千変万化クリスちゃん   作:沖田不二乃

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大変お待たせいたしました。
揺らぎ編第3話です。
お仕事が結構忙しくて中々完成には至らなかったのでかなり投稿が遅れてしまいました…
途中で一度データが消えてしまった時はちょっと心が折れましたね…



風鳴る独奏は完成へ

~前回のあらすじ~

鞘と言えば刀…つまり剣だッ!

雪音達は叔父様の指示により渋谷に向かうと、

沙夜と名乗る女性が現れた。

どうやら零児さん達と同様に私達の世界に来たらしい。

…いかにも怪しげな雰囲気を纏っているが…

その後に現れたノイズを倒している途中、

からくりのKOS-MOSと共に現れた立花等と合流し、

一度本部に戻る事になった…

じゅ、銃を使うのも…悪くは無いか…?

今度雪音に教わってみるとしよう…

 

 

 

 

S.O.N.G.本部、ブリーフィングルーム――――

 

 

 

 

あたし達は渋谷から戻ってきた。

…途中、バカからKOS-MOSと何故一緒に居たのか経緯は聞いたが…報告するのがアホらしいくらいの事だったんだよ…

どうやら零児達が来るより少し前ぐらいにあたし達の世界に来たらしい。

 

まぁ詳しい話は良いか。…で、今はと言うと。

 

「…なんかまた増えとるぞ、零児…それもついさっきまで見覚えがあるの」

 

「全く…またKOS-MOSを追ってきたとでも言うのか?」

 

「貴女もこの世界に流れ着いていたみたいですね、T-elos」

 

「KOS-MOSッ!どこをほっつき歩いていると思ったら…こんなところに居たのかい…」

 

「あん、テロテロ、また会ったわね。…これも何かの縁かしら、ね?」

 

「沙夜…また貴様か、これで何度目だ?いい加減飽きるぞ」

 

「まさかすぐに日本に戻るなんてね…お客様もセットでね」

 

「とんだ蜻蛉返りに遭ったな…雪音、一体何があったのだ?」

 

…なんかさらに増えている。…っておい…

 

「ちょっと待てマリア…今セットで帰ってきたって言わなかったか?」

 

「え、えぇ…私と翼と…このT-elosと。3人で…」

 

「待て、待て!待ってくれ!?もう意味が分かんねえよ!?」

 

「厳密には、日本に戻ってきた時に遭遇した…だ。どうやら彼女は異世界のからくりらしい」

 

「そこの小娘が気になる名前を言っていたから付いていく事にしただけだ。

…最も、お前に会えるとは思っていなかったがな…KOS-MOS!」

 

「だから、T-elos!人違いだって言っているじゃない!?」

 

「少なくとも私達が居た世界に関連する人物ではありません、T-elos」

 

「フン、冗談が通じないヤツはこれだから嫌いだよ」

 

…先輩が?…ってあぁ…マリアか…マリアね…

確かに名前は一緒だけどな…

それで偶然KOS-MOSと出会うなんざ最早仕組まれてるんじゃねぇか?

つーかお前…冗談が言えるのかよ…

 

「皆、集まってもらってすまない。俺がこの子達を指揮しているS.O.N.G.の司令官、風鳴弦十郎だ」

 

おっさんが来て、異世界から来た奴等に向かって言う。

…相も変わらずこういうところで律儀だな。

 

「あん、素敵なおじ様だこと。…私は沙夜、今はあなた達の味方よ、うふふ」

 

「私は対グノーシス用人型掃討兵器KPX シリアルNo.000000001…通称KOS-MOSと呼称されています。そして彼女は」

 

「…T-elos、それが私の名前だ…馴れ合うつもりは無いよ」

 

「こら、T-elos!貴女さっき私達に協力するって言ってたじゃない!」

 

「チッ、この世界から抜け出す為だ、勘違いするな…」

 

「み、見事なまでのツンデレデス…」

 

「いや、あやつの場合はツン殺じゃ、切歌…」

 

それにしてもマリアに対して何故か甘いな、T-elosのヤツ…やっぱり名前が一緒だから無意識でそうなってるのか?

