GO GO! れめでぃおす   作:聖騎士07

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GO GO! れめでぃおす2

 

「ケラルト、ケラルト、見てみろ。この素晴らしい幸運を呼ぶ壺がなんと金貨二枚だったのだ」

 

「──姉様……また騙されて無駄遣いしてしまったのね……これは二束三文のガラクタよ」

 

 レメディオスは納得しなかった。

 

「そんな事ないぞ? これはとある王家に伝わる由緒正しい壺なんだぞ? 世界に二つとないお宝で、しかも毎日幸運をもたらせてくれるんだぞ」

 

 ケラルトは肩をすくめて見せた。

 

「……はいはい。姉様の好きにしてちょうだい。姉様が自分のお金をどう使おうが好きにすると良いわ」

 

「ありがとうケラルト。……そうそう、ちゃんとケラルトの分にもう一つ買ってきているんだ。幸運を呼ぶ壺。世界に一つだけしか無い壺を二つも手に入れられた私はなんという幸運なんだろう」

 

「…………」

 

 

 

 

「ケラルト、大変だ。どうしようか?」

 

 いつになく興奮気味のレメディオスがやって来た。

 

「姉様、一体どうしたの?」

 

「実はな、私にもとうとうラブレターが来たのだ」

 

 ケラルトは一瞬姉に殺意を覚えた。私の方が──しかし思い直す。カルカ様には及ばないが、私達姉妹もなかなかの美貌であるとの自負がある。だから姉にラブレターが来る事自体は何ら不思議では無いのかもしれない。

 

 ケラルトはにこやかに笑いかけた。

 

「姉様、まずはその殿方にお会いしてからどうするか考えたら良いと思うわ」

 

「そうか。そうだな。そうしよう」

 

 次の瞬間、ケラルトの目にレメディオスが手にした手紙の表書きが映る。

 

「……姉様……それはラブレターじゃなくて果たし状よ」

 

 

 

「ケラルト、私は決めたのだ。カルカ様の理想の『弱き者が泣かない誰もが幸福な世界』を作ると」

 

「姉様、それは大変素晴らしいですわ」

 

「私は『弱き者が泣かない誰もが幸福な世界』を作るぞ」

 

 レメディオスはまたしても胸を張る。

 

「私は『弱き者が泣かない──」

 

「……姉様。具体的にどうしたら良いかわからないのね」

 

 

 

 

「ケラルト、『やおい穴』ってなんの事だ?」

 

「──姉様! いったい誰からそんな知識を? まさかイサンドロ?」

 

「いや、勉強しようと思ってケラルトの本棚から借りてきた本に載っていたのだ」

 

「……」

 

 

 

 

「ねえケラルト。皆が私の事を『いのしし武者』と呼ぶのだが……私は喜んで良いのか?」

 

 ケラルトはため息をついた。

 

「……姉様、猪武者とは猪みたいに猪突猛進──」

 

「──ちょっと待て。すまないがもっと分りやすい言葉で頼む」

 

「──わかったわ。つまりは猪のように何も考えずに敵を見つけたら突進する騎士の事よ」

 

「ふむ。それはイカンのか?」

 

 ケラルトはちょっとだけ逡巡してから答える。

 

「良くないわ。特に姉様のように部下に指示を出す立場では尚更ね」

 

 レメディオスは神妙そうな表情になる。しかし、ケラルトにはそれが上辺だけだとわかっていた。

 

 と、急にレメディオスがフフフと笑い出す。

 

「……いや、大した事では無いのだが…………私はてっきり猪の肉をムシャムシャ食べる事だと思ってたのだ」

 

 

 

 

 

「……ウムムムム」

 

「姉様、どうしました?」

 

「うむ。私の聖剣サファルシアの必殺技なのだがな、『聖撃』じゃなくこうもっとカッコイイ名前をつけようと思ってな。ナントカメガインパクト、とか」

 

 ケラルトはため息をついた。

 

