真・幻想創星録   作:青銅鏡(銀鏡)

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・・・いやーもう、兵庫県在住なんですが、クソですねクソ。素直にクソです。

初日警報でテストキャンセルで喜んだのも束の間、誰が三日ほどブッ続きで警報出せと言ったよ。家の近くで崖崩れ起きますしね。土曜は警報の需要ないので帰って下さい。まさか龍一の雨男スキルのせい・・・?
皆様は大丈夫でしたか・・・?

はてさて、これで四凶の話は一度落ち着きます。

ゆっくりご覧ください。


第十九話 初仕事

「あー・・・あったあった。ここです」

 

 

侵二率いる四凶に案内され、今目の前に巨大な宮殿が見えている。視界前面全部覆ってんじゃねえか。

 

 

「・・・サイズデカすぎない?」

 

 

「まあ確かにデカイよねー・・・潰し甲斐があるってことでどう?」

 

 

「どう?ってお前な・・・」

 

 

幻夜の適当な発言に文句を言っていると、壊夢が何処から掘り返したのか巨大な柱の素振りを始めた。

 

 

「待て待て待て!どっから持ってきたんだよ!?」

 

 

「焦るな壊夢。それに・・・」

 

 

風魔が俺を指差す。

 

 

「今回の指揮は主上だ、多少の融通は変わるぞ」

 

 

「そうぜよなぁ・・・期待しとるぜよ」

 

 

「そうですね。さて主上、ご命令を」

 

 

俺はごく落ち着いて壊夢に言った。

 

 

「壊夢「応!」建築物跡形もなく崩せ「おお!良いんぜよか!?」風魔、「何だ」雨降らせろ「それで良いのか?」構わん。盛大にな。侵二と幻夜は一旦待機」

 

 

「えー・・・まいっか」

 

 

「ちゃんと麒麟は殺させて頂けますか?「勿論だ」了解、任せます」

 

 

今回使用する策はとある家庭製品からアイデアを貰っている。

 

 

「っしゃ!行くぜよ!!」

 

 

壊夢が凶悪な体格と筋力で跳躍し、縦に振られた柱は宮殿を屋上から一階まで粉砕した。ケーキ入刀。

 

 

「本当に降らせるぞ?・・・破ッ!」

 

 

風魔の掛け声と共に暴風雨が吹き荒れ始める。既に宮殿にいたであろう天女のような姿をした人々や翼の生えた虎などの神獣は逃げ惑い始めている。まあ半数は瓦礫の下で潰れてるか柱の直撃喰らって死んでますわな。

 

 

「よし幻夜・・・地面を凍らせろ」

 

 

「なーるほどねー・・・了解っ!」

 

 

たちまち土砂降りで湿った地上は凍結し、人間や神獣は足を取られる。

 

 

「おー・・・やってるやってる。侵二、大体分かってるだろうが・・・」

 

 

侵二は頷いた。

 

 

「・・・驚いた。正面から襲いかかるつもりだったんですがね・・・ここまで効率的で残酷な発想はすぐには出ませんね」

 

 

侵二は細剣を地面に向けると、放電した。

 

 

周囲一帯が電撃の海と化し、足を取られていた人間や神獣は影を残して消え去る。

 

 

尚、参考はゴキブリホイホイと電撃が流れるハエ叩きからだ。凄いよねあの二つ。

 

 

「おひ〜・・・もう何も残ってなくて笑うんだけど」

 

 

「そうですねぇ・・・まさか龍神から全部滅ぼそうぜとの命令を遠回しに受け取る日が来るとは思ってませんでしたね・・・」

 

 

「まあ龍神だって生きてるから。そもそも神は理不尽で傲慢なものだから仕方ない。・・・そこに奇跡を見出すのが人。面白いな」

 

 

「絶対龍神が言っちゃいけない事言ったよこの人・・・」

 

 

「くぁ・・・しかし、肝心の麒麟が見えんぞ?」

 

 

「そうぜよなー・・・人間と神獣しかおらんぜよ」

 

 

死骸を刀でつつき、蹴って転がす風魔と壊夢。二人の表情はいかにもつまらなさそうで、風魔は欠伸までしている。

 

 

「そうですね・・・逃げられた、ってことですかね」

 

 

 「いや?案外そうでもねえぜ?・・・なあそこで蹲ってるお嬢さん?」

 

 

 「ひっ!?」

 

 

俺は倒壊した建物の瓦礫を蹴り上げ、蹲っていた女の子を引きずり出す。

 

 