大人しいならそれで良いか…本部で暴れられちゃやべーんだよコイツとKOS-MOSは…

相転移砲なんざココでぶっ放してみろ、一発でまとめてお陀仏、仏様に会いに行く羽目になるぞ…

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

あたしと零児は一通りの出来事をおっさんに報告した。

一応あのバカのことについてもついでに言っておいた。そしたら

 

「相変わらず響君らしいと言えば響君らしいが…次のメニュー、少し追加しておくか?うぅむ…」

 

と、大変微妙な顔をしてやがる…まぁ、あのバカだもんな…考えても仕方ねぇぞ、おっさん…

 

 

その間に、どうやら他のメンツも軽い顔合わせぐらいは済ませていたようだ。

この異世界組共、順応するの早すぎねぇか…!?いや、ウチの方も大概だな…

 

「2人共…色は違えど…姿はそっくりだね」

 

「T-elosさんもKOS-MOSさんみたいなトンデモ兵器出せるデスか?」

 

「ふん。懐くんじゃないよ、小娘共が…ヤツより優れているに決まっている!」

 

「T-elosの好感度が上昇したようです」

 

「…って好感度なんかあるんか!?ギャルゲーとちゃうじゃろ!?」

 

「ぎゃるげー…?とは何だ?知っているか、マリア?」

 

「え、えぇっ!?ししし、知らないわ、そんな伝説の樹の下で告白すると結ばれることなんか!」

 

「あん、その話題…私達がすると何かイロイロと問題があるから、あえて触れない事にするわね」

 

「…?何か問題でもあるのか?沙夜」

 

「そうね…強いて言うなれば、クロスしてないもの、ね」

 

「おい待て沙夜、その話題は止せ。…本題に入るぞ」

 

良いツッコミだ零児。沙夜には6点をくれてやる。

そろそろ本題に入んねーと話が進まねえんだよ…

 

「…はいはい、女を急かす男は嫌われるわよ、坊や」

 

「そこに関しては同感じゃ。いい加減女心っちゅうもんを知らんとな…」

 

「まとめてうるさい。…聞かせてもらうぞ、何故ここに来た?」

 

「あん、相変わらず熱いんだから…そうね、ここに来たのは偶然よ…何かに呼ばれたかのように、ね」

 

「何かに…?また訳のわからないことを」

 

「…ま、『あの剣』なら出来ない事も無いのだけれど。…どうも違うみたいなのよ、ね」

 

「あの剣…?『ソウルエッジ』の事か!?それと同じような事が起きたと言うのかお主は!?」

 

「…沙夜、その『そうるえっじ』とやらは一体何なのかは知らないが…今回の件、そして『ソロモンの杖』と一体どう関係しているというのだ?」

 

先輩がふとそんなことを言うもんだから、そういやなんでなんだ?って考えた瞬間…

ちょっと嫌な想像をしてしまう。

まさかな…いや、流石にそんな偶然なんてありえねぇだろ…?

 

「そうね…ま、一度止められちゃったお話だし…軽くおさらいでもしておきましょ」

 

「元々、ソウルエッジは…魂喰らいの邪剣と呼ばれる曰く付きの代物でな。封印されとったが…」

 

「それを、ある戦いで封印が解かれ、俺達はその剣に振り回されていた。

…世界を飛ばされるくらいにはな」

 

「そして、その戦いを最後に姿を見ることはなかった、ってワケ、ね」

 

「姿を見ることを…って、どういう意味ですか?言ってること、全然わかりませんッ!」

 

「確かに…振り回されるって事は…剣じゃなく人だった…とかかしら?」

 

「いや…ソイツはな、次元を絶つ剣って言われるほど強力なモンなんだよ…」

 

「…もしかして、剣が色んな世界をビュンビュン飛び回っていた、って事デスか?」

 

「大当たり。…で、封印されていた場所が問題なの。…『時の狭間』って言うんだけれど」

 

「ときのはざま…って?」

 

「『トキノハザマ』…次元空間の事を指すものです、シラベ」

 

…ビンゴかよ。こりゃかなり厄介事になってきたぞ…?