「やめておいた方が良いと思うけど……」

 

「えー? なんで?」

 

「姉様には五文字以上はきっと覚えられないと思うの」

 

 

 

 

「ケラルト、指示通りに聖騎士ガルバンは前線に配属したぞ。……しかしなんでまた彼を前線に? 結婚したばかりの新婚ホヤホヤなんだが?」

 

「……だからじゃないの。姉様わからない?……(リア充死ね)」

 

 

 

 

「姉様。副団長のグスターボが怒っていましたがどうしたのです?」

 

「グスターボの奴、いきなり怒りだしたのだ。私は何も悪くないぞ?」

 

 ケラルトはため息をついた。グスターボは副官として常にレメディオスを支えてきた。しかし今回の逆上ぶりは初めてだった。

 

「姉様。姉様は時々悪気はないのに相手を不愉快にさせてしまう事がありますよ? 何があったのか、もしくは副団長に何を言ったかおっしゃって下さい」

 

「私は悪くないぞ。むしろ感謝されるべきだぞ。私は誉めてやったのだからな」

 

 レメディオスは胸を張る。

 

「グスターボめ、ペットのリスの自慢をしていたから、私はリスを誉めてやったんだ」

 

 レメディオスは更に胸を張った。

 

「素晴らしいリスだ。丸々としてうまそうだ、ってな」

 

 

 

 

 カストディオ姉妹は仲が良い。たまに一緒にお風呂に入る事もある。

 

「……うーん……うーん……」

 

「姉様、どうかしましたの?」

 

「…………別に黒くないな」

 

「……?」

 

「……いやなに……皆がな黒いと言っていたのだが……ケラルトのお腹は黒くないぞ」

 

 

 ──翌日

 

「……イサンドロ、ケラルトのお腹は黒くないぞ。私が風呂でちゃんと確かめたから間違いない。黒いのはちく──」

 

 バッチーン! 突然ケラルトの平手打ちが炸裂した。真っ赤な顔のケラルトは叫ぶ。

 

「黒くありません!」

 

 何故妹に叩かれたかわからないレメディオスは目を丸くする。

 

「…………団長、用事を思い出したので失礼いたします」

 

 イサンドロはその場を去るのだった。

 

 

 

「ケラルト、どうやら私はレズなんとからしいぞ? レズなんとかってどういう意味かな?」

 

 ケラルトの表情が変わる。

 

「酷い! いったい誰がそんな酷い事を! 姉様、それはきっとレズビアンじゃなかったかしら?」

 

「……あ、うん。よくわかったねケラルト。そうそのレズビアンらしいぞ。私達」

 

「……姉様! 怒るべきよ……そのレズビアンっていうのは……女同士で……女同士で仲良くする事なの!」

 

 レメディオスはニッコリ笑った。

 

「それじゃあ私達はレズビアンだね」

 

 

 

 

「ねえ、ケラルト。ケラルトの理想の男性ってどんな感じ?」

 

「うーん……まずは家柄ね。やはり侯爵以上は無いと。それに財産。ああ、そうそう。容姿も重要ね。それだけじゃなく頭脳も優れていないと──」

 

「うーん……そんなに沢山の条件は無理じゃないか? 私の場合はもっと簡単だぞ」

 

「それなら姉様の理想を聞かせて欲しいわね?」

 

「うむ。私の理想はシンプルだ。私より強い。それだけだ」

 

「……姉様の理想も難しいのではなくて? 姉様より強いなんてこの国にはいないじゃないの?」

 

「うーん……なら、ガゼフ・ストロガノフでいいや」

 

「……姉様。名前位はちゃんと覚えておきなさいな……」

あなたにとってレメディオス・カストディオとは?

  • 愛すべきおバカさん
  • 理想の女上司
  • レメディオス様の靴で踏まれたい
  • 身近にいたらたまらない
  • いや、絶対に年齢詐称やん
  • きっと謎の覆面女騎士として再登場するよ
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