「な、何をするのよ!この麒麟である私に対して「お久しぶりですねぇ」ッ!?」

 

 

麒麟と名乗った女の子は強めな姿勢を見せたが、侵二の一声で表情を恐怖に変えた。

 

 

「随分と呑気そうではないですか、ええ?」

 

 

「なん、で、アンタが、ここに・・・!?」

 

 

侵二はさも面白く無さそうな表情で翼を撫でる。

 

 

「愚問ですね。踊りに来たように見えますか?」

 

 

侵二は細剣を抜き、麒麟の喉元に近づけた。

 

 

「あの件のツケに決まってるでしょう」

 

 

「ッ・・・親の事ね?」

 

 

麒麟は細剣を押しのけ、立ち上がって離れようとした瞬間、

 

 

「逃げの一手は無しでお願いします」

 

 

幻夜の氷で足を固定された。

 

 

「・・・!?」

 

 

「ツケ・・・と言って理解出来てないんですか?返してもらうのは確定事項なんですよ?」

 

 

侵二は可哀想な奴を見るような目で麒麟を眺めると、細剣を麒麟の喉元に近づけた。

 

 

「まあ一々説明する必要性も無いですね。・・・どうせ死にますしね?」

 

 

「な、何よ!たかがあんな汚い奴一匹消しただけで・・・婚約者の私を捨てて、殺すっての!?あまつさえ神にまで逆らうの!?」

 

 

叫んだ麒麟をいかにも馬鹿にするように侵二は見下ろして言った。

 

 

「だからどうした、飯が食えなくなるのか?」

 

 

「は・・・!?」

 

 

「婚約者だからなんだって言うんだ?・・・いつ、どこで、殺すななんて決められたんだ?いつ、神に逆らうなと命じられた?誰も言ってないな。多少常識に逆らうだけで飯が食えなくなるわけではないだろう?・・・それに」

 

 

侵二は細剣を麒麟の喉元に当てた。が、そこから進まなかった。

 

 

「俺はお前を殺すとは言ってない。単に、ツケを返してもらいに来ただけだ」

 

 

侵二はしばらく睨んでいたが、苦笑して首を振りながら細剣を投げ捨て、麒麟を抱きしめた。

 

 

「やめだ。いきなりすまんな。・・・俺はこの国を出る。お前にあの件で負い目があるなら、裏切られたとはいえお前は信用した相手だ。・・・攫いに来た。来るか?」

 

 

しばらく麒麟は両手の行き場を無くし呆けていたが、頷いた。

 

 

「・・・アンタがどうしてもって言うなら、行っても良いわよ。・・・悪かったわね。アンタの事、裏切って」

 

 

「・・・ありがとう」

 

 

「ううん、・・・やっぱり、貴方が好きかな」

 

 

侵二は俺たちに顔を向けるように麒麟を抱きしめていたが、

 

 

「なら・・・逝こうか」

 

 

麒麟と顔を合わせた時の表情は、本当に感謝して、やや涙声になっている声の割には口が歪みきっており、そっと抱きしめていた麒麟から離れ、顔を合わせ、静かに口を大きく開いた。

 

「俺も裏切るからドローだな。俺はお前の事」

 

 

何が起きているか分からないような表情を浮かべた麒麟を、翼が押さえつけ、侵二は牙をそっと首筋に近づけた。

 

 

「初めから大嫌いだったな。あの世でもツラ見せるな」

 

 

・・・数瞬の後、麒麟だったモノは翼に飲み込まれ、侵二の口元は血で汚れていた。

 

 

「・・・親を殺した事は良いさ。俺を裏切った事も別に良いさ。けどな・・・」

 

 

侵二は血を拭い去り、暗く笑った。

 

 

「ツケは返してもらうって言っただろ?・・・それに、喰わないとは言ってない、って感じですね」

 

 

侵二はニヤついた笑いを浮かべると、宮殿の残骸を雷で破壊した。

 

 

「・・・満足したか?」

 

 

「まあ・・・満足ですね」

 

 

「良かったのか?婚約者を殺して」

 

 

「・・・ええ、まあ彼女が私に恋愛感情を抱いていたのは予想外でしたが、生憎答える気はありませんでしたから。・・・なら、殺してやった方が楽です・・・ってのが建前で、死んで頂いてとても嬉しいですね。食事が進みます」

 

 

「生粋のクズじゃん。・・・お前の頼みってのはこれで終わりか?」

 

 

俺が問うと、侵二は天を仰ぎ、微笑を浮かべて俺に向き直った。

 

 