 

「もしかしてよ、『時の狭間』に『ソロモンの杖』が入り込んでいた…

なんて言うんじゃねぇだろうな?」

 

「可能性としてはあるわね。最も、私は『ソロモンの杖』が何なのかはさっぱりだけれど…

物凄いエネルギーに引き寄せられた、とでも言っておきましょうか」

 

…ネフィリムをバビロニアの宝物庫に閉じ込めた時に何かの拍子で時の狭間に行ったって言うなら都合がつきやがる。

それに、現に今ノイズが出てきてるんだ。ありえねぇ話じゃなくなってきやがったな…

 

「おい沙夜。…それなら一つ聞きたいことがある。何故ノイズが現れた時、渋谷に居た?」

 

「私達にとってはあの場所は特別。何かに引き寄せられて、ゆらぎ経由であの街に居たわけ。…それに、坊や達が来てることも、何となく感じたから、ね」

 

「つまり…女の勘、なんですねッ!?大人の女性って凄いなぁ~…」

 

「お、女の勘で片付けていいんデスか…」

 

「何かに、な…しかし気になるのがあの『ソロモンの杖』を一体誰が使役しているか、と言う所なのだが…」

 

「あぁ。…最も、使いそうなのが約二名程、それもどっちも時の狭間から出てきてもおかしくないようなヤツだけどな…」

 

「フィーネと…Dr.ウェル…前者はともかく、後者なら最悪ね…ロクなことが起きないわ…」

 

「大丈夫デスよマリア。もし出てきたらマリアの目を汚さないように一瞬で私達でカタを付けるデス」

 

「そうだよマリア。廃棄物は廃棄物らしく処理しないと」

 

ウェル博士の可能性が出てきた途端元F.I.S.組の目からハイライトが消えやがった。どんだけ嫌なんだよ…

 

「ウェル博士だったら、かぁ…どうせまた英雄ダーとか愛ダーとか言いながら嫌がらせしてくるんだろうな…」

 

「はっ、科学者ってのはどこの世界もイカれたヤツばかりかい」

 

「私達が知り得る科学者が特殊な存在かと思われます、T-elos」

 

バカの言う通り、もしヤツなら例の英雄病を拗らせてあの手この手で嫌がらせの手を練ってくるはずだ。

 

だが…もしヤツじゃなく…

 

「もし、フィーネだった場合…何故このような雲をつかむ様な形でこちらへノイズを仕掛けたのだ…?」

 

そうだ。もしフィーネならわざわざあたし達に気付かれるようなやり方をしないはずだ。

 

「…今は情報が足りない状況だ、一刻も早くソロモンの杖を奪還するために、色々と探っては居るんだが…分かり次第報告しよう。

すまないがしばらくの間皆は待機していてくれ」

 

「弦十郎さんの言う通りだ、情報が無い以上は無闇に動くのは危険だな」

 

「そうじゃのう…ところで、フィーネやらDr.ウェルとやらは一体ナニモンじゃ?外人?歌?」

 

「訳が分からん上に笑う坪…ツボはどこだ」

 

「まぁそんなもんだよな…そういや言ってなかったな…さて、どっから話すかね…」

 

待機している間、何もしてねーで居るってのも眠くなるしな…ちょっとした昔話でもするか。

 

 

 

 

続くッ…?

 




PXZ後でKOS-MOSを出すならそりゃT-elosだって出さない訳がないワケだ。
この後のルート、どうしよっかなとは悩んじゃったりしてます。
そろそろバックルの方も使ってあげたいところですので…

<ちゃんと使ってあげてくださいね…?

<うっ…そ、そんな目で見るんじゃねーよ!ちゃんと使ってやるって!ほ、ほら、コイツもそう言ってんだしな?な?

という訳で次回。バックルを使います。

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