っていたら。
「クリスちゃーん!」
あの
「おいバカ、学校じゃあたしが先輩だから【ちゃん】はやめろっつってるだろ!?」
「だってぇ~、クリスちゃんはクリスちゃんだし仕方無いよ~」
「はぁ…ったく、馬鹿なこと言ってねーで行くぞ」
「うん、行こっか。今日は師匠も久しぶりに身体でも動かすか、って言ってたから頑張ろうねッ!」
「げぇ…今日の訓練相手、おっさんかよ…」
今日の訓練は、S.O.N.G.の司令である
今日の夜はグッスリ爆睡コースが確定したことにゲンナリしながら本部に着いた。
「おう、響君、クリス君。学校、お疲れ様」
「師匠!こんにちはッ!今日もよろしくお願いしますッ!」
「…なぁ、おっさん。マジで今日の訓練の相手、アンタなのか?」
「あぁ。俺もたまには身体を動かさんと、鈍っちまうからな。今日は気合を入れて訓練するぞお前等ッ!」
わずかな希望も砕け飛び散った欠片になってバラバラになったあたしと、ヤル気満々なバカがトレーニングルームで訓練の準備をする。
「Balwisyall nescell gungnir tron…」
「Killter Ichaival tron…」
あたし達は聖詠を歌ってその身にギアを纏う。
「よし、それじゃあ早速ブッパなして…」
「「クリスちゃん(君)!?どうしたの(んだ)それ(は)!?」」
開幕からブッパなそうとした途端、二人が声を揃えて言う。
特に、おっさんに関しては少しばかり面白れぇくらい唖然とした顔をしてるときたもんだ。
「…あん?いきなりどうしたんだァ?」
「…クリス君、今の自分の姿に、何か
「違和…感…?」
「だって…それって…」
言われてから違和感に気付く。良く見りゃ腕や脚のギアのパーツに既視感があったからだ…おい、まさかコイツァ…
「
つづくッ!…のか?
とどけHappyうたずきんのクリスちゃん、聴いててヒトカラで歌ってそう…って思い付いて書きなぐったのでどこまで続けようかは今のところ未定デス。
遅筆なので更新もチマチマになるかもデス。