「ええ。完全・・・とは言えませんが、現在殺せる相手を考えるなら最上の状態です。・・・では主上、改めて私は・・・」

 

 

侵二は俺に膝をついた。

 

 

「饕餮、もとい侵二。永久に従う事をここに誓約します。・・・こんな生物のレールから外れた上に、目的の為に数千年付き合ったのち裏切る事も厭わない化け物ですが、よろしくお願いします」

 

 

「・・・ああ」

 

 

俺は何故かふと、かつて倒した謎の生物の落とした簪について問おうと思ったが、顔を上げた侵二には一切の迷いが見えず、優しくも残酷な笑みを浮かべていたので、黙っておくことにした。逆に悪い影響を与えてしまうかもしれない・・・そう思った。

 

 

「ねー・・・まだその重いの続くのー?」

 

 

「・・・すみませんね」

 

 

「まあ良いけどさ。・・・でも、侵二ってお嫁さんになる予定の人いたんだねー」

 

 

「まあ・・・そうなりますかね」

 

 

いいなー、と幻夜は本気なのか分からないトーンで呟く。

 

 

「・・・ま、僕にお嫁さん出来たら奇跡だけどね。花の好きな娘なら誰でも良いかな・・・」

 

「・・・お前の条件が軽すぎて大半が該当するぞ」

 

 

「そーかなー?じゃ、そう言う風魔は?」

 

 

風魔は面喰らった表情をした後、クソ真面目に答えた。

 

 

「価値観を共有でき、人を思いやれる奴なら良い。・・・自然が好きな奴ならなお良いな」

 

 

「へー・・・」

 

 

じゃ、壊夢はー?と幻夜は質問を続ける。

 

 

「俺より力のある奴「無理でしょ」「寝言を言うな」・・・そこそこ力のある奴ぜよね。後は根腐れ無いのが良いぜよかな」

 

 

「ふーん。・・・ちょっと二人とも以外「ええ根性しとるぜよな」「斬る」ちょっとタイム!そうじゃなくて・・・一人で良い、とか考えてそうだったからさ・・・」

 

 

風魔は馬鹿にしたように幻夜を眺め、壊夢は面白そうに幻夜を見た。

 

 

「あくまでも理想論だ。あるわけがなかろう」

 

 

「まー・・・遠い理想ぜよから、俺はどっちでも良いんぜよ」

 

 

「えー・・・みんな夢ないなぁ。どうせ叶わないんだしもっと言おうよ。ふと座ってたら隣でスヤスヤ寝てるとかさ良いと思わない?絶対無理なんだからガンガン考えよーよ」

 

 

「それ貴方が一番否定してますよ?」

 

 

「そだね。・・・まあ何処の誰が頭おかしくてこんな意味不明の団体に好きですとか言うのさ?言わないと思いまーす」

 

 

「お前らそれ俺も入れてんのか?」

 

 

「バカ言え、何処に壊夢と殴り合って、幻夜の攻撃でくたばらず、私の斬撃を見切って、侵二に投了させる一般人がいるんだ。いや、龍神だったな」

 

 

そう言うと馬鹿らしくなったのか、風魔は苦笑した。

 

 

「・・・全く、つまらなさ過ぎて笑えてくる」

 

 

「まあまあ・・・では主上、話を変えますが・・・次は如何なさいますか?」

 

 

俺は八岐の剣を取り出し、地面に突きつけた。すると八岐の剣は東に倒れた。

 

 

「よし、向こうだ「行動原理雑ッ!?」「身勝手の極意極まれりだな」・・・だって予定ないし、フラフラしようぜ」

 

 

風魔は苦笑し、幻夜はニヤニヤと笑い、壊夢は面白そうに笑い、侵二はやれやれと首を振ったのち笑った。

 

 

「御意、では行きましょう。主上」

 

 

俺達は歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

海を。

 

 

 

次回へ続く

 




さて・・・どうしようかなこの非常識メンバー(定番の後先放置)

侵二はまあ、バツイチと考えて下さい。相手の顔写真にバツが入った方のですが。


そう言えば七夕でしたね。織姫と彦星のくだりは今年は現実の天気では会えなさそうですね。・・・そういえばこの前、とあるホテルの短冊に願い事を書くコーナーに、パパのお友だちが働いてくれますようにって短冊があったんですね。真面目に何があったか問い詰めたいです。どうなってんですかね。
・・・おじいちゃんとおばあちゃんが長生き出来るように、医者になるので応援してくださいってのもありました。いい子ですね。誰だか分かりませんが眩しすぎて溶けました。


次回もお楽しみに。
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