GO GO! れめでぃおす 作:聖騎士07
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2024年秋の公開に向けて、撮影が進んでいた。
「……むむむ……」
「姉様、難しい顔をして……どうかしたの?」
控え室の隅で腕を組んで唸るレメディオスにケラルトが声をかけた。
「……いやな、どうしても納得できんのだ。私達がどうして相部屋なのだ? いや、私やケラルトはまだ我慢出来る。どうしてローブル聖王国の聖王女様であるカルカ様までが一緒の控え室なのだ? おかしい。絶対におかしいぞ?」
出演者の控え室の割り当てが「ローブル聖王国様」としてカルカ、ケラルト、レメディオスの三人がひとつの大部屋になっているのがどうやら納得出来ないようだった。
「姉様。でもね、イサンドロやグスタープですら他の聖騎士逹とテントの控え室なのよ? それにリ・エスティーゼ王国のアダマント級冒険者チーム『蒼の薔薇』なんて五人で私達と同じ広さの控え室なのよ?」
レメディオスもアダマント級冒険者が王族と同じ位の影響力があるのは知っている。それに蒼の薔薇のリーダーは確か王国の貴族だった筈だ。
納得しきれないレメディオスではあったがケラルトの何気無い呟きに心をうばわれる。
「……しかし、イサンドロやバベル等の五色やグスターボ逹も兵士と一緒のテントなんて……大変でしょうね……」
レメディオスはニヤリと笑みを浮かべる。
「……ふむ。そんなにひどい有り様なのか。それはおもしろ──いや、大変だろう。ここは私が足を運んで激励してやらなくてはな」
(──自分より下の扱いを受けている部下を眺めて自らを慰めるつもりなのでしょうが……聖騎士団団長なのだからもっと部下をいたわって欲しいけど……無理ね)
意気揚々と控え室を出たレメディオスだったが、明らかに格上の個室の『ネイア・バラハ様控え室』の表示に激怒するのだった。
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「あら? 姉様、ずいぶんと早いお戻りでしたね?」
「…………ぐぬぬぬ……うぬぬぬ」
激情のあまりに口がきけないレメディオスにケラルトは身の危険を感じる。
「あら? レメディオスったらお顔が真っ赤じゃないの?」
場の空気を読まないかのように聖王女カルカが声をかけてきた。
さすがにカルカ様に怒りをぶつける訳にいかないレメディオスは大きく深呼吸をしながら事情を説明する。
「──成る程。聖王女たる私がこの大部屋なのに、聖騎士見習いの子が個室なの……」
カルカはケラルトに尋ねる。
「ケラルト、貴女はどう思うかしら?」
「……あくまでも推測ですが……」
ケラルトは言葉を選びながら続ける。
「この現場には原作者の丸山くがね様も来ているそうです。原作者は私達にとって神様に均しい存在。ですからその原作者がネイアに大切な配役を与えられたのかと……」
「ふざけるな! あの従者は目付きが悪く仕事も出来ないんだぞ? 聖騎士のくせに剣の扱いが下手くそで弓ばかりいじっていてなにが重要な役だ! 私がその丸山こがねにガツンと言ってやるッ!」
威勢よく飛び出していったレメディオスでしたが、監督や脚本家に止められて「騒ぎを起こしたら出番を減らす」と言われて渋々戻ってきたのでした。
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「──おのーれヤルダバヤトめ! ここで会ったが百年目、つのりに積もったこの怨み、いざ、果たさずにーはーいられよーかーあ!」
「──カット! ええっとレメディオスさん、ダメダメ! ちゃんと台本通りにやってもらえます? 困るんですよね」
歌舞伎ばりに見栄を切るレメディオスに監督のお叱りがとぶ。
「……うむ。し、しかしだな……ここは爪跡を残すべきとセバス殿が──」
「──ハイハイ。そう言うの良いから。じゃ、一旦休憩。妹さんはお姉さんによく言って聞かせてよね?」
そうして撮影が進んでいく。レメディオスのセリフは半分になり、逆にグスターボのセリフが倍増したのだった。
あなたにとってレメディオス・カストディオとは?
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愛すべきおバカさん
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理想の女上司
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レメディオス様の靴で踏まれたい
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身近にいたらたまらない
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いや、絶対に年齢詐称やん
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きっと謎の覆面女騎士として再登場するよ