千変万化クリスちゃん   作:沖田不二乃

4 / 8
おまたせしました。第4話です。お仕事が忙しくて書けず、だいぶ間が空けてしまって申し訳ないです…
一応後編でなんとか書けましたが…やりたい放題感半端ないです。やりきった感もありますが…


ケース1:ガンダム・イチイバル【後編】

~前回のあらすじ~

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴよ。クリスの家にやってきた切歌と調。丁度良いと訓練に誘われ、新システムの試験運用兼訓練に参加することに。

そしてまた、クリスのギアに新たな変化が訪れるようね。

…ところで2人共、そのカメラにあるデータはいくら出せば貰えるのかしら?

私のクリスコレクションに加わるのなら…これくらいの出費、安いものッ!!

 

 

 

 

「これがあたしの…【ガンダム・イチイバル】だァッ!」

「Killter Ichaival tron…」

 

再びギアを纏い直したあたしは、少し…じゃねぇ、かなりの違和感を感じた…なんつったってな…

 

「…わーお」

 

「でっ…デェェェス!?く、クリス先輩が…ホントにガンダムになったデスッ!?」

 

「ガンダムヘッドのギア…だとぉッ!?」

 

「…すげェ。なんだこれ。視界がまるで別世界みてーに見えるぞ」

 

そう。あたしは今素顔が見えない状態…まるっきりガンダムタイプの姿になっていた。

 

そして。

 

「なんだ?これ…ゲージか?…999?なんだこりゃ」

 

あたしの視界の右下辺りに映るゲージと999の数字。こいつぁもしかして…

 

「…時限強化式のようですね。どうやら最大999秒持続する強力なタイプのギアですね、ゲージが無くなると強制的にギアが解除されるみたいです」

 

解析中のエルフナインからの通信が入る。

 

「基本的には普通に戦っていれば今のところ約16分は維持できるんですが、エネルギーの消費が激しい技等を使った場合ゲージの減りが速くなるので…

ざっと見積もって平均10分しか使うことが出来ないですね…」

 

エルフナインの解析が早すぎる…オマエ普段そんな感じで仕事出来たんだな…

 

「ということは…」

「10分耐えれば私達の勝ちデース!」

 

時間制限があることを知って強気に出てきたぞコイツ等…まぁいい、要は…

「はッ!10分でテメー等に白旗振らせりゃ問題ねーんだよなぁッ!」

 

バックルのレバーを下ろす。すると…

【NEWシングルッ!】

ピピピピピピ…

【DEBUTッ!【ガンダム・イチイバル】ッ!】

 

バックルの中に差し込んでいたブランクカードがヘビーアームズの絵に変わっていった。

…ちなみに今の姿は別にヘビーアームズじゃねぇんだがな…一番あたしのスタイルに近いからかそれになったみたいだ。

 

--BATTLE START--

 

(推奨BGM:RHYTHM EMOTION)

 

訓練の開始の合図が鳴る。

 

「10分しかね-のか、10分はある、のか…ソイツは考え方次第だ。あたしは1()0()()()()()だッ!」

 

【GREAT IMPULSE RIFLE】

 

バスターガンダムをイメージして発現したビームライフルとガンランチャーを連結した、通称・グゥレイト砲を二人に向けてブッ放す。

今回のトレーニングルームの設定は市街地をイメージした場所になってるからな、諸共ブッ飛ばしゃ良いだろッ!

…視界の隅っこでさり気なくおっさんが地面割ってガードしてたぞ…やっぱ人間じゃねえ。

 

「でぇぇぇ!?なんデスかあのトンデモはァーッ!?」

 

「凄い…これがガンダムの力…」

 

どうやら寸でのところで避けやがったみてえだが…

この威力、自分で使っててエゲツねえな…もしあたしがアイツ等の立場だったらぜってー喰らいたくねぇ…

 

「言ってる場合デスか!?調、逃げるが勝ちデスッ!」

 

「了解…トランザム」

非常脱獄式(ひじょうだつごくしき)禁月輪Fぅ流ス髏TTttRゥ(きんげつりんフルスロットル)

 

ツインテールのちっこい方がそう言うと二人のギアのパーツが一部分離して二人乗りのバイクを作り上げる、そのままあたしからぶっ飛ぶように逃げていく。

おいおい…ブースターまで付いてるじゃねえか、カッコいいな…

って関心してる場合じゃねえ、コイツ等本気で10分間逃げ切ろうとしてやがんな?

