ケンイチの世界を特殊能力で生き残る 作:omega
俺と翔が話していると、前から黒いコートをきたサングラスの男がやって来た。
「翔・・・任務をさぼって、何をやってる?」
「げっ、本郷先生。これは違うです、先生!孝明という戦力を闇に入れようとしてた・・」
「言い訳は聞かない。来い!」
もう分かると思うが、この人物は 翔の師匠の本郷 晶である。翔が俺に構って任務さぼる際、いつも自ら来ている。
「うわぁ!孝明助けて!」
翔は恐れをなし、俺の後ろに隠れた。本郷は俺の前に立った。
「退け」
「本郷さん・・・教育のことを兎や角言うつもりはありません。でも本郷さんも翔が何を欲しているのか分かっていますよね?」
「次は無い・・・退け」
「はぁ~・・・相変わらず、融通が聞かないですね。いいでしょう、拳で語り合うのも、武人の特権。でも、人が居ない場所に行きませんか?関係ない人に被害を出したくないので」
「・・・いいだろう」
俺は本郷を、人気のない近くの山に連れてった。
「この辺でいいでしょう。僕の我が儘を聞いてくれてありがとうございます」
「礼はいい・・・構えろ」
「はい・・・」
俺が構えると本郷は少し距離置いた。
「翔、見ているのだろう?・・・よく観察しておけ、達人同士の戦いを・・・・ふん!」
本郷は一気に距離を詰め、いきなり心の臓に向かって、ねじり貫手をかまして来た。
・・・早い。達人でもこれをくらったら、一溜りもないだろう。でも、今の俺なら十分対処出来る。
俺は体をずらして貫手を避け、逆に正拳突きをした。
「チェスト!」
本郷もそれを避けた。そして今度はさっき以上の攻撃を一編に叩き込んできた・・・そこからは近距離の乱打戦だった。
バン、バン、バン!
「全く、年下相手に手加減がないですね!僕じゃなかったら、とっくにしんでますよ!」
「刃向かうものであれば、女子供とて容赦しない」
俺達の激しい戦いで、回りの地形が変わっていった・・・大地は砕け、木は倒れ、川は溢れだした。
「チェスト!」
「!」
本のちょっとの隙を狙って、俺は前蹴りを顎にヒットさせた。しかし敵も達人。自ら後ろに引いて、衝撃を和らげた。
「そうはさせません!」
俺は本郷の上に飛び、逆鬼から習った猛羅総拳突きをかました。
「ぐっ!」
流石の本郷も防ぐので手一杯だった。
「チェスト!」
「ぐふぁ!」
防御の隙間から、渾身の正拳突きをくらわした。
「!舐めるな!」
「くっ!」
なんと本郷は喰らった状態で、手を掴み、俺の腹に蹴り数発喰らわせた!俺は無理に体勢をずらし、追撃を避けた。
「・・・随分しぶといですね。渾身の力でやったのですが」
「ふん・・・鍛えかたが違う」
そう言いながらも、立った本郷はふらついていた。
・・・どうしょう。このままじゃ、本郷は死ぬまで追いすがってくる・・・
「何を戸惑っている・・・武人なら相手を倒す!・・・それでけを考えればいい。余計な感情は捨てろ」
本郷は段々と近付きながら、言った。
俺は構えながら言った。
「・・・それではただの殺人気と同じです。武は人を殺める為にあるのではありません・・・人を活かす為にあるのです!」
「ふっ・・・活人拳か・・・良かろう。どっちが正しいか、決めようではないか!ふん!」
本郷また一瞬で、懐に入った。俺は逃げようとしたが、驚いたことに既に退路をなかった。なぜなら、あらゆる方向から貫手が襲ってきたからだ!
・・・これは半分は虚だ!何故か分からないが、感じ取った。
「気付いたか!両手の内片方は実で、もう片方は虚だ」
・・・実の方を食らったら、終わりってわけか・・・逆に言えば、虚の方を受け止めれば隙が出来て、俺の勝ちだ。
そう見定めて、俺は精神を極限まで落ち着かせ、集中した。その間にも貫手迫ってきて、遂に心の臓まで達しようした!
「・・・・流水制空圏!、バシッ!」
「何だと!」
俺は流水制空圏で本郷の行動を読み、虚の方貫手を見事引き当てた。
「不動砂塵爆!」
「ぐはぁぁぁぁ!」
無防備になった本郷に、逆鬼習った必殺技『不動砂塵爆』を喰らわした。
「ぐぅぅぅぅぅ~~~~!」
さすがに本郷は膝を着いた。しかし目はまだ死んでおらず、猛獣のような目をしていた。
「先生!もういいよ!」
翔が隠れてた茂みから出てきて、俺と本郷の間に割って入った。
「・・・退け、翔。これは戦いだ。余人の出る幕はない」
「先生、もうボロボロじゃないですか!それに僕は先生の弟子です。余人なんかじゃありません!」
「・・・・」
「先生、お願いです!もう止めて下さい!この通りです!」
そう言って、翔は頭を下げた。
「・・・お前が意見するとはな・・」
余程珍しかったのか、本郷は面をくらっていた。
「・・・本郷さん。どうです?翔もこう言ってることですし、勝負は又の機会ということで?」
本郷は俺の顔を睨み付けた後、暫くして言った。
「よかろう・・・ただし、決着はつけるからな。首を洗って待っていろ」
俺が頷くと、本郷は自ら立ち、立ち去ろうとした。しかし、ふらついて倒れそうになった・・・
「先生、危ない!」
・・・のを、翔が肩を組んで助けた。
「離せ、翔」
「嫌です」
「もう一度だけ言う・・・離せ」
俺に向けてきた同様の威圧を翔に与えた。しかし翔は臆することなく、首を横に振った。
「・・・またか・・・どうやら、翔はお前の影響で、変わったらしいな」
「いえ、変わったのではありません。自分に正直になったのだと思います・・・」
俺の答えに、本郷は鼻で笑い、翔に助けられながら、去って行った・・・・
「ところで先生、僕先生助けたから、罰とかってありませんよね?」
そう言うと先生は珍しく、口を緩めながら
「安心しろ・・・24時間みっちりしごいてやる」
「そ、そんな~~~~~~!」