GO GO! れめでぃおす   作:聖騎士07

1 / 16
GO GO! れめでぃおす

 

 カストディオ家では長女レメディオスの聖騎士団入団を祝って母親がご馳走を作っていた。それをそっと見守る妹ケラルト……

 

「姉様、姉様。今日のおやつのドーナツ、私の分も差し上げるわ」

 

「わーい。ありがとうケラルト。こんなに食べれてうれしいな」

 

 そしてその晩──

 

「どうしたのレメディオス? 貴女の入団祝いのご馳走なのに……ほとんど手をつけていないわね」

 

(……うーん……こんな事ならドーナツ食べ過ぎなければ良かった……)

 

 

 

 

 

「お母様、このおやつのケーキ、お姉様の分も持っていってあげますわ」

 

「ありがとうケラルト」

 

 ケラルトはレメディオスの部屋に行って告げた。

 

「姉様。今日のおやつは宿題が終わってからでないとあげません、とお母様がおっしゃっていたわ」

 

「わかった。頑張る」

 

 レメディオスは一生懸命勉強に励んだ。ケラルトは自分の部屋に行くとケーキを二つ共食べてしまった。

 

「ようやく宿題が終わった! ケラルト、私のケーキは?」

 

「姉様、もうじき夕食の時間よ。おやつは夕食の後ね」

 

「うん。わかったよ」

 

 夕食を腹一杯食べたレメディオスはすっかりケーキの事を忘れてしまった。

 

 

 

 

 

「ねえケラルト? 私のおやつ知らない?」

 

「姉様のおやつなら私が食べてしまいましたわ」

 

「えー? ひどいよケラルト」

 

「言っておくけど何も私が食べたいから姉様のおやつを食べた訳ではないの。全ては姉様の為よ。私が魔法で姉様を守る為にはとてもカロリーが必要なの。だから仕方なく姉様の分もおやつを食べたのよ」

 

「そっか。ケラルトありがとう」

 

 

 

 

 カストディオ姉妹は母親にねだってそれぞれ小鳥を買ってもらい飼い始めた。

 

 ケラルトの小鳥は綺麗な声でさえずるようになり、評判となった。

 

 レメディオスの鳥籠はいつしか空っぽになっていた。街の皆はわざと小鳥を逃がして自由にさせたのだろうと感心した。

 

「ケラルト。今度はもっと丸々とした小鳥が良いな。この前のは全然肉がついてなかったからな」

 

 

 

 

「ケラルト、ケラルト。どうして私にはチンチンが無いのかな?」

 

「え? そんなの姉様が女だからに決まってるでしょ? なんでそんな事聞くの?」

 

 レメディオスは腕を組む。

 

「聖騎士団って男ばかりなんだよね。だから私も男だったらなぁ、って」

 

 突然レメディオスが手を叩いた。

 

「そうだ! 良いこと思いついた! ケラルトの魔法でチン──」

 

「──出来ません!」

 

 

 

 

 最近レメディオスは剣の練習に没頭していた。

 

「姉様、最近はずいぶん熱心に剣の練習をしているわね? 何かあったの?」

 

「うん。もうじきクリスマスだからね」

 

「……それがどうしたの?」

 

 レメディオスは剣を納めると爽やかな顔で言った。

 

「サンタクロースを捕まえてプレゼントを独り占めにするんだ」

 

 

 

 

 

「姉様。これからゲームをしましょう」

 

「どんなゲーム?」

 

「姉様はこれから『レメディオス』と言ってはいけませんよ。『レメディオス』と言ったら姉様の負けですからね? わかりましたか?」

 

「うん。わかった。レメディオスって絶対に言わない」

 

「……姉様の負けです」

 

 

 

 

 

「……なんか悔しいな。ケラルト、もう一回やろう。今度はスタートって言ってから始めようよ」

 

「わかりました。姉様、ではスタート!」

 

 レメディオスは口を閉ざしたまま息を止める。やがて顔が真っ赤になってきた。

 

「ぷはー! 苦しかった。もう少しでレメ──いかんいかん。またケラルトに負ける所だった」

 

「『ケラルト』って言ったから姉様の負けね」

 

「えー? 違うよ? レメディオスって言っちゃいけないって──」

 

「ほら、姉様の負け」

 

「???」

 

 

 

 

「決めた! 私は聖騎士団で一番強くなるぞ!」

 

「姉様、それは素晴らしいですわ。で、強くなったらどうしますか?」

 

 レメディオスは真っ青になる。

 

「しまった。強くなる事しか考えていなかった。強くなってしまったらする事がなくなるぞ」

 

 レメディオスは暫く考え込むとパチリと目を開いた。

 

「いい事を思いついた。私は強くなるのやめるとしよう。これなら強くなって困る事は無いぞ」

 

 ケラルトは頭を抱えるのだった。

 

 

 

「うーん……うーん……」

 

「姉様、何を悩んでいるの?」

 

「どうも算数は苦手なんだ」

 

「それじゃあ私が姉様にわかりやすく教えてあげます」

 

「ありがとうケラルト」

 

 ケラルトはコホンと咳を一つした。

 

「では姉様。机の上にお小遣いを出してみて」

 

 レメディオスは言われるままサイフの中身を出す。銀貨一枚、銅貨六枚あった。

 

「いいですか? 姉様は買い物に来ています。で、私からケーキを買って代金の銀貨一枚を払いました」

 

 ケラルトは机の上の銀貨を自分のポケットにしまう。

 

「さて、残りはいくら? さあ、姉様、数えてみて」

 

 レメディオスの顔が明るくなる。

 

「わかった! 残りは銅貨六枚だ!」

 

 ケラルトは拍手をする。しばらくするとレメディオスが首を傾げた。

 

「あれ? 私の銀貨はどこにいったのだろう?」

 

 ケラルトは涼しい顔で諭した。

 

「姉様。姉様はさっきケーキを買って代金の銀貨一枚払ったじゃないですか?」

 

「??? ああ、そうだった」

あなたにとってレメディオス・カストディオとは?

  • 愛すべきおバカさん
  • 理想の女上司
  • レメディオス様の靴で踏まれたい
  • 身近にいたらたまらない
  • いや、絶対に年齢詐称やん
  • きっと謎の覆面女騎士として再登場するよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。