 

「面白え…あたしと鬼ごっこがしてえって言うんなら…付き合ってやるぜぇッ!」

 

あたしと後輩二人との楽しい10分間耐久鬼ごっこデスレースの火蓋が切って落とされた…

 

 

 

-----

 

 

 

市街地を駆け抜ける。音速スピードでトンデモ兵器をぶっ放してきた先輩からなんとか逃げてきた私達。このバイクが無ければ即死だったよ…いや割とガチで。

 

「や、ヤバかったデス…まさかこれを早く使うことになるなんて…」

 

「仕方ないよ切ちゃん。アレをまともに喰らってたらいくら訓練用に調整されてるって言っても全治一週間は免れ無さそうな威力してたよ、多分」

 

「それにしてもクリス先輩…追いかけて来ないデスね」

 

…切ちゃんに言われて気付く。そう言えば先輩が追ってきている気配がしない。

 

「もしかして…追いかけて来ないんじゃなくて…」

 

悪寒が走る。咄嗟に右に避けるとビームの風がひとつ。

 

「…ッ!?一体どんなところから狙ってるの先輩!?」

 

「あわわわ…この感じ…アタシ達の事を狙撃して倒そうとしてるデス!?」

 

そして避けた先の真正面からビームの光が…って…!?

 

「まずいっ…!切ちゃん、分離するッ!」

 

「合点承知の介デス!」

 

バイクを分離させてなんとか回避する…なんで前からビームが飛んできたんだろう…?

 

「し、調ぇ!前から先輩が!」

 

「ッ!?なんで…!?」

 

「と、思うだろうなァ?ソイツはダミーだッ!」

 

【DUMMY FUNNEL BALLOON】

 

前に先輩が居ると思ったら後ろから声が聞こえた…嘘…もう追いついたの…?

 

「なんで追いついたの?って顔してやがんな…なら教えてやるよ、答えは…コイツだッ!」

 

ダミーバルーンが喋る…ッ!?えっ、嘘、ファンネルでダミー?しかも喋るの?色々規格外過ぎるよ…

 

「コイツを作んのにちぃとゲージを使っちまったがな…そんだけ隙を作れりゃ十分だ」

 

そう言ってバルーンからビームが飛んでくる。その上、数が増えてくるから避けるのに必死…こうなったら!

 

「いくよ切ちゃん…ここを切り抜けなきゃ勝ち目が無いみたい」

【α式・百輪廻】

「やるしかないデス!バルーンには刃物がテキメンデース!」

【切・呪りeッTぉ】

 

私達はバルーンを破壊していく。このバルーン、割れたら爆発するタイプだから遠距離攻撃じゃないと危ない。

爆発するということは…爆風で視界が塞がるということでもある。

それを狙って破壊してからまた逃げる…つもりだった。

 

「つぅかぁまぁえぇたァァァァァァ!!」

 

 

 

-----

 

 

 

振り切れたと思った二人を近距離まで捉えた。

まぁ…V2ガンダムをイメージしたら光の翼で追いついちまったんだがな、かなりゲージ使っちまったけど。

バルーンを破壊して出来た爆風に紛れて逃げようとしてた様だが…今のあたしにはそれを突っ切ることが出来る。

 

【CHOBAM ARMOUR】

 

「く、クリス先輩がチョバムアーマーを着てこっちに突っ込んでくるデス!?」

 

「切ちゃん、色々ツッコミたいところがあるけどこれ…不味くない?」

 

「ブッ飛べッ!アーマーパージだァァァァッ!」

 

着ていたアーマーを周囲にブチ撒けた。残っていたバルーンにも当たって、お互いの姿が見えなくなる。

 

…ったく、マジかよ…お前らロボットアニメの観過ぎなんじゃねえのか…

 

「あ、危なかったデス…」

「シェルターが無ければ即死だった…ナイス変形だよ、切ちゃん」

 

緊急ν式(きんきゅうニューしき)愛rゥて実ぃss(アルテミス)

 

視界が開けるといつぞやのメカに変形してた時のように、ギアを変形していた。…ん?おい、コイツ見たことあるぞ…Xアストレイ辺りで。

 

「流石の先輩でも、このアルミューレ・リュミエールのシェルターは…突破出来ないはず」

 

「調?アタシはザクレロにしたかったんデスけどなんで違う姿になってるんデスか?後でゆっくりOHANASIがあるデスよ?」

 

「き、切ちゃん?今は攻撃するより耐えた方が良いんだよ?えっ、なんで擦り寄ってきてるのちょっと待って今訓練中だよ?」

 

「…そういうのは…家でやれ…よッ!」

【GREAT IMPULSE RIFLE】

 

「(…チッ)…おぉ~、このアルミューレ・リュミエール凄いデスッ!流石あたし達のユニゾンデス!」

 

「…ナイス先輩」

 

ツインテールのちっこい方が何故か礼を言ってきたんだが…あたしはコントを見てるみたいだったからついイラついてブッ放しちまっただけだ。けどやっぱ、モチーフにしてる機体なだけに防がれたか…

しかもおまけにNJC(ニュートロンジャマーキャンセラー)を搭載してると来た。どうやら本気で耐え抜くらしいな。

あたしの弾丸が通じねえってんなら…奥の手だッ!

 

「おいお前ら…確認するぞ?フル出力でアルミューレ・リュミエールを張ってるな?そのシェルターは…完璧なんだな?」

 

「勿論」

「アタシ達の無敵さを思い知るデス!」

 

「…了解だッ!」

 

「クリスさん!残り2分を切ってます!ここからは消費が激しい技を使えばギアが強制的に解除されますッ!」

 

…ゲージを見る。カウントは残り100を切っていた。

 

仕方ねぇな…あたしが、"センパイ"たる所以を教えてやる…!

 

「…クリスさん、まさか…ッ!?」

 

「待つんだクリス君!これは訓練だぞッ!」

 

「訓練だからやるんだろッ!」

 

おっさんが制止に入ろうとしてきたが…もう遅いッ!

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl…」

 

「なッ…!?」

 

「ぜ、絶唱ッ!?先輩、何をしてるんデスか!?」

 

バッテンマークのデスガールの後輩が叫ぶ。まぁ、そんな反応は予測済みだ。

だがな…

 

「センパイの意地ぐらい、分かりやがれってんだよォッ!」

【TWIN BUSTER RIFLE】

 

EW版のウイングゼロをイメージして発現させたコイツで…最大出力でぶち抜くッ!

チャンスは3回だ…いくぜ…

 

一発。

アイツ等のシェルター部分に直撃する。

 

「…調…これ、ホントに大丈夫デスか…?」

 

「だ、大丈夫のハズ…このシェルターの硬度を越えなければ、だけど」

 

二発。

もう一度シェルターに直撃する。

シェルターにヒビが入る。

 

「し、調ッ!ひ、ヒビが入ってるデスよ!?」

 

「…まさか…本気でこのアルミューレ・リュミエールを突破しようと…!?」

 

三発。

シェルターに直撃し…火力に耐えることができずにアルミューレ・リュミエールが解除された。

 

「デェェェェ!?」

 

「あぁ…白い光…綺麗…」

 

ビームに飲み込まれたアイツ等は吹っ飛んで二人で地面とランデブーしていった。

 

「あたしは…スーパー適合者…雪音…クリス、だ…」

 

その後、ギアが強制解除され、あたしにもランデブーの時間が訪れた…

 

--BATTLE END--

 

 

 

つづくッ…?

 




やりたい放題でした。
次回はもしかしたら番外編を書くかもしれないです。

ちなみにギアのガンダムの顔のイメージとしてはサバーニャだったりします。まぁ普段から乱れ撃ってるから仕方ないですね